【プロトタイプ:王様ゲーム編】
登場人物紹介
内村卯月:主人公。非モテ。精一杯の行動としてオカルト研究会を立ち上げる。不細工。
久住久遠:卯月の恋人。かわいくない。不美人。主人公がHしてくれないのがすごく不満で不安。
須藤住吉:パソコンと手品が趣味。ハードにもソフトにも詳しい。顔はふつう。
月宮椿:伝説のサークルクラッシャー。貞操観念は緩い。自分から誘うことはしないが、誘われたら彼女持ちだろうと関係なく肉体関係を結ぶ。顔はかわいい。
第二ミステリ研究会。
俺が立ち上げたサークルだ。
実態は、オカルト研究部のゆるいやつ。
大学に、友だちも恋人もいなかった俺が、なけなしの勇気を振り絞って作った部だ。
一人暮らしの部屋で、A4サイズの紙を八枚に切って、簡単な広告にした。
それに、活動内容と連絡先を書いて、とりあえず掲示板にぺたぺた張って、連絡を待った。
期待は全然していなかったのに、おどろいたことに、三人の友達ができた。
正確にいうと、一人の恋人と、二人の友達、かな。
俺は、不細工だ、と自分でも思う。
そして、たぶん、他人の評価もそうだ。
自分の顔には、まったく自信がない。
その卑屈さのせいか、友だちもほとんどいなかった。
だけど、だれかとつながりたかった。
だから、この研究会を作ったんだ。
不細工な俺には、恋人ができるなんて思えなかったけど、俺は今、一人の女の子と付き合っている。
顔はかわいくない。
不美人だ。
ブスといってしまってもいいかもしれない。
でも、俺はけっこうこいつが好きだ。
名前は、久住久遠(くずみ・くおん)。
かっこいい名前だろ?
発音もかっこいいと思うし、「久」の字が繰り返しているのもかっこいいと思う。
最初は、久遠と俺との二人だけの研究会だった。
だから、仲良くなれたのかもしれない。
生まれて初めて、告白したらうまくいくかもしれない、と思えた。
そんなことを感じることができる瞬間なんて、死ぬまでないと思っていたのに。
でも、俺はまだ童貞だ。
世の中には、男はみんなセックスのことしか考えてないと思っている女の子も多いと聞くが(本当か?)、そりゃ大きな誤解だ。
俺なんか、何から手をつけていいのか、全然わからない。
セックスの始め方なんて知らない。
それに、セックスなしでも、俺は、ふつうに楽しい。
次に入ってきたのは、須藤住吉(すどう・すみよし)だ。
パソコンと手品が趣味の、ちょっと、うさんくさい男だ。
顔はふつう。
うちの研究会のホームページを作ったり、インドア系の誰も知らないようなゲームを教えてくれたりする。
須藤のことは、なんて説明すればいいのかよくわからない。
みんなでわいわいやるようなタイプでは絶対にない。
クラスの中心にいるとも思えない。
でも、俺の知らないことをいろいろ知ってる。
いろんなスキルや面白いことを知っていて、気前よく教えてくれる。
たぶん、俺は、こいつのことが、友だちとして、けっこう好きなんだと思う。
親友っていうと言い過ぎだろうけど。
こんな相手は、今まで生きてきていなかったから、どう考えればいいのか、よくわからない。
それに、須藤はとらえどころがないから、距離感もうまくつかめない。
もっと仲良くなりたいって思うけど、どこまで踏み込んでいいのか不安だ。
こいつの名前もかっこいいと思う。住吉って、ちょっとしゃれてるじゃないか。
最後に入ってきたのは、月宮椿(つきみや・つばき)。
須藤が連れてきた女だ。
どこかのサークルだか授業だかで知り合ったらしい。
須藤いわく、「伝説のサークルクラッシャー」だそうだ。
何個かサークルの人間関係をめちゃくちゃにした伝説を持っていると聞いた。
本人によれば、自分からは誘わないが、誘われたら彼女持ちだろうと肉体関係を結ぶそうだ。
自分から意図して誘ったことなんて一度もないのに、無意識のうちに男に好かれる行動をしてしまう、と言っていた。
俺は、これを嫌味とか自慢だとは思わない。
そういうやつはいると思うし、実際、月宮はストーカー被害にあったこともあり、俺たちで守ったこともある。
月宮がふつうに生きていると、男のうちの何人かが、勘違いして追いかけてくるそうだ。
それって、大変だろうなって思う。
顔は、かなりかわいい。
服もおしゃれだし、こんなかわいい子とつきあえたらなってクラスの半分くらいが思うような子だ。
ボディタッチも多いし、こいつ俺のこと好きなんじゃね?みたいな言動も多い。
でも、それは月宮にとっての「ふつうの人付き合い」なんだ。
それがわかってからは、恋人じゃない、女友達っていうのは、こういうのを言うのかなって関係が築けていると思う。
やっぱり、久遠のほうが好きだし、そう思うと、冷静に月宮を見れたりもする。
やっぱり、こいつの名前も、俺はかっこいいと思う。
そう、このサークルのメンバーの名前は、俺が思うに、名前がかっこいいやつがなぜか集まった、と思うのだ。
え? じゃあ、俺の名前はって?
内村卯月(うちむら・うづき)さ。悪くないだろ?
夏休み、廃墟めぐりがブームだった俺たちは、ある館に一泊することにした。
山の中にある館で、魔女が出る、といううわさがあるらしい。
この話を取ってきたのは須藤で、本当にこいつは、どこからともなくあやしげな話を取ってくる才能があるよなぁ。
廃墟というよりは、空家らしいんだが、そこはこっそり入れる、ということだった。
それにしても、魔女、ねえ。
オカルトを研究しているといっても、俺は割と否定的な立場に立っていると思われることが多い。
真理を求めるには、まず疑うことからはじめないといけないというスタンスだからだろうか。
いわば、懐疑論者ってやつに俺のスタンスは近いんじゃないかと思っている。
検証や実験、再現性なんかを重んじるタイプだ。
一方、俺以外の三人は、ビリーバーというか、もうすんなり信じちゃうタイプ。
不思議なことがあったら、そうなんだ!ってね。
ちょっと、俺はそういうの、どうかと思うんだけど。
だから、三人は、魔女に会えるかなー、とのんきにかまえている。
俺は、魔女が出るという現象が、何に基づくものなのか、調査しようと思ってきた。
幽霊が出る、ならよく聞く話だ。
しかし、西洋じゃない、この日本で、魔女が出る?
どんな現象が、魔女と形容されているのか、俺は気になっていた。
気になっていた、のだが。
昼ごろに館についてから、四人でだべったり、トランプで遊んだりしていたが、何も起きなかった。
まあ、たいていの廃墟では何も起きないから、それでいいんだけど。
一回だけ変なことが起きたことがあって(変な音がしたんだけど)、俺がずんずん調べようとしたら、たたられるとかいって、他の三人にあわてて止められたっけ。
幽霊が本当にいるなら、大事件だし、調べるのが当然だと、俺は思うのだけど。
「やっべ。くそひっま。やっべ」
あほみたいなボキャブラリーから、基礎単語を並べたのは須藤。
「須藤くん。あきちゃったの?」
かわいらしいけれど、すこしかすれたような声をあげたのが、月宮。
「ゲームには飽きてないけど、魔女出てこないからさぁ」
それがひまなんだー、と大きく伸びをする。
ずりさがった眼鏡を、指で軽くなおす。
「そんなこと言って、魔女が出たら、この前みたいに、俺の調査を止めるんじゃないのか」
「でも、本当の魔女だったら危ないよ、卯月くん」
俺の心配をしてくれるのは、須藤じゃなくて、久遠だ。
「ん、そっか。心配してくれてありがと」
真理を追い求めたるもの呪いなど気にしてはおられん、と言いたい気もしたが、ここで議論する気はさらさらなかった。
議論をするために、危ないよと言ってくれたわけじゃないんだろうから。
こういう考えは、久遠と付き合う前は出てこなかったよなあ。
反対意見には、自分の意見を述べることが当たり前になっていた俺だけど。
そもそも、そんな意見の応酬とか議論とかを、会話に求めていない人がいるってことを、俺はよくわかってなかったのだ。
求めていない人にまで、議論の押し売りをする気はない。
まあ、そのかわり、議論でもなんでもない、聞きたくもない話をこちらが聞く義理もないが。
そういうことがわかったのは、久遠のおかげだと思うし、感謝してる。
感謝してるのは、久遠だけじゃなくて、月宮や須藤にもだ。
友だちと一緒に、廃墟で一拍なんて、数年前の俺に言っても、絶対に信じやしないだろう。
こういうことが一緒にできる友だちなんて、できないと思っていたんだから。
逆に、できないと思っていないと、悲しさでつぶれてしまいそうだったのかもしれないけれど。
「おっと、なんかメール来たんですけど」
簡単な夜ご飯を食べたり、近くの川で石投げをして遊んだりしたあと、館の中に戻ってきた。
それからすぐだったはずだ、須藤がそのメールを受け取ったのは。
「ふーん、なんか、魔女のゲームとかいうやつらしいぜ」
須藤が、俺たちにメールを見せてくれる。
魔女のゲームねえ。
女子二人は、それなりにこわがっているようだ。
「なになに? アプリをダウンロードすると、魔女のゲームがはじまりますって?」
須藤が、俺たちに、書いてあるものを音読する。
どうも、魔女に、ある人が選ばれて、その人に別の人が奉仕する、という内容らしい。
「要するに、王様ゲームってこと?」
月宮の言葉で、だいたいどういうゲームなのか理解できた。
王様が、一番と二番はキスしましょう、とかいうやつだろ?
この場合、常に魔女が王様だってことらしいけど。
「ははっ、魔女の館にいるのに、魔女のゲームとはオツだねえ」
「怖くないのか?」
「だって、単なるメールだろ? この館で変なことが起こったら怖いけど、迷惑メールに恐怖は感じないわー、全然ないわー」
ピコピコと操作する。
「ま、たしかに、すっげー、偶然だとは思うけどっ、と、はい、ダウンロードかんりょー」
ダウンロード?
「須藤、お前、何やってるんだ?」
「え、なんかメールにこれダウンロードしろって書いてあったからさ、やってみた。あ、素人はするなよ、ウィルスとかあぶねーし」
「お前は大丈夫なのかよ」
そのあと、なにかわけのわからない専門用語を言ったが、おそらく、この端末には個人情報なんて入ってなくて捨て端末だから別にいいとかそういうことを言ってた、らしい。
「サービスでもらったもんだしなー、ウィルスへの脆弱性も試しておかないと。ま、それにこのストアだったら、事前にチェックかけてるはずだしな」
俺は、須藤ほど電子機器にくわしくないので、言っていることがよくわからないが、まあ、こいつが大丈夫だというのなら、大丈夫なのだろう。
「お、きたきた、魔女のゲーム、だってさ」
俺たちに、画面を見せる。
魔女のゲーム、と書いてあるプログラムが立ち上がっているようだった。
「ヴィジュアルは悪くないアプリだぜ~、お、メッセージきたぁ!」
そこで、須藤の言葉が止まる。
「須藤? どうした?」
そこで、須藤がだしてきた画面を見て、俺たちもかたまった。
『魔女の命令は絶対! 逆らったら呪うよ! 第一の命令は、須藤くんが月宮さんにフェラチオされる!』
「は、はぁ~っ!?」
月宮が、大声をあげる。
「ちょ、ちょっと、勝手なこと言わないで。わたし、そんなことしないからね!」
そう言って、ドアのところまでいくが、ひきかえしてしまう。
「え? ちょ、なんで、ひきかえして、えっ?」
そのまま、するすると須藤のズボンを脱がしていく。
「あ、あ、あ、そんな、なんで……ちょ、須藤くんも抵抗してよ!」
「え、お、おう」
あわてて、動こうとするが、それよりも、月宮が須藤の陰茎を口にいれるほうが早かった。
「おあっ……」
沈黙する須藤。
その間も、じゅっぽじゅっぽ音を立てて、激しいフェラチオをする。
「ちょ、やめっ、あっ、そこやばっ、おいっ」
「わ、わたしだってっ、じゅぷっ、したいわけ、じゅちゅっ、じゃないっ、んふぅっ、じゅるるるっ!」
ぷはぁっ、と音を立てて、月宮がペニスを口から出す。
「はぁ~っ、はーっ、な、なによ、これ」
呆然としている月宮と須藤だが、そのとき、須藤の携帯が震えた。
須藤が、アプリを見る。
「なんか、このゲームを一巡しないと呪いがかかるっぽいんだけど」
そう言って、また画面を見せてくれる。
そのあと、すぐに画面にメッセージが浮かんできた。
『魔女の命令は絶対! 第二の命令は、月宮さんが、須藤くんに、セックスされる!』
「ちょ、ちょっと! 別にセックスぐらいなんともないけど、ちゃんとコンドームはつけてよね!」
「え、っていうか、いいんだ?」
「別にわたし、嫌いなやつじゃなければ、だれでもいいし」
須藤が、月宮のスカートをまくって、パンティをずらす。
「あー、ごめん、でもコンドーム、持ってない」
そう言いながら、口をつけて、月宮にクン二する須藤。
「あっ、はあっ、ちょ、そんなのっ、ダメに決まってるでしょっ、んんっ、須藤くん上手だねっ、ああっ、そこっ」
だんだん、月宮の声が甘いものになっていく。
「あの……わたし、コンドームあるから」
久遠の声で、須藤がフラフラと歩いてきて、それを受け取る。
「ごめん、月宮。体が勝手に動いてる」
「わ、わたしは、ちゃんと自由みたいね」
そう言いながら、お尻を突き出す。
「ま、さっさと終わらせちゃおっか」
「そういうとこ、すっげーあっさりしてるよね」
「んっ……入ってきたぁっ……い、意外といいかもっ」
ぱんっ、ぱんっ、と規則正しく音を立てて、須藤と月宮が交わる。
「あんっ、人前でやるの、久しぶりっ」
「はじめてじゃないってのがすでにやばいよね、椿は」
「ああっ、もういくっ、いっちゃうっ」
ガクガク、と腰を震わせて、月宮が絶頂を迎えと、須藤は腰を離した。
「お、体に自由が戻った!」
須藤がうれしそうに言う。
射精はしていないが、使い終わったコンドームを燃えないゴミ用のゴミ袋にいれると、またメッセージが出た。
『久住さんが、内村くんとセックスする!』
は?
え、ちょ、それって……。
「お、おいおい、こんなのが初めてってのは」
「――わたしは、あなたとなら、いいよ」
するすると、久遠が服を脱いでいく。
「ちょ、ちょっと、まって」
「わ、わたしも恥ずかしいけど! だめだよ、わたし、手が止まらない!」
そう言いながら、俺のズボンをおろす。
そして、そのまま、口にふくむ。
ねっとりとした唾液が、俺のペニスにまとわりつく。
夏の熱気が、俺の頭をふらふらにする。
「ごめん、じゅぷぷっ、恥ずかしいのに……口が、じゅぷっ、とまりゃにゃいのっ、じゅるるっ、んふぅっ」
「でも、まわりにみんなが……」
「じゃあ、二人とも、出て行って」
久遠の声で、須藤と月宮が出ていく。
これで、部屋には、二人きりになる。
「ねえ……舐めて」
そういって、久遠が下半身を示した。
俺は、それをなめあげる。
そこは、すでに、かなり濡れているようだった。
「ま、まだ、何もしてないのに……」
「さっきの見てたら……濡れちゃったみたい……ああ、でもこれ、魔女のせいかな?」
コンドームをつけて、ゆっくりといれる。
先っぽだけを、入れたり出したり。
「ね、ねえ、そろそろ、もっと、深く……」
その声で、徐々に深く入れていく。
そして、ついには、根本まで入ってしまった。
「あはっ、あんまり、痛くないみたいだね」
「そ、それはよかった」
俺たちは、ゆっくりと腰をぶつけあう。
ゆっくり、ゆっくり。
だんだん、俺も興奮してきて、最後には、射精した。
精液でたぷたぷになったコンドームをゴミ袋にいれると、久遠は何かメールを打ち出した。
「どうしたの?」
「うん、終わったって二人にメールしてるの」
「そっか。あの二人は、何してるんだろうな」
「うーん。あの二人も、セックスしてたりして」
「えっ?」
「だって、あの二人、つきあってるんだもん」
俺は呆然とする。
「はあっ!? そんなの聞いてないぞ」
「言ってなかったもん」
そういうもんかね。
俺は、昔から、こういう話や噂には縁遠かったからな。
今回もまた、か。
「わたしは、そうかなーって思って、聞いてみたら、そうだって」
「そうか」
そんな雰囲気、あんまりなかったけどな。
「あ、メール来たよ」
そう言って、メールを見せてくれる。
『内村くんが久住さんとセックスするのが最後の命令みたいです』
「えへへ。ラッキー」
俺は、全然、体が操られてるって感じがしないけど。
久遠は、後ろ向きになって、お尻をつきだした。
「また、ハメて欲しいよ」
彼女の淫語に、ペニスが反応する。
後ろから、ぐいっと入れる。
「わ、わたし、それ、好きみたい……奥に、ずんずんっ、って来て、すごく気持ちいい」
俺は、先ほどよりは慣れた動きで、かくかくと腰を振る。
久遠が、それにあわせて、甘い声をたてる。
「あっ、あんっ、ふあぁっ、だめっ、声、我慢できないっ、んんんっ、ああっ! んあああっ!!」
声が、しだいに、ふつうの声から、甘い声に変わっていく。
「ああんっ、ふああっ、ああんっ、んああああっ!!」
同じような声が、どこか別のところからも聞こえる。
ああ、月宮もセックスしてるんだ。
二人分の快楽の音色を聞きながら、俺は、もう一度、絶頂へとのぼっていく。
「ああっ、卯月っ、いくよっ、いくっ、あああああああっ!!!!」
久遠がイくと、すぐに俺も、自分の白き欲望を吐き出す。
二人で、心地よい脱力感につつまれる。
俺たちの外では、別の二人の喘ぎ声が、こちらまで聞こえてきていた。
エンド構想1
「あんっ、あはぁっ、卯月くんのオチンポ気持ちいいよぉ~」
俺の下で、月宮がだらしない顔をさらして、俺の生殖器から、快楽を貪欲にむさぼっている。
「椿ちゃん、ひどいよ……人の彼氏に手を出すなんて……ん、ああぁんっ!」
しばられた久遠が、須藤のペニスに、オマンコをえぐられている。
「そんなこと言いながら、久遠ちゃん、彼氏が他の女の子とセックスするのを見るのが快感の変態さんなんだよね?」
須藤が、意地悪く聞くと、久遠は顔を真っ赤にする。
「そ、それはぁっ……んんっ」
くいくい、と器用に腰を使って、須藤が久遠の口を、快楽でふさぐ。
「それに、彼氏じゃない男のオチンポでも、けっこう気持ちよくなれちゃうんだよね?」
「だ、だって、魔女の命令だから、しかたないじゃないっ……」
「えー、でも、もう魔女の命令なんてないよー。もう、ただ久遠ちゃんがエッチなだけだよね?」
「ううっ……」
反論することもできず、須藤のペニスに蹂躙される久遠。
俺たちは、あの後、館から帰って来てからしばらくして、須藤は久遠と、俺は月宮とセックスすることになった。
ある日、月宮の部屋に行くと、須藤と久遠がセックスしていて、それは魔女の命令なんだと言われた。
そのあとで、月宮と俺がセックスしろという命令があって――そして、俺と月宮はセックスした。
そのあとは、もう、何も魔女は言ってこなかった。
ただ、俺たちの研究会は、乱交サークルになった。
俺と卯月はつきあっているし、お互いに愛し合っていると思う。
須藤と月宮もそうだ。
でも、お互いの性欲は、愛情とは別で、たまには違う信頼できる別の相手とセックスする――そういうことになっていた。
特に、卯月は、俺が他の女とセックスするのを見ると性的に興奮するらしい。寝取られ属性だったみたいだ。
俺は、特に、卯月が他の男とセックスするのを見て喜びは感じない。
だけれど、俺が月宮とセックスしているときに、快感にあえぐ姿を見るのは好きだ。
そして、今日も、俺は月宮にキスをして――それを見て卯月が絶頂に至り――そして、月宮の体で、射精した。
エンド構想2
「んんっ、いいよっ、気持ちいいのっ……あっ、いくっ、いくうっっっ!!」
俺の部屋で、久遠と俺は、セックスしていた。
久遠が、元気よくオーガズムを迎える。
魔女のゲームが終わってから、俺たちは、よくセックスするようになった。
あのゲームで、タガが外れたところがある。
そして、俺はひとつの疑問を持っていた。
俺は、まだ硬いペニスを、久遠の膣内に入れたまま、それを質問する。
「あのさ、久遠」
「なあに?」
「あの魔女のゲームって、お芝居だったんじゃないか? お前が俺とセックスをするための」
びくり、と久遠の体がこわばる。
そして、あきらめたように、そうだよ、という言葉が漏れる。
「なんで、だ?」
「だって……なかなか、してくれなくて、不安で……」
「そっか。そりゃ悪かったよ。でも、もうちょっと、俺の意志を尊重してくれると、うれしかったけどな」
「ごめん……」
「でも、なかなか興奮できたし、もういいや」
「うん……あんっ!」
また動き出した俺のペニスに、かわいらしく反応する。
「俺もまだイってないから――いいよな?」
卯月は、顔を赤らめてうなづいた。
あとがき
これは、魔女のゲーム(魔女狩り編)の元となった構想を文章として形にしたものです。なのでプロトタイプ。魔女のゲームのおまけシナリオみたいなものだと思ってもらえれば。
魔女のゲームは、もともと、魔女によるMCを使った王様ゲームっぽいものに複数人がまきこまれる、という、ぼんやりした構想のものでした。
構想だけで、執筆どころかプロットも立てていませんでしたので、まあ、王様ゲームじゃなくてもいいよね、とか、MCの使い手ってだれにしようか、とか、そういうのをいろいろ考えているうちに、魔女のゲーム(魔女狩り編)のプロットができたわけです。
この話は、元の構想から、初期の簡単なプロットを作った時点での、その初期プロットを執筆したものです。
いちおう、肉体操作を書きたかったのですが、それはちょっとあっさりしすぎかな、と思います。もしかしたら、肉体操作ってMCじゃないという人もいるかもしれませんが(マインドコントロールじゃなくてボディコントロールだ……ってそんな人はいないか?)、でも現実の催眠術でも、意識を保ったまま体が意のままに動かすことができない、術者の暗示通りになってしまうというのはよく見るので、ぼくとしてはありだな、と思います。では。
< 終わり >