[エピローグIII] 「うおおおおおおおおおおおおおおお!!!」 「ふざけるなああ!!」 「こんな時代なんか望んでないだろう!!」 「出てこい!諸悪の根源!!!」 若者たちが暴動を起こす。 拓也はその光景を黙ってみて
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グノーグレイヴ2 エピローグII
[エピローグII] 握出が目を覚ました先には、白い天井が広がっていた。コンクリートの壁に電球がぶら下がった天井は、かつて旧世界で握出が勤務していたエムシー販売店であった。 つまりこの世界は、握出が帰りたかった旧世界。
もっと読むグノーグレイヴ2 エピローグI
[エピローグI] 握出は宇宙に投げ捨てられていた。理想郷も消え、新世界も崩壊した握出に返る場所はなかったからだ。握出は不老不死になった。だから宇宙に投げ込まれても死ぬことはない。だが、この世には握出以外、誰もいない。
もっと読むグノーグレイヴ2 第七話 後編
―第七話後半 正義の勇者 千村拓也― [0] 握出たちは階段をのぼる。 エレベーターが使えなかったのは、デモンツールズとは別の『アンドロイド』がいたからだ。『ただの線を描く画家―レプリカント・ツアー・コンダクター―』
もっと読むグノーグレイヴ2 第七話 前編
―第七話前半 採魂の女神ブリュンヒルド― [0] 「おかえりなさいませ、マスター」 地平線の向こう側から帰還した拓也を迎えたブリュンヒルドだが、デルトエルドが倒れこむと拓也は急いで駆け寄った。 「デルトエルド!」 「よ
もっと読むグノーグレイヴ2 第六話
―第六話 千の弓使いメタモルフォーゼ― [0] 新世界、トラディスカンティア。完成したかと思った世界は実は狭く、拓也を中心にした世界しか変わっていなかった。 『ただの線を描く画家―レプリカント・ツアー・コンダクター―
もっと読むグノーグレイヴ2 第五話
―第五話 予兆の魔道士センリ―― [0] 握出が目を覚ますと、隣で微笑んでくれる女性がいた。彼女は握出の寝顔がおかしかったのか、握出がはっきりと意識を覚醒するまでずっと笑っていた。 「おはようございます、握出様」 朝
もっと読むグノーグレイヴ2 第四話
―第四話 孤狐魔術師フォックステイル― [0] ――「お母さんが待っている家に帰りたい」 そんな当たり前で小さな願いも、私の声は届かなかった。 ドウロをヒロクシヨウ トチをフヤシテ、イエをモチタイ シンキカイタク
もっと読むグノーグレイヴ2 第三.五話
―第三.五話 握出紋の消失― [0] 新世界、トラディスカンティア。元々生まれることのなかった、改ざん後の世界。 千村拓也。グノーグレイヴで手に入れた力、『ただの線を描く画家―レプリカント・ツア・コンダクター―』によ
もっと読むグノーグレイヴ2 第三話 後編
―制裁戦士ジャッジメンテス 後半― ・・・ ・・・・・・ ・・・・・・・・・ 「えっ……」 勝敗は決した。握出を裁くための多数決。手を挙げたのは少数しかいなかった。つまり、無罪になった。 「ど、どうして?」 ジ
もっと読むグノーグレイヴ2 第三話 前編
―制裁戦士ジャッジメンテス 前半― [0] 雲息があやしくなってきた。これから一雨降るかもしれない。 新世界に到達してから天気が曇り空になることは初めてだった。黒い雲に重なるように、採魂の女神が拓也のもとに降下する。
もっと読むグノーグレイヴ2 第二話
―第二話 追撃剣士ポリスリオン― [0] ボス、千村拓也の元に舞い降りた採魂の女神―ブリュンヒルド―が報告する。純白の翼に鎧を纏った女神だけが太陽に照らされる。 「報告します、彼の存在を確認しました」 「どこだ?」 「
もっと読むグノーグレイヴ2 第一話
―第一話 救済天使ヒルキュア― [0] 「報告します、依然として対象者の行方は不明。もうしばらく時間がかかるかと思います」 捜索から帰ってきたブリュンヒルドがボスに報告を終える。雲ひとつない青空の下、神保市を望める神保
もっと読むグノーグレイヴ 第7話
第7話 ―アンドロイド― [0] 「マスター御命令を」 俺がしたかったのは、こんなことじゃない。命令をしたい訳でもなく、命令を聞いてほしい訳でもない。 俺は俺の隣にいてくれる人が居てくれれば良かった。そこにちょっと
もっと読むグノーグレイヴ 第6話 後編
第6話 ―粘土[後編]― [-1] 形はなく不定形。 固い柔らかいも決まっていない。 それでも血は通っている心という存在不明な呼び名。 ある学者から言わせれば胸にあると言い、 とある医者に言わせれば頭にあると言
もっと読むグノーグレイヴ 第6話 前編
第6話 ―粘土[前編]― [0] 「んっんんーー」 上機嫌に歩く握出の姿に俺は疲れてしまった。 仕事を辞めたいと思ってしまったら、仕事を続けたいと奮起させるのにどのくらいの力を取り戻さなければいけないのだろう。 今
もっと読むグノーグレイヴ 第5話
第5話 ―時計― [0] ハア・・・ハア・・・ 吐く息が荒い。当然だ。これからやろうとすることは、普通ならやりたくないこと。人生で行う一世一代の賭けである。 テンションが下がるはずの行為を、逆に灼熱のごとく燃え上げ
もっと読むグノーグレイヴ 第4話
第4話 ―電話― [0] アークデーモン 悪魔辞典前説。 悪魔族の中でも上級に属する悪魔。Archdemon。 ・・・ ・・・・・・ ・・・・・・・・・ それ以外の場所には何処にも載っていない。 べリアル
もっと読むグノーグレイヴ 第3話
第3話 ―名刺― [0] 自分では変えられないものがある。 とても身近で、あまりに神聖な、名前という商品登録。自分は商品で社会に売買される存在だと認識しなくてはならない。 価値を決めるのは自分ではなく社会であり、低
もっと読むグノーグレイヴ 第2話
第2話 ―人形― 前略 前回まで『エムシー』商品と名乗っておりましたが、この度から『グノ―』商品と変更させて頂くことを申し上げます。 誠に勝手ではございますが、御了承くださいませ。 草々 平成22年度1月25日
もっと読むグノーグレイヴ 第1話
第1話 ―鏡― [0] 私が右手を挙げると奴は左手を上げた。 私が右を向くと奴は左を向いた。 上下逆転している訳じゃないのに、左右だけは逆転する。 なんてつまらない、完璧な製品を作ろうと試行錯誤して、あと少しの所
もっと読むグノーグレイヴ 第0話
第0話 [プロローグ] 人は魅了によってのみ操られる。 才能、魅力、性質、性格、 社会に現存する確固たる自己を築きあげるのが人生である。 努力、経験、運命、軌跡…… 社会の共存が“人”を愛するのである。 そん
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