第一話 我は、魔王だ。人界と対になる魔界の主にして、人間どもの永遠の仇敵である魔族の王だ。我は、磨き抜かれた黒大理石の玉座に座り、闇に包まれた魔界の王の間の虚空を見つめている。この広大な部屋に、我以外の人影はいない。い
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失楽園 カバンノヨウコ
回想2。 褒美。 ・・・!? ガタンゴトンガタンゴトン・・・。 いかん、寝てたのか・・・? 電車で立ったまま寝てしまうとは疲れてるのかな。 どこに向かっているのか思い出せない。 寝ぼけてるのかな。 駅に着き
もっと読む失楽園 カラダアライタオルノユミ
カラダアライタオルノユミ 回想1。 浴室。 「ご主人様~お湯加減はいかがですか?」 「ちょうどいいよ」 今はご主人様の入浴タイムだ。 広い湯船に仰向けになって半分浮いてるような状態のご主人様。 枕のRINに抱きかか
もっと読む失楽園 コップノチヅコ
コップノチヅコ 独白2。 原田千鶴子。36歳。 外資系企業の日本支社長の秘書をしていた。 2年前に失踪していたが突然実家に戻ってきた。 『ゴシュジンサマ』の関与が疑われるが詳細は不明。 あの日、ご主人様がいなくな
もっと読む失楽園 オハシノユウコ
オハシノユウコ 証言2。 中田優子。19歳。 『ゴシュジンサマ』の通う学校の近くのコンビニでバイトしていた。 いわゆるフリーターで親元を離れ一人暮らしをしていたため失踪認定が遅れた。 地元の暴走族に所属していた模様
もっと読む失楽園 クチマンコノサヤカ
クチマンコノサヤカ 独白1。 中村沙耶香。業界2位の中村建設社長令嬢。5年前に家出をしてそのまま失踪。当時は身代金目当ての営利誘拐と考えられ、捜査もすすめられたが結局発見できず。 『ゴシュジンサマ』の通っていた学校の近
もっと読む失楽園 ショウベンキカッコヨルヨウノミキ
ショウベンキカッコヨルヨウノミキ 証言1。 眉村美貴。25歳。十二分に人目を引く容貌。 大学在学中に『ゴシュジンサマ』と接触したと思われる。 詳細は不明だが3年ほど前に大学を中退し、以後は今回保護されるまで消息不明
もっと読むすべて、未来のために -2-
- 2 - …ちゅんちゅんと鳥の鳴き声が聞こえてくる。 暗闇の中から僕の意識が段々と浮かび上がってきて、僕は目を覚ました。 目に映るのは、見慣れた僕の部屋の天井。背中にはベッドの感触。 「なんだ…、夢だったのか…」
もっと読むすべて、未来のために -1-
- 1 - 人生山あり谷あり。生きていれば、いくつものピンチもあると思う。 しかし、いくらなんでもこんなピンチはないだろう。 夜の公園。この時間、元々人通りはあまりない。助けを求めようと叫んでも、おそらく誰も来ない
もっと読むUSBケーブル Interlude
─Interlude ~NG集1~─ 『prologue』から『2nd Connection』までのお遊びです。よければこれで楽しんでください。 ◇◆◇ NG1『ぷろろーぐ』より ◇◆◇ 「おっちゃーん、これなにー?」
もっと読むUSBケーブル 5th Connection
─5th Connection─ 口元をつりあげ、厭らしい笑みを浮かべる男……その立ち居振る舞いは、もう俺には信じることができなかった。 目の前にある男の姿。けれどやつの殺気は俺の背後から突き刺さってくる。これは、す
もっと読むUSBケーブル 4th Connection
─4th Connection─ 「それで? 鈴、君には聞きたいことが山ほどあるんだが、もう大丈夫か?」 風呂から上がり、一段落したところで鈴に訊ねる。 この能力のこと、鈴の目的のこと、『あの人』のこと…………聞きた
もっと読むUSBケーブル 3rd Connection
─3rd Connection─ ──チ、チチチ…… 可愛らしいスズメの鳴き声とともに、カーテンの隙間から朝日が差し込む。 決して汚い部屋ではないが多少なりと宙に舞っている埃によって光が乱反射し、まるで天使が舞い降
もっと読むUSBケーブル 2nd Connection
─2nd Connection─ とりあえず、身近なモノでケーブルの使い方を練習した。 面白いことに、テレビに接続すると、電源を入れてないにもかかわらず、番組が脳内へと流れ込んできた。しかも、複数のチャンネルを同時に
もっと読むUSBケーブル 1st Connection
─1st Connection─ 「っ……はっぁ……!!」 喉から侵入したソレは、俺の体内で歪にカタチを変えていた。 針のように鋭く喉を突き刺した一端は、二股に分かれ、俺の両目の視神経へと接続された。 ケーブルの中
もっと読むUSBケーブル prologue
─prologue─ 「? なんだコレ?」 学校の帰り道……俺は近所のパソコンショップにいた。 とはいえ、ここはただのパソコンショップではなく、少しマニアックな周辺機器などを置いている店だ。 ──そして、その店の奥
もっと読む806 後編
後編 (16) 「ああ…ああ…いい……」 千秋は全裸になり、ベッドの上で喘いでいた。 「私…私ぃ…悪い子になっちゃった……」 自己嫌悪にとらわれる。オーナーと清香の情事の翌日、結局学校には行かなかった。真面目な千
もっと読む806 前編
前編 (1) 平日の昼間。電車の中は、余り混んではいなかった。春の暖かい日差しの中ゆったりした雰囲気が漂う車内で、手にした資料を見つめる親子がいた。 「やっぱりどこも高いわね。東京のお部屋って」 母親がため息交じりに
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