魔女のゲーム 魔女狩り編2

魔女狩り編2

登場人物紹介
久慈蔵人(くじ・くらうど):主人公。魔女のゲームでの役職は、異端審問官。
佐伯佐和子(さえき・さわこ):主人公の彼女。胸はふつう。性欲は強い。
手越貞二(てごし・ていじ):ヨット部。船舶免許あり。筋肉質。
遠野透子(とおの・とおるこ):ゲームに詳しい。ボーイッシュ。貧乳。一日目の犠牲者。
正常院星羅(せいじょういん・せいら):正常院家の分家の娘。絢爛豪華な雰囲気をまとう爆乳。
猫柳ネコ(ねこやなぎ・ねこ):占い師。星羅の友達。女性。ゴスロリ巨乳。
訪印誉(ほういん・ほまれ):正常院家の使用人。最年長。この旅の監督役兼雑務。
名山芽衣子(めいざん・めいこ):「清楚なお嬢様」や「深窓の令嬢」という形容が似合う庶民。胸は普通。

三日目

「人間側の勝利――ということかしら」
 ネコの言葉に、僕たちは、安堵の溜息をはく。
 透子さんは、今日は服を着ている。
 そして、みんなも服を着ている。
 だれも、何も、変わっていない。
 はじめて、ここに到着したときのままだ。
 朝食を食べる前に、僕たちは食堂に勢ぞろいしていた。
「透子、昨日のことは覚えてる?」
 ネコさんの言葉に、元気よく答える。
「え、みんなで楽しく遊んだでしょ? ゲームとかしたりして」
 その言葉に、みんなの緊張が、ぐっと減る。
「どうやら、本当にこれでおしまい――ということかしら?」
 そう言って、ネコさんが紅茶を飲む。
 僕たちも、次々に紅茶に口をつける。
「あれ、なんか変わった味だ」
「わたくしが入れた、特性のお茶ですわ!」
 正常院さんが、胸を大きくそらして自慢する。
 あいかわらず、大きな胸だなあ。
 でも、もし、ゲームが人間側の勝利なら、この女こそが、魔女だ。
 それにしては、特に変わりないように見えるが――。
「さて、昨日は八時ごろにメッセージが届いたけれど。今日は、人間側勝利のメッセージが届くのかしら?」
 ネコさんがそう言ったときだった。
 メッセージが来た。

『第二日目の犠牲者です。正常院星羅。手越貞二。今日の魔法の内容は、媚薬入り紅茶のサービス、無料セックスのお楽しみ。このゲームが終わるまで、魔女の魔法は解けません』

 一瞬、世界から音が消えた。
 どういう……ことだ……?
「さ、みなさん。さっそくですが、媚薬紅茶の加減はいかが?」
 すっくと星羅さんが立ち上がる。
 ゆっくりと服を脱いでいくと、そこには、ヒョウ柄のボディコンを着た、フェロモンをむんむんにまきちらした、爆乳のお姉さんがいた。
 透子さんも服を脱ぐ。スレンダーな体形に似合うベビードール。
 しかし、その真っ赤な色が、その下着の用途が、異性を興奮させるためにしつらえたものだと確信させる。
 貞二も服を脱いでいて、その性器は、高くそそり立っていた。
 どくん。
 二人の女性の恥知らずな姿に、僕の海綿体にも、血液が集まってしまう。
 まわりを見ると、女性たちは、チラチラと、貞二の股間に目をやっている。
 心なしか、みんな顔が赤い。
「さぁ、媚薬紅茶のおかわりもありますわよ。これを飲めば元気いっぱい。何発だってセックスできましてよ!」
「破廉恥なことは、絶対にしないんじゃなかったの? 昨日の記憶は、もう忘れた?」
 ネコさんが、冷静に、でもどこか怒ったような口調で問い詰める。
「ネコ。わたくしが破廉恥なことなどするはずないでしょう」
「じゃあ、そのえっろい服装は何? 自慢のデカパイがすっごく強調されてるわ。それに、下着もはいてないみたいね?」
 はぁ、と、何もわかっていない子供をたしなめるときのように、星羅さんは溜息をつく。
「もちろん、殿方に興奮していただいて、わたくしのオマンコを、おっきくなってかたぁくなったオチンポで、ミッチリ満たしてもらうためですわ。それのどこが破廉恥なんですの?」
「それを破廉恥って言わないんだったら、何を破廉恥っていうのよ」
 あくまでも冷静にしているが、動揺が声から伝わってくる。
「それは、ミニスカートをはいて下着が見えるようなことですわ」
「下着が見えなくて、中身が見えるんだったらいいとでも?」
 星羅さんは、にっこり笑った。
「もちろんですわ。オマンコは素敵なものですもの。見せることは全然破廉恥なことではありませんし、セックスのために身だしなみを整えることは、レディーの必須条件ですわよ。人のファッションに口を出すつもりはありませんが、ネコも、せっかくオッパイが大きいのですから、そんな黒い服ではなく、もっとオッパイを強調した、殿方がすぐさま犯したくなるような服を着ることをお勧めしますわ。ミニスカートにサイハイソックスの絶対領域は素敵ですが、下着は脱いでオマンコにすぐオチンポを入れられるようにしておいたほうがよりよいのではなくって?」
 そう言って、透子さんと仲良く二人で、M字開脚する。
 二人とも下着はつけておらず、大事なところが丸見えだ。
「コンドームを使いたい方は、タンスのところに入ってますわよ。もっとも、魔法の力で妊娠しないのですけど」
「さあ。遠慮はなしだ。あたしのオマンコに、媚薬で興奮したオチンポを突っ込んでくれ!」
 貞二が、無言で透子の中に、ペニスを入れた。
「あっはぁあぁん!」
 昨日でさえ聞いたことがない声が漏れる。
「んんっ、貞二ぃ! 生のオチンポは最高だよっ。オマンコの壁にぐじゅぐじゅこすれて気持ちいいよお!」
 二人は、キスをして、床に転がる。
 そして、みんなの見ている前で、貞二がいやらしく腰を振り始める。
「なんか……すごく、エッチね……」
 芽衣子さんが、ぼそっと口にした。
 その顔は真っ赤になっていて、目もとろん、としている。
 発情しているのがまるわかりだ。
 無意識のうちにか、芽衣子さんの手は、自分の胸をつかみ、手が股間のあたりをうろうろしている。
「ずるいわ、透子ばっかり! 男の子は三人しかいないんだからっ! クロード、わたくしにオマンコさせてあげます! オチンポ恵みなさいっ!」
 急に名指しで呼ばれて、僕は狼狽する。
 その言葉につられて、芽衣子さんの目もこちらを向く。
「あらあら……いけないわ。おちんちんおっきくなってるわよ」
 芽衣子さんが、ごくりとつばを飲み込む音がした。
「芽衣子っ! わたくしが先につばをつけましたのよっ! そのイケメンくんのオチンポはわたくしのものですっ!」
「でもぉ。わたしも、そのおちんちん、ちょっと欲しい、かも」
 とろん、とした目で、芽衣子さんが僕を見る。
 清楚なお嬢様の雰囲気は消え、清楚な皮をかぶった娼婦のように見えてくる。
「クロード、そんな清楚ビッチは放っておいて、この絢爛豪華オマンコをお使いなさい! 今ならこの爆乳でパイズリもし放題ですわ!」
「いや、僕には、彼女が……」
 佐和子のほうを向く。
 佐和子も、うるんだ眼で、こっちを見ていた。
 どちらからともなく、近づく。
 体が、熱い。
「んほおおおおっ!!」
 星羅の大声で、僕たちは思わず動きを止める。
 誉さんが、星羅を組み敷いていた。
「あんっ、このけだものっ、んはぁっぁ! でも、オマンコ気持ちいいわっ!」
 誉さんが、まるで奴隷のように、星羅の股間に顔をうずめている。
 そして、それを離すまいとするように、ぐいぐいと星羅が誉さんの頭を押し付けている。
「そう、しっかり舐めなさい! きちんと奉仕するのが、使用人のつとめなんだからっ、んっ、んはぁぁぁっ!」
「お嬢様……星羅お嬢様っ、俺はっ、俺は、もうっ……」
 くすっ、と、いやらしく星羅が笑う。
 昨日までの、高貴な笑みではなく、男をとろかすような毒のある笑顔。
「誉。我慢しなくていいのよ? わたくしの媚薬のおかげで、もう我慢できないのでしょう?」
「はい……」
 ていねいに、星羅は、誉の服をはいでいく。
「はしたなく発情してしまって、本当にどうしようもない犬なんだから。あなたのオチンポも、はしたなくおっきくなっていてよ?」
 タラタラと、ペニスからは先走り汁が垂れてきている。
「す、すみません、お嬢様……」
「このオチンポ――どうしたい?」
「星羅お嬢様に、入れたいです……」
「だめよ」
 即答に、泣きそうな顔になる誉さん。
「入れたい……入れたいですっ……」
「はぁ。最年長なのに、みっともないわよ? オチンポがオマンコに入れられないくらいで情けない。入れたいんだったら、もっといやらしく、わたくしがあなたとセックスしたくなるように誘いなさい。わたくしがセックスしたいのは、クロードなんだから」
 そう言って、こちらに流し目を送る。
 その目の下では、組んだ腕に大きな胸がおしつぶされて、とても卑猥な形にゆがんでいた。
「どうか……どうか、このいやしい俺の、はしたなく興奮して先走り汁があふれているオチンポを……高貴で偉大な星羅お嬢様のオマンコに入れさせてください……」
「不合格よ」
 ひっ、と誉さんが息をのむ。
「あなたのような下僕が、わたくしの性器を呼び捨てにしていいと思っているの? オマンコじゃないでしょ? 様をつけなさい」
「はいっ、星羅お嬢様のオマンコ様に、どうかこのクズチンポを入れさせてくださいっ!」
 どんっ、とソファに誉さんを押し付けると、誉さんと向かい合って、そのままペニスをいれ、対面座位の形になる。
「入れるわよ……んんっ、クズチンポのわりには、んっ、なかなか、いいじゃないっ……」
 媚薬にあてられた誉さんは、半ば放心したような顔をして、星羅さんのなすがままになっている。
 大きな胸をぐいぐいと押し付けて、積極的に快楽をむさぼる姿が、発情期の獣のようだ。
 星羅さんの昨日までの凛とした姿とは、明確に違う。
「あんっ、あはぁっ、いいですわっ、ああんっ、んふうっ、素敵ですわぁっ!!」
「はぁ、はぁ……星羅ちゃん、ずるいよ……わたしにもっ」
 上に乗っかって、誉さんの顔に自分の股間を押し付ける芽衣子さん。
 ぎゅっ、と、だれかが僕の手をにぎる。
 佐和子だ。
「ちょっと、わたし、先に部屋に戻らせてもらうわ」
 タンスの中から、バイブを取り出して、ネコさんは足早に自室へと戻る。
 媚薬への対応として、セックスじゃなくて、せめてオナニーと考えたのだろう。
「わたしも、もう、ちょっと、我慢できないよ……」
 佐和子の声で、僕たちも部屋に戻る。
 そのまま、鍵もかける間も惜しんで、すぐに交尾体勢に入る。
 服も中途半端に脱いだまま、佐和子のパンティだけおろして、僕もシャツは着たまま、後ろから挿入を試みる。
 くちゅっ。
「すごい濡れてる……」
「やぁっ、言わないで……」
 でも、僕のペニスだって、さっきからダラダラと粘液をだしている。
 もう、中にたまっているものを出したくてしょうがないのだ。
 ずぶずぶっ!
 あっさりとペニスが呑み込まれ、粘膜につつまれると、今までにない気持ちよさが僕を襲う。
 これが、媚薬効果なのか。
「あっ、これ、やばっ……」
 構わずに、欲望のまま、三、四回腰を動かす。
 それだけで、僕は絶頂してしまう。
「おっ、おおおっ」
「あっ、ああぁぁんん!!」
 ぴゅるるるるるっっっ!!!
 今までに経験したことのない勢いで、精液が佐和子の奥へとほとばしる。
「ご、ごめん、もういっちゃった」
「わ、わたしもいっちゃったよ……」
 そのまま、今度は立ったまま向かい合って、キスをする。
 その間も、佐和子の手は僕のペニスを離さない。
 離さないだけじゃなく、ゆっくりとしごいていく。
 その硬さを味わうように、ゆっくりと。
 さっきまで、佐和子の中に入っていて、精液と愛液と我慢汁で、べたべたの粘液が、佐和子の手と摩擦して、にちゅにちゅといやらしい音を立てる。
 でも、それは佐和子の性器も一緒だ。
 たっぷりと注がれたザーメンと、佐和子の膣壁がだす愛液が、僕の指にからまって、くちゅくちゅと卑猥な音を立てている。
「聞こえる、佐和子? 佐和子のあそこ、すっごくいやらしい音を立ててるよ?」
「い、言わないでよっ。そっちだって、ほら……」
 くちゅちゅちゅちゅ、と勢いをつけて僕のペニスをしごきあげる。
 言い訳できないほど、欲望の液で染まった肉棒の奏でるメロディに、僕も自分の性欲が全然収まっていないことを知る。
 そのまま押し倒して、僕たちは二回戦へと突入した。
 たっぷりと精液を注ぎ込んで、満足した僕が、今回はコンドームの有無を考えなかったことに気がついたのは、三度目の精液を吐き出したあとだった。
 ショックを受けて、横になる。
 らしくないな。
 媚薬のせいなのかもしれないけれど、冷静にならなくては。
 魔女を処刑しなくてはならないんだ。
 僕の横では、佐和子が荒い息をついていた。
 鍵をかけて、二人で横になる。
 媚薬の効果は、だんだん抜けてきているようだった。
 あまり、今はしたいとは思っていない。
 それにしても、朝から何も食べてなかったな――。
 空腹よりも、睡眠欲のほうがまさって、僕たちは眠りに落ちた。

 目が覚めると、食事が用意されていたが、ネコさん以外は、いなかった。
「この料理は?」
「いろいろ片付いたあとに、みんなで作ったらしいわ。媚薬入りかもしれないけど――食べないわけにはいかないわね」
 ネコさんが一足先に食事をとっているのを見て、聞いてみる。
「なんか、変な味します?」
「いや、たぶん大丈夫。でも、精のつくものを食べるのは、悪いことじゃないんじゃないかしら。出しっぱなしだと、体がもたないわよ」
 それもそうだ。
「みんなは、ビーチテニスをしに行ったわ」
「ビーチテニス? ネコさん、ビーチでテニスなんてできるんですか?」
「できる、みたいね。私たち三人以外は、みんな出かけたわ」
 その言葉で思い出す。
 誉さんと、芽衣子さん。
 特に、お嬢様のようだった芽衣子さんが、魔法にかけられてもいないのに、あんなに乱れるとは思わなかった。
「なんか、吹っ切れちゃったみたいね。もともと、芽衣子は貞二くんと付き合っていたこともあったから、気が楽だったのかも」
「それは知らなかったです」
「敬語、なしでいいわよ。他人行儀だし。こんな非常時じゃ、かえって距離を感じて不安だわ」
「そうですね。じゃなくて、そうだね」
 三人で、昼食だが、朝食だかよくわからないものを食べる。
「そうだ。せっかくだから、占いでもしてみない?」
 ネコさんが、にっこりと笑って、タロットカードを見せる。
「タロット占い、ですか?」
「アマチュアなのだけれどね」
 そう言って、ぐしゃぐしゃとテーブルの上でかきまぜたタロットを、僕に握らせる。
「シャッフルして、上下も適当にまぜこぜにしてみて」
 言われたとおり、何回か札を切ったあとで、テーブルの上に広げて、ぐしゃぐしゃとかきませる。
「ほら、あなたも」
 佐和子も、同じような手順でタロットを混ぜる。
 そして、もう一度、ネコさんが同じ手順でカードを切る。
「さて。それじゃあ、さっそく、占ってみましょうか」
 すっ、と指で、一枚、デッキの一番上のカードをめくる。
 あまりタロットは詳しくないんだけど、あ、このカードは知ってるぞ。
「恋人たち(ラヴァーズ)の正位置――ふむ、つまり、直感を信じろってことかしらね」
「直感を信じる?」
 愛とか恋とか結婚とかの意味じゃないのか、と僕は、自分が持っていたイメージとのずれに混乱する。
 ネコさんは、軽くうなづいて、説明してくれる。
「そう、このカードは、頭よりも心を大事にすることや、コミュニケーション、相互作用についてを象徴するカード……だと私は解釈しているわ。もちろん、私もまだまだ修行中だから、えらそうなことはいえないし、思い切った解釈が必要なときもあるんだけれど、基本的には、そういう意味のはずよ」
 確かに、昨日までは、僕は論理的に考えて、魔女がだれなのか判定していた。
 直感に頼ってみる、というのも大事だということか。
 これは、確かにおっしゃるとおりかもしれないな。
 今夜は、ちょっとやり方を変えてみるか。
「とりあえず、誉さんと芽衣子さんも、魔法にはかけられてないから、二人にも知らせないと」
「クロード君の言う通りね」
「それなら、ビーチテニスを見てこない?」
 佐和子の言葉に、僕たちは立ち上がって、ビーチに向かうことにした。

「そーれっ!」
 ビーチテニスは、あまり球が跳ねないらしい。
 貞二さんが一人で、透子さんと星羅さんを相手にしている。
 透子さんは、ゲーム好きということで、インドア派なのだろうか、体はスレンダーだが、あまり得意そうには見えない。
 逆に、星羅さんは、大きな胸をたぷんたぷん揺らしながら、軽快に球を弾き飛ばしていく。
「ちょっと、蔵人」
 ぎゅっ、とおなかの肉をつままれる。
「星羅に見とれてたの?」
 つーん、とそっぽを向かれる。
「いや、違う違う、そうじゃないから」
「どうだか」
 確かに、おっきなおっぱいを目で追ってしまったかもしれない。
 でも、それは勝手に目が追ってしまっただけのことで、仮に性欲があったとしても愛情とは関係ないんだ。
「ごめん」
 しかし、そういうことは後で説明すればよくって、今は謝ることが先だ。
「何にごめんなのー?」
「いや、不愉快にしたかと、その」
「じゃ、あとでお願い聞いてよね」
「え? あ、ああ、うん、そんなにやばいやつじゃなければ」
「やれやれ、ラブコメしてるわね」
 ネコさんが、誉さんと芽衣子さんと一緒にこちらにやってくる。
 二人とも、顔を赤くしている。
「朝はごめんね……」
 と言ったっきり、芽衣子さんは一言もしゃべらない。
「い、いや問題ないです」
「そ、そうそう」
 などと、無難な返事しか返せない。
 でも、僕はちょっと気になることがあった。
「あの、芽衣子さん、大丈夫だったんですか? それに、誉さん、星羅さんと……」
「一応、口でしてもらっただけだから、私は……」
「私は、ダメかもしれません……最悪の場合、責任を取るか……いや、責任も取れないかも……中で出しまくってしまったので……ああ、お嬢様……っ」
「い、いちおう、魔法で避妊できるとか言ってましたけどね」
「いまいち信用できませんよ、それに……実際、私は、星羅お嬢様のこと、愛しておりますし、そういう無責任なことはしたくありません」
 やつれた顔で、誉さんはそう言う。
「え、それって」
「まあ、星羅さまのご両親からは反対されるとは思うので、誰にも話していないのですが。お嬢様があのようになるのなら、もっと早くに言っておくべきでした。それに……」
 そう言って、僕のほうを誉さんが見る。
「あのままだと、お嬢様をあなたに取られてしまう気がして、つい……」
 あー、そういえば、あのとき、星羅さん、僕のことを求めているかのような発言をしていたな。
「媚薬で頭に血が上っていたとはいえ、大変申し訳ないことをしました。ごめんなさい」
 誉さんが頭をさげる。
「いやいや! 何も僕に対しては悪いことしてないですから……むしろ、星羅さんを守ってあげてください。ああいう状態ですし……」
「そうですね。私がしっかりしなくては……!」
 ぐっ、と誉さんの顔に力がこもる。
「それで、さっき言ってた話だけど、ネコちゃん占いしたんだって?」
 芽衣子さんの質問に、ネコさんが首を縦に振る。
「したわよ。……二人には、結果についても話をしたの」
 言葉の後半では、僕たちのほうを向いて、ネコさんは説明してくれる。
 なるほど、僕と佐和子が見とれていた・見とれていないで言い合っていた間に、先に説明してくれていたわけか。
「それなんだけど……魔女のこと以外にも、この旅の未来について、占ってもらうってこと、できないかな?」
 この旅の、未来、か……。
「ある意味、漠然としているけれど……まあ、いいわ。占ってみましょう」
 ビーチパラソルの下で、組み立て式の机の上に、カードを載せる。
 先ほどと同じような手順で、カードを混ぜる。
 みんなの手で、一回ずつカードが混ぜられたあとで、ネコさんがカードを引く。
「―――星の正位置、か」
 スターのカード。
「可能性や希望を表すカード……少なくとも、悪い意味のカードじゃないわ。思ったより、私たちの未来は、暗くないのかもね」
 しばらく、その場に、沈黙が満ちる。
 結果を、どうとらえてよいか、わからなかったのだろう。
「未来に希望があるのは、いいことね」
 そう言って、芽衣子さんが、笑う。
 そのまま、服を脱ぎだしたので、僕はびっくりしてしまった。
 しかし、下には、ちゃんと水着を着ていた。
 白の清楚な水着だ。
 そりゃそうか。
 芽衣子さんは、魔法にかかっていないんだから。
 でも、ドキドキしてしまうよな。
「せっかくのプライベートビーチなんだから、泳がないと」
「そうだね」
「その通り」
 僕たちは、いったん、館に帰って、水着に着替えて、みんなで泳ぐことにした。
 しばらくすると、星羅さんや透子さんや貞二も仲間になって、一緒に泳いだり、海で遊んだりしはじめる。
 どうやら、ゲームをやっていないときは、ふつうらしい。
 それは、本当に、ふつうの遊びで、僕は魔女のゲームなんて、起こっていないのではないかと錯覚するくらいだった。

 夜。
 午前中は、激しかったけれども、午後からは、実にふつうの生活だった。
 貞二と透子さんと星羅さんは全裸だったけれど、それ以外は。
 占いのことを思い出す。
 直感を信じる。
 その助言を、僕は信じたい気持ちになっていた。
 理屈で考えて、僕はこのゲームに一度負けている。
 なんとなく、あやしい人。
 だれだろう?
 だけど、直感で感じ取ろうとする前に、僕は次々といろいろなことを考えてしまう。
 誉さんと芽衣子さんは、媚薬の効果で乱れてしまった。
 魔女ならそういうことするか?
 いや、ありえるんじゃないか?
 ネコさんはどうだ?
 一人だけで部屋にこもったのは魔女だからじゃないか?
 いや、実は佐和子が魔女なんじゃないか?
 その可能性だってありうる……。
 そんなことがぐるぐると頭を回って、全然集中できない。
 考えないでおこうと思うのに、勝手に頭がいろいろなことを考えてしまう。
 頭で考えて、一番あやしいのはネコさんだと思う。
 やっぱり、だれともセックスしなかったのは、ネコさんだけだ。
 一番、ゲームの影響を受けていない気がする。
 考えれば、それが決定的な理由にならないのは明白だけれど。
 直感を使うと、ネコさんはあやしいかなって思う。
 でも――ああ、わからん!
 考えていてもわからない。
 直感もよくわからない。
 なら、とりあえずネコさんだ。
 ネコさんを処刑する!

 翌朝。
 僕は、メッセージの音で起こされる。
 いつもよりも、早い気がする。
『第三日目の犠牲者です。訪印誉。名山芽衣子。今日の魔法の内容は、セクシーな下着に、動物化。そして、お風呂場で流しっこ。このゲームが終わるまで、魔女の魔法は解けません』
 そのメッセージを見て、僕が思ったことは、魔法の内容に関するショックではなかった。
 残っている人間は、僕と、ネコさんと、佐和子。
 そして、ネコさんは昨夜、処刑したはずだ。
 僕の役職は、異端審問官。
 容疑者は一人だけ。
 昨日のタロットを思い出す。
 恋人たち。
 僕の恋人。
 僕は、魔女を見つけた。

四日目

「おはよう」
 僕が魔女に気づいているということを、魔女はまだ気づいていないはずだ。
 その可能性には思い当っているとしても。
 だって、彼女は、僕がだれを処刑したかをしらないのだから。
 だから、僕は、つとめて平静を装う。
 今夜、すべてが終わる。
 それまでは、息をひそめて、静かにしていよう。
 昨日までと同じように。
「おはようございます」
 さらりと黒髪をなびかせて、芽衣子さんが、食堂に入ってきた僕に挨拶したその瞬間。
 昨日までと同じように、平静にしていようと思った僕の考えは、粉々に砕け散った。
「ウサギ――耳?」
 ウサギの耳だ。
 そして、下着がやけにセクシーだ。
 たぶん、自前のじゃなくて、いつのまにか用意されていたやつだ。
 くるんっ、と後ろを振り向くと、しっぽもついている――ってあれ?
 ヴヴヴ……と振動している?
「あっ、あっ、あ~んっ。お尻の穴に、ウサギさんのしっぽが、ずっぽり入ってるんですっ」
「お、お尻にっ?」
 楚々とした佇まいからは想像もできないが――もしかして、お尻を開発している人だったのか?
「んんっ、お尻っ、ひさしぶりでっ、んふうっ、気持ちいいよぉおっ」
 そういえば、ウサギって性欲がすごかったよなあ、なんてことをぼんやりと考える。
「あらあら、たしかに、お尻にプラグを入れられるのは、芽衣子だけみたいよねぇ」
 今日は、レオパードのテディを着て現れたのは、星羅さんだ。
 不覚にも、見た瞬間に勃起しそうになってしまう。
 それくらいエロい恰好だった。
 理性を総動員して、自分のたぎりを鎮める。
 星羅さんは、右手にうぃんうぃんうなるものを持っていた。
 しっぽ?
 虎やヒョウのしっぽみたいだ。
 よく見ると、星羅さんの頭にも、虎耳?のカチューシャがはまっている。
「わたくし、お尻の穴には入りませんの。ですから、このプラグ、わたくしのオマンコにずぶずぶ入れてほしいですわ」
 そう言って、熱い目線で僕の方を見る。
 それだけで、僕のオスの生殖器官がいきりだちそうだ。
「お、お嬢様、それはわたくしめが……」
 そこには、全裸で、ペニスを勃起させた誉さんがいた。
「ほっ、ほまれさんっ!?」
 どうしたんですか、と言おうとして、そういえば、犠牲者だったと気がつく。
 頭についているのは――犬?
「どうかこの犬である私に、星羅お嬢様のオマンコをなめさせていただく光栄をいただきたく……」
 すごい。
 土下座している。
 これが『魔法によるもの』なのか、誉さんが『もともとそういう性癖で、愛情がこういう形で表現されたのか』、僕には判断がつかない。
「みんな、おはよー」
 透子さんが入ってくる。
 形は、ふつうの下着だ。
 透明になっていて、乳首や陰毛が丸見えになっていること以外は。
 透子さんも、頭に何かくっつけている。
 えっと、これはなんのコスプレだ……?
 さっきの誉さんと同じようだが……。
「わんっ! 牝犬透子だわんっ!」
 あ、同じでいいんだ。
 犬か。
「あれ、でもネコがいないな」
「わたしならここだ」
「いや、ネコさんのことじゃなくて、ネコのコスプレがないなって……」
 振り向いた僕を迎えてくれたのは、ネコ(黒猫)のコスプレをしたネコさんだった。
 あれ?
 おかしいな、ネコさんはなんともないはず……。
「あ、いや、魔法にかけられたわけじゃないはずよ……たぶん、無意識にかけられてない限り」
「じゃあ、なんでネコのコスプレを?」
「いや、みんながやってるから、私もやりたくなっちゃって。それにほら、私、名前がネコだから、ネコが好きで……」
 それにしても――。
「下着まで、セクシーにする必要は、あまりなかったのでは?」
 あまり肌が見える下着ではない。
 むしろ、見えない下着だ。
 かなり装飾が凝っていて、ビキニよりも面積が広いんじゃないかと思う。
 ブラジャーとパンティーの部分に、装飾意図の不明な、羽毛のようなものが広がっていて、下着というより、カーニヴァルの衣装に近いように思う。
「い、いや、黒猫の耳にあう服をもってなくて……下着で一番マシそうなのを探したら、こんなのが」
 貞二と佐和子も、食堂に到着する。
 貞二は、あれは、たぶんオオカミだな。
 耳がやけにとんがっているし、灰色だし。
 でも、犬かもしれない。
 佐和子は――ふつうだ。
 ふつうの服だ。
 ちょっと不安そうにこっちを見ている気がする。
 僕は、にっこりと、つとめて昨日までと同じように、笑いかける。
 佐和子が――魔女だ。

 食事は、ふつうに進んだ。
 こんなにふつうの食事を取ったのが、ひさびさな気がする。
 一番最初の朝食は、透子さんの全裸だったもんなあ。
 食事は、マムシドリンクみたいな、精力をつけるものも出たし、全体的にカロリーが高そうだった。
 でも、今日までのストレスや運動のせいで、すいすいと口に入っていく。
 この前飲んだ媚薬と違って、すぐに性欲を呼び覚ます効果が出るものではないようだ。
 安心して食べられる。
 朝食を食べて、片づけをして、ひと段落ついたところで。
 僕たちは、大広間に集まっていた。
「さ、クロード。どうか、わたくしのオマンコに、このプラグをつっこんでくださいませ」
 媚びた笑顔で、星羅さんがにじりよってくる。
 そして、ぎゅっと腕をからませる。
 精力のつくものを食べたせいだろうか。
 すぐにペニスに血が回る。
「あの、僕は彼女いるんで」
 よいしょ、と押し戻そうとすると、
「それくらい、いいんじゃないかな」
 佐和子の、信じられない声がした。
「え?」
「セックスするわけじゃないんでしょ? それぐらいなら、いいよ」
「マジかよ」
 ふつう、佐和子がこんなこと言うとは思えないんだけれど。
 でも、現に言っているわけで、僕は混乱する。
 魔法にかけた罪悪感――なのか?
 でも、僕なら、魔法にかけた相手に、なるべく何もさせないような気がするけれど。
「はやくぅ、星羅のオマンコは、しっぽを待ってますのよ♪」
「お、お嬢様、それは私が」
「おだまりっ」
 誉さんの言葉が、星羅さんの言葉で、一刀両断にされる。
「ねぇ、わたくしは、クロードに、プラグを入れて、ズボズボしてもらいたんですのよ……」
 上目づかいでこっちを見る。
 理性が、焼き切れそうになるが……。
 彼女がいいって言ってるんなら、この程度なら、まあ……。
 ちらりと、佐和子のほうを見ると、こくりとうなづく。
「そんなに言うなら、わかったよ」
 そういうと、喜色満面の笑みで、星羅はソファに座って、大開脚をした。
 ぱっくりと大きく広げた足の付け根には、ヒクヒクと蠢く、肉の花が咲いている。
 その中心部には黒い穴が開いていて、それが興奮のためか、大きく開いたり閉じたりしていた。
 自分の指で、大陰唇をわりひらくと、桃色に健康的に色づく内壁が見える。
 そこは、すでにヌラヌラと輝く愛液でぬれそぼっていた。
「入れるよ」
 ゆっくりと、プラグをいれていく。
「おっ、おおんっ」
 獣のようなうめき声をあげて、星羅の女性性器は、異物を飲み込んでいく。
「んんっ、んあぁっ、あぁんっ」
 甘い声が響くと、どぷっと愛液の量が増えるのがわかる。
 ぐっ、と力をこめると、ぬるりと入ってしまった。
「あっ……ふぅっ」
 荒い息をつく星羅さんに、終わったよ、と声をかけると、ぎゅっと手を掴まれる。
「まだですのぉ……星羅の肉食オマンコ、もっとかきまわしていただかないと、困りますわっ」
 そう言って、まだプラグを持ったままの僕の手を、自分の手で無理やり動かす。
「ちょ、え?」
「あっ、あっ、ああんっ、ぐちゅぐちゅ言ってますっ、やらしい音するのおっ!」
 ぐちょぐちょぐちょっ、と粘着質な音をたてて、星羅のヴァギナが異物を貪欲にむさぼる。
「おおんっ、そこっ、そこですのぉっ!!」
 無理やり僕のもう片方の手もつかんで、おっぱいにあてさせる。
 僕はバランスを崩して、星羅の上に倒れこんでしまう。
 やわらかなおっぱいの感触が手に当たる。
 そして、僕の目には、獣欲にあてられた星羅の姿が映っていた。
 知らず知らずのうちに、ペニスが固く膨れ上がる。
 ―――この牝に、ぶち込みたい。
 そんな思考を振り払うと、プラグを自分の手で動かし、胸をもみしだく。
「ああああん! 乳首、乳首素敵ですわぁっ! オマンコも、オマンコも乱暴にズボズボされて最高ですわっ!! きゃはぁぁあんっ!」
 最初のころの、風格ある佇まいは完全に消え失せ、下半身の欲望に忠実な獣の姿がそこにはあった。
「あっ、ああっ、おおおっ、いくっ、いきますわっ、ああぁああああああああああっ!!!」
 がくがくがくっ、と震えると、星羅は絶頂した。
「次は、私ね」
 そう言うと、芽衣子さんが、お尻を突き出す。
「私は、お尻に入れてね」
「え、いや、星羅さんだけじゃ」
「星羅にはするのに、芽衣子にはしないの?」
「いいんじゃない?」
 またもや、佐和子が言った。
「お尻、ズボズボしてあげようよ。芽衣子も、お尻で感じる変態になっちゃったんだから、しょうがないよ。セックスするわけじゃないんだし」
「佐和子、友だちにそんな言い方は……」
 らしくない。
 そう思ったが、
「そうなの。私は、お尻の穴で感じちゃう変態なのよ」
 そう言って、お尻を突き出す。
 清楚なお嬢様が、お尻の穴に入れてもらうのを求めるというのは、すごく背徳的な光景で、くらりと来た。
 ゆっくりと、傷つけないように、プラグをはめこんでいく。
 ローションも、きっちりと使った。
 ずぶずぶとウサギのしっぽがお尻の穴にはまり、最後には、突き出たお尻から、ふわふわの丸い玉がぴょこんと飛び出ていた。
「ん、んっ、んはぁっ……」
 がっくりと机につっぷして、快感にあえぐ芽衣子さん。
「ふうっ、ふうっ、ふうううっ……いいよぉ、ケツ穴感じちゃう……」
 きれいな唇から、ケツという単語が飛び出してきて、そのギャップにドキッとしてしまう。
 芽衣子さんは、僕に何かのスイッチを渡してきた。
「スイッチ・オン」
 カチッと自分でスイッチをオンにして、僕に渡す。
「あ、あ、あ、ああ、あああ、ああああああ!!」
 ビクビクと体を震わせながら、芽衣子さんがよだれをたらし、目の焦点を虚ろにする。
「ケツ穴ぁ、ケツ穴いいわぁっ。オマンコもうずいちゃってるの、誰か入れてよぉっ!」
 僕は、それを聞いて、スイッチを切る。
「あんっ、切っちゃだめ、切っちゃ、ああんっ!」
 机から立ち上がれない芽衣子さんに、貞二が後ろから襲い掛かって、そのまま挿入し、ピストン運動を始める。
「あはぁん! ウサギさんが、オオカミさんに食べられちゃうわっ! オオカミさんの悪いオチンポに、芽衣子のウサギマンコ、食べられちゃってるのおっ!!」
 喘ぎ声は、星羅さんのほうからも聞こえてきて、見ると、星羅さんが、誉さんと交わっているところだった。
 二人は、激しいキスを交わして、胸や尻をもみしだき、ガチガチに硬くなったペニスを、とろっとろにとろけたオマンコに遠慮なく出し入れしている。
 そのむっとする性エネルギーの発散に、僕もあてられて、おかしくなりそうだった。
 その時、僕を呼ぶ声がした。
「わおーん?」
 透子さんだった。
 透子さんは、ゆっくりと後ろを向いて、自分のヴァギナを割り開いて、僕に笑いかける。
「わんっ!」
「プラグ?」
 僕は、手元にあった、透子さんのプラグを見る。犬のしっぽがついている。
「わんわんっ!」
 そう言って、首を振る。
「はっはっはっ」
 くるりと振り返り、舌を出して、僕の下半身にまとわりつく――つまり、僕の陰茎に。
 すでにさっきからの扇情的な光景に、ガチガチに興奮してしまった僕の性器に、うれしそうに頬を寄せる。
「わんっ!!」
 そう言って、今度は、あおむけになって、性器がよく見えるようにねっころがる。
 そして、自分のオマンコを、指で割りひらいた。
「入れろ……ってこと?」
「わんっ!」
 嬉しそうに、透子さんが笑う。
 さっきから、全然人間の言葉をしゃべらない透子さんに、僕はだんだん、相手が人間であるという感覚を忘れかけてきていた。
 犬。
 雌犬。
 牝。
 メス。
 オスの性欲の対象で、精液を流し込まれるのが役目の性別。
「いいんじゃない、入れても」
 佐和子が、いつの間にか隣に来ていた。
「クロードは、もっとセックスを楽しんでもいいと思うよ。わたしとも、もっとしてほしいし」
 その言葉で、二日目の話を思い出す。
 そういえば。
 なんか、もっとセックスをしてほしいとか、気楽にやってほしいとか、そんな話を――。
 淫乱な夢から、少しだけ覚めた気がした。
 僕は、犬のプラグを透子さんのオマンコにゆっくりと入れていく。
「わんっ!? わおおおおんっ!!」
 クリトリスにじかに振動を与えたためか、すぐにイってしまう。
 そのまま、ズボズボと膣内を往復させると、もう一度、透子さんは、絶頂へと上り詰める。
「わっ、わっ、わおおおおおんんん!!」
 大きな声をあげて、透子さんはイってしまう。
 そして、そのまま、僕は部屋を出た。

 あせらず、コンドームを装着する。
「大丈夫だから、生でもいいのに」
「少なくとも今日はね。ちゃんと二重避妊したいんだ」
 目の前の女の子。
 魔女の女の子。
 なんだかいろいろ、考えなくてはならない気がするけれど、今はそれどころじゃなかった。
 一刻も早く、僕は射精したくてたまらない。
「ねぇ、入れていい?」
「すぐ入れたがるなんて、珍しいね」
 いつもは、前戯を長くするのに。
「でも、うれしいよ」
 そのまま、キスをして、僕は押し倒される。
「わたしもさっ、みんなの見て、ちょっと、我慢できなく、なってるっ……」
 ずぶずぶっ、と佐和子のオマンコに、僕のチンポが入っていく。
 貪欲な肉の花が、僕の欲望でそそり立つ肉棒を喰い締める。
「うっ、はぁっ」
 ぎらぎらとした目を輝かせて、佐和子は腰を振る。
 髪が、ふわりふわりと、グラインドする腰にあわせて動く。
 まるでメデューサみたい。
 おっぱいが軽快に弾み、またキスをされる。
 いつもは、騎乗位では、あまり射精しないのに、今回ばかりは、すぐに限界が来た。
「もう、佐和子、僕」
「あんっ、だめっ、一緒にイこっ?」
「が、我慢できっ」
「我慢してっ! わたし、もっとしてほしいんだからっ、んんんっ!!」
 ぎゅっと手が強く握られる。
「くるよっ、わたしっ、いくっ!!」
 僕も、自分を押さえつけていた枷を外す。
 びゅるるるるるるっ!
 勢いよく、僕の欲望が、精液だまりを満たしていく。
 佐和子が、腰から降りて、コンドームをはずしてくれる。
「すっごいたくさん。いっぱい出たね……」
 きゅっ、とゴムをしばって、ゴミ箱に捨てる。
 そして、そのまま、自分の割れ目を、僕のペニスに這わせる。
「ちょ、コンドームを、おねがい……」
「いれないし、ピル飲んでるから」
 そう言って、ゆっくりと自分の秘裂を押し付ける。
 男性性器の熱。
 女性性器の熱。
 二つの性器からあふれでてくる、粘液が、性器同志の摩擦を、快感に変える。
「あっ、んっ、んんっ」
「はっ、はっ、はあっ」
 軽快なリズムで、佐和子が腰を振ると、僕のペニスの裏筋に、快感がじわじわ押し寄せてくる。
 佐和子も気持ちよさそうにしている。
 きっと、クリトリスを刺激しているんだろう。
 ぬるぬるとした粘液が、僕たちの性器にぬりこめられていく。
 じょじょに、佐和子の腰の動きが、激しくなっていく。
 女の子って、こんな腰の振り方ができるんだと思うくらい。
 まるで、サンバの踊りのような激しさで、腰がグイングインと動く。
 その激しさによって、ねばねばとした粘液が起こす摩擦が、より快感を高める。
 生でこすれあう快感に、二度目の絶頂も、あっさりと訪れる。
「んんっ、やっぱり、クリいいよっ、んおおっ……イきそうっ」
「ぼ、僕もイくっ……」
「一緒にイこっ? あっ、あっ、あああっ! ふあああああんん!!!!」
「うあっ、おおっ」
 僕の上で、佐和子が、体をビクビクと痙攣させている。
 一方の僕は、だらしなく精液を、自分のおなかにぶちまけた。

 そのあとは、疲れて寝た。
 やっぱり、寝ると頭がすっきりする。
 昼食を食べると、いつものようにゲームをした。
 頭に猫耳などがついているのだけは、ふつうではなかったが。
 でも、よく考えてみれば、初日以外は、ふつうじゃなかったのだから、日数としては、「ふつうじゃない」方が「ふつう」なのか。
 セクシーな下着やコスチュームは、僕の劣情を刺激する。
 刺激はするが、案外、耐えられなくもない。
 あとで、何らかの形で、発散すればいい話だ。
 でも、それでもやはり、僕は自分のペニスが大きくなるのを止めることができない。
 魔女が見つかったことで、僕の心には、ある種の余裕が生まれていた。
 その余裕のせいか、いろいろなことを考える。
 いったい、このゲームは何なのか。
 何のために開催されているのか。
 そして、魔女の勝利条件とは何か。
 ――――考えても、結論が出るわけじゃないのだけれど。

 
 お風呂で流しっこ、というのが今日の魔法の中にあったな、と思い出したのは、夕食のあとだった。
「さっ、みんなでお風呂で流しっこしましょう!」
 芽衣子さんが、元気よく立ち上がって、服を脱ぎ捨てる。
 見ると、僕と佐和子とネコさん以外は、みんな服を脱いでいた。
「さっ、みんなで一緒にお風呂に入って、流しっこしましょうよ。みんなが来るまで、わたしたち出ませんからね!」
 芽衣子さんが僕たちにそう言いのこして、みんなで一斉にお風呂場に行く。
「混浴、ってことね」
 頬を少し染めて、ネコさんが言った。
「まあ、それくらいなら、いやじゃないわ」
 そう言って、ネコさんも、ゆっくりと服を脱ぎだす。
「え、ネコさん?」
 僕は、魔法にかけられていないネコさんが、ここで脱ぐとは思わなかったので、びっくりした。
 きれいな巨乳が、びしっと目に入ってくる。
 今までは気づかなかったが、スタイルがいいんだなあ。
「私も、ちょっとあてられちゃったかな、みんなに。魔女の、熱気に」
 そう言って、僕のほうを見る。
「正直ね――みんながセックスに興じるのを見て、体がうずいてしまっているのよ。軽蔑してくれてもいいわ」
 くちゅ、と音を立てて、ネコさんが、自分の指を、ヴァギナの中に入れる。
「なんだか、男だったら誰でもいいって気分なの。だけど、あの二人は理性を失っているでしょう? 私が性欲に引きずられそうになったら、お願い、助けてね」
 そう言って、一緒にお風呂に入ろう、と僕たちを誘う。
 要するに、今のネコさんがお風呂に入ると、理性を保ったまま、セックスにおぼれてしまいそうだということか。
「わたしも――わたしも、うずいてるよ」
「……僕も、だな」
 三人で、うなづきあって、お風呂に入る。
 そこでは、みんながはだかになって、体を流しあっていた。
 いや、それだけじゃない。
 体をこすりあわせて、泡立たせている。
 裸同士でやっているから、どうしても、性器に刺激がいき、ペニスが勃起しているのが、こちらからも見えた。
 これだけの人数で入ると、さすがにせまいけれど、すみのほうで体を洗っていると、うしろから抱きすくめられた。
「クロード君」
「ネコさん?」
「ごめん」
 そういうと、ぐいぐいと体を押し付けてくる。
 勃起した乳首が背中にあたるのが、いやでもわかる。
「はぁっ、はぁっ、さっき、許可は、もらったからっ」
「許可? 佐和子にですか?」
「う、うんっ、はあっ、ふうっ」
 荒い息遣いが、すぐ耳のそばで聞こえる。
 いやがうえにでも、ペニスが勃起せざるをえない。
「あっ、だめっ、もういくっ、いっちゃうっ……」
 体が痙攣するような動きがあって、ネコさんは、あっさりといってしまう。
「あらあら。あなたも、すっかり性欲にまみれてしまいましたわね。すばらしいことですわ」
 見ると、星羅さんが、誉さんの上にのっかり、動いているところだった。
 誉さんの口には、透子さんが自分の腰を押し付けている。
「んんっ、クロード、見えるでしょう? わたくしのオマンコに、誉のおちんちんがずっぼりミッチリ入っているのが……クロードも、次にわたくしのオマンコ、お使いにならない? ……あはっ、このお誘いを聞いただけで、オチンポ、びくんっ!ってしましたわ」
 クスクスと楽しそうに笑う。
「いいよぉ、クロードくん。佐和子ちゃんも認めているんだし、あたしのオマンコにも突っ込んでほしいなあ」
「私も忘れないでね。芽衣子は、お尻の穴も、ちゃんと拡張して使えるようになってるんだから、前でも後ろでも好きなほうに入れてね」
 にこにこと笑いながら、僕を誘惑してくる女の子たち。
 僕は、射精欲求に従って、あの子たちとセックスしたい気持ちになる。
 それは、佐和子も認めていることだ。
 だけど、僕はそういうことはしたくなかった。
 やっぱり、佐和子が、僕の彼女だ。
「僕は、佐和子が好きだからさ。それはできないよ。それに、『魔法にかけられている』んだろ?」
 そう言って、僕は体を洗い流し、あがろうとする。
「待って」
 そこに、佐和子が立ちふさがった。
「あの、ネコちゃんや、他のみんなとはしたのに、わたしとしないのは、ずるい」
 え?
 ちゃんと、佐和子ともしてるけど……。
 というか、佐和子としかしてないけれど?
「みんなの前でちゃんとわたしとエッチして、みんなの前で、わたしはあなたのものだって証明してっ」
 その言葉で、びくんっ、と僕のペニスが反応する。
「蔵人のそれも……そうしたいって、言ってるよ?」
 コンドームのことを考えたけれど、佐和子はピルを飲んでいる。
 性感染症の心配は、ないはずだ。
 だって、佐和子が僕のはじめての人なんだから。
 後ろから、ペニスを突き入れると、ぬるぬるとした内壁に包まれる。
 あまりの快感に、腰を振ったら、すぐにでも射精してしまいそうだった。
「あっ、はぁっ……気持ちいいよ、クロード……みんなの前でセックスして、わたしをクロードのものにしてっ!」
 その言葉で、ゆっくりと理性がとかされていく。
 佐和子の腰をしっかりにぎって、ぐいぐいと押し込んでいく。
 僕の方にもすぐに限界が来るが、それでもやめない。
「あっ、あっ、ああんっ、いいよぉっ、生のいいのぉっ!」
 今まで、こんなに乱れたことがあったかというくらい、大きくて甘い声を出す。
 膣の中もドロドロに熱く溶けていて、僕はあっさり射精してしまう。
「あっ、ああっ、おおおっ! 出てるっ、中でびゅくびゅく出てるよおっ!」
 それでも、僕の勃起はおさまらずに、本能のおもむくままに、腰を振る。
「あはああっ!? すごいっ、すごいよおっ、おちんちん、おちんちん硬いままなのぉ、これいいっ、オマンコの奥にあたっちゃうっ!!」
 魔法にかけられているわけでもないのに、卑猥な言葉を言う佐和子は、本当に、魔女に見えた。
「ああっ、いくっ、いくっ、やばい、いくっ、あああっ……おおっ!!!」
 けだものの声をあげて、佐和子は絶頂した。
 それを、みんなが見ている。
 おだやかな顔で。
 うらやましそうな顔で。
 発情した顔で。
 ペニスを抜いても、精液は出てこなかった。
 きっと、奥深くに射精されたのだろう。
 指でかきまわして、精液を外に出しておく。
「ふっ、あんっ、まだイったばかりで、敏感なのにっ、あんっ」
 快楽の余韻にひたる佐和子の体を抱きしめる。
「僕は、佐和子のものだし、佐和子は、僕のものだよ」
「――うん」
 安心したようにうなづいて、僕と佐和子はキスをする。
 そのあと、他の人たちは、まだセックスしていたけれど、僕は佐和子と一緒に、風呂を出た。

 今日も、いろいろなことがあった。
 部屋で休みながら、考える。
 いろいろなことを。
 今まであったことを。
 僕は、佐和子を処刑する。
 それは、確実だ。
 しかし、僕には、まだ考えることがあった。
 そもそも、この魔女のゲームとは何なのか。
 そして、僕は、ひとつの結論に達する。

その結論とはすなわち――
1.魔女は存在する
2.魔女は存在しない

 そして、この日の十二時。
 僕は、異端審問官として、佐和子を、魔女として『処刑』した。

< つづく >

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