「……凶兆についてはあれからどう? マグダレーネ」 一通りの近況報告、各セクションの進捗状況などの確認が済んだあと、紅茶を飲みながらさりげなくイリーナが尋ねる。 しかし、マグダレーネはゆっくり首を振る。ついでにずり落
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陽光の照り返しを受け、燦然と輝くその城のテラスに6人の女性が姿を現す。
人々の熱狂は一気に極限まで高まり、女の中には……いや、男もか……泣き出す者も出る始末だった。
ここに集まってる人間は誰一人例外無く、あのテラスの上の豆粒のような女達を愛しているのだ。
―――――この混沌の大陸〝パンゲア〟の救い主、魔王を倒し世界を守った美しき六英雄達を―――――。
へたれ悪魔と七英雄 へたれ悪魔、執務室で痛い目に遭う
俺が教会を制圧するのに三日掛かった。……いや、この言い方は違うな。 俺が教会を自分の望み通りの環境にするのに、三日掛かったと言うべきか。 あれから昼は教会の洗脳の強化、夜はソフィーヤを抱きまくる、とやる事が一杯あっ
もっと読むへたれ悪魔と七英雄 へたれ悪魔、大聖堂で対決する
……俺の前には現在世界最強であろう女の一人がいる。 しかもその女が烈火の如く怒っている。 この威圧感、絶望感は味わった者にしか分からないと思う。 目の前に居るまだ20そこそこの綺麗な女がドラゴンより強いと言われて
もっと読むへたれ悪魔と七英雄 へたれ悪魔、隠れ家で仲魔に出会う
白く輝く不落の城、ケテル城。世界を救った英雄達の居城。謁見の大広間は豪奢な細工を施された大理石の円柱が立ち並び、中央には金縁の刺繍も美しい、幅広の赤いカーペットが敷かれている。部屋を直線状に縦断するカーペットはゆるやか
もっと読むへたれ悪魔と七英雄 へたれ悪魔、水車小屋で決意する
ポンポンと情けない音を上げて花火が次々に打ち上げられる。昼の最中に見る花火はマヌケ以外の何ものでもない。 抜けるような青空の下、わずかな煙を吐き出しすぐに消えていく人間の文明の利器とやらを眺めながら、俺は忌々しげに溜
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