第1話 ―舞散る刻― ああ....なんてお美しいんだろう。 あの凛とした立姿、何物にも動じない澄んだ眼差し。 お腹の前で組まれた指先が組み換わるだけで、尖った顎先が少し上を向くだけで、あの方の強さが身に染みる程に伝
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文房具
こんにちは。僕の名前は杉本幸平です。 一応は主人公ということになってますが正義の味方みたいに格好良いわけでもなく、悪の帝王みたいにいかついって程でもない。どこから見ても平凡な高校生なんです。すみません。 しかーし!
もっと読む美しき獣達 Act.1 ~ 4
act.1―――Remember the Day――― 真っ暗な廊下を、その女は歩いていた。 悠然と靴音を響かせ、まるで光など必要ではないとでも言うように。 漆黒の闇がよく似合う女だった。 その館の主がそうである
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Silent Night~ゆーたのいちばんながいひ~ ――――このお話は『おろろん淫魔くん』の後話です―――― ブィィィィィィィィィン、ガーーーーーーーーッ、バタバタバタッ!!ブィィィィィィィィィン...... 年
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(『ガツン』はジジ様の作品でした) チチチチッ、チュンチュン、ピーヒャララララララ 耳に届く小鳥達のさえずりは、まるでまどろむ俺を誘なおうとしているかのようだ。 少し開いたブラインドの隙間から射し込む朝の陽光も、ゆ
もっと読む闇からの視線 6.闇からの視線
6. 闇からの視線 「むぐぅぅっ.....くっ、あぅぅっ....ん、ふぁっ..くぅぅ、ぐ、うぅ」 響子の感覚はもう意思から切り離されたかのように、女達の愛撫に翻弄され続けていた。 宏美のついばみが胸の穂先を熱く焦がし
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5.リミット クイッと動いた影一の顎を合図にケイトのナイフが首筋から離れ、彼女の脹ら脛に絡み付いているホルダーに納まった。 「...で?私をどうしようっていうの」 心から憎む敵にいつもの強烈な視線を投げることすら叶わ
もっと読む闇からの視線 4.人形の館
4.人形の館 カラン.... 心地よく流れるブルースに紛れ、溶け落ちた氷がグラスを鳴らすのを響子の意識がふと捉えた。 その僅か数秒、全ての嫌な事が頭から抜け落ちた刻が何にも増して心地よく感じられる瞬間...。 「.
もっと読む闇からの視線 3.国家権力陥落
3.国家権力陥落 「四宮課長ーっ、お電話でーす。外線4ばーん」 朝の喧噪に紛れるものかと、部屋の向こう端から受話器を掲げた署員が大きく声を張り上げた。 カチャッ 「はい、四宮ですが」 強く耳に押し当てられた受話器か
もっと読む闇からの視線 2.飽食の微笑
2.飽食の微笑 「あ、課長、ジュクのチンピラでそれらしいのが見つかったそうじゃないですか」 署内の食堂で食事中の響子を見つけた竹下がトレイを目の前に置くと無遠慮に席についてきた。 「ええ、午後の会議であなたにもそっ
もっと読む闇からの視線 1.夢幻の狂気
1.夢幻の狂気 その日、東京は朝から霧の様な雨に包まれていた。 只でさえ勤労意欲を削がれる鬱陶しい空を恨めしく睨みながら、四宮響子はタイトなスカートからすらりと伸びた脚を無造作に投げ出し、運転席から降り立った。 新
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11.歪んだ欠片 天にまで届くかと思える摩天楼の一角で、あゆみは一人彷徨っていた。 失いかけた記憶の断片を拾い集め、合わないピースを並べながら必死でその隙間を埋めようとしている。 彼女が虚ろな瞳を泳がせなが
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-後編- 可憐な唇をうねる触手のように舐め回す舌、柔らかな乳房をカサコソと這い回る虫のように陵辱する指先。 嘔吐と鳥肌をもって感じ取る筈のそれらは理美にとって、未だ喜びこそ湧き出しはしないが命がけで縋り付くべき物であ
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-前編- カチャカチャカチャカチャカチャ...... キーボードを叩く音だけが響いていた....。 その真っ暗な室内には モニターの灯りに照らし出された 鬼畜の如き笑みだけが
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令嬢詩織 ピーンポーン 東京、永田町にあるとある高級マンションの最上階、執務に没頭していた堂島の思考を電子音が遮った。 のっそりと年相応の動きで立ち上がると、壁に備え付けられたモニターに手を掛ける。 「はい」 低
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鮫島家の人々 「たっだいま~」 重厚な木製の玄関扉が勢いよく開かれ、年相応の元気を振りまきながら鮫島有紀がリビングに飛び込んできた。 「あら、おかえりなさい。今日は随分早かったのね?」 有紀の母親、加奈子はソファの上
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06.孤独の暴君 「おかえりなさいませ、こしゅしんさま。おつかれさまれした。」 そう言ってにこやかな笑顔を向けているあゆみの頬に、思いがけない鋭い痛みが走った。 驚いて顔を見上げたあゆみの目に、昔..あゆみを壊した時
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01.研究所 もうこの山奥のハイウェイを走り続けて1時間にもなるだろうか?その間、人や車どころか獣一匹見かけていない。 片側2車線、幅員20mのこれだけ立派な道路であるにも関わらず、だ。 (税金の無駄使い...か)
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08. 幸福 81日目 昨日資料室から出てきた時には既に終業時間を過ぎており、他の者は帰ってしまっていた。 二人共べとべとの身体を簡単にタオルで拭ったが互いの匂いは取る事が出来ず、電車にもタクシーにも乗れないまま俺の
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07. 飼育 「ふうぅっ....」 喜悦の表情を浮かべたまま机の上に横たわる香の前で、俺は椅子に崩れ落ちた。 机からだらんと投げだされた美しい脚の間には未だに蠢動を続ける淫唇が妖しく俺を誘っている。 舌なめずりしな
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06. 陥落 52日目 今日の液体の分量はかなり多くした。 喫茶店での摂取量に近い位だが、徐々に揮発量が増し、終業時頃に最大量を摂らせるようになっている事と、彼女に適性が出来ている事からあの時のように乱れる事は無い
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05. 変心 初日 (はぁ~~~、まぁた今日から1週間が始るのか~。なぁんかあの事件以来仕事がつらいなぁ。主任さんも確かに気を遣ってはくれてるけど...あの時の私の事、どう思ってるんだろう?あれ以来殆ど会話なんてしてな
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04. 洗脳 翌日はさすがに彼女は休んでしまったようだったが、その次の日にはなんとか出勤してくれた。 以前と変らないようにも見える仕事ぶりは、若干笑顔に翳りは有るものの他の者達からはそれと気付かれない程度で、しかし俺
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03. 痴態 ようやく空き室を見つけると、部屋に入るなり彼女は入口に上着を脱ぎ捨て、飢えた狼のようにハアハアと舌と涎を垂らしながら襲いかかって来た。 「お、おいおい、嬉しいけどシャワーくらいは浴びようよ。今日はかなり汗
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02. 実験 最初の被験体は決まっている。 この液体を比較的簡単に摂取させる事が出来、行動を観察しやすい人間。そして当然いい女...となれば一人しか居ない。 同じ開発部で今年入社してきた”片岡香”。新入社員の中でも
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01. 発見 俺の名前は坂本健児、大手製薬会社の技術開発主任。 小心者で世渡りは上手くは無いが、研究開発での結果が幾つか評価されて同期の中じゃまあまあの出世だ。 だがそんな小市民的で孤独な俺の人生を変えるような事態
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07. 遠回りして帰ろう その時みんなは疲れきって眠っていた。 部屋にある時計の針が12時を指し示し、静かなメロディが流れだす。 そしてそれが鳴り止んでしばらく経つと、突然...本当に突然に淫魔君が叫び出したん
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06. 月がとっても暗いから あれから、一年がたった。 僕には友達が一杯出来て、街を歩くといつも誰かが声を掛けてくれる。 このマンションにも何人かが一緒に住んでいて、僕の世話を焼いてくれるんだ。 マンション全部が
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05. マンションこわい あれから二週間がたった。 春蘭さんも初めの頃は、淫魔君の淫気を欲しがって僕の股間にしがみついて離れなかったり、ちょっと目を離した隙に周りにある物を手当り次第におまんこの中に突っ込んだりしちゃ
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04. 友達100人できるかな? 僕達はうきうきしながらマンションの廊下を勇ましく歩いていたんだ。 僕、今までこんなに楽しかった事って無いんじゃないかなぁ。 ここ半年は病院だったし、小さい頃から内気でいじめられっ子
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03. くうねるところにすむところ 「あーあ。さっきみたいには旨くいかないね。なんだか僕疲れてきちゃった。お腹も空いてきたし...」 さっきのおねえさんとのせっくすが終わってから、僕達はずっと相手を探してさまよってた。
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02. はちゃめちゃ大作戦 「痛っ!おんどりゃー、何回こけたら気が済むんじゃい!ええ加減にせんと膝の皿が割れてまうやんけ!」 「だって、淫魔君が速すぎるんだよ。僕はついさっきまで寝たきりだったんだから、そんなスピードにつ
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01. 淫魔君登場 僕は今、病院のベットの上で外を眺めている。 どんよりと曇った夕方の空は、僕の心の中みたいだ。 半年前、家族で行った旅行の帰り、僕は後ろの席で眠っていたんだ。 そして目が覚めた時にはもうお父さん
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12. 黒と白 「終っちゃったんだ」 恵は辺りを見回しながら、深く、悲しげなため息を漏らした。 「恵!どうしてここに?..何故...お前は俺のことを.....」 恵は、訳も分らず捲し立てる影一の頬をゆっくりと撫で、髪
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11. 降臨 じめじめと湿った感触が肌を嘗める深夜の庭園に、男は一人空を眺めていた。 日の光を遮られ輝きを失った月は、感情を無くした男の様に只佇んでいる。 真の闇というのはここよりも深いのだろうか? 自分が今、ど
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10. 堕落 「ご主人様、準備が出来ました」 寝転がって煙草をくゆらせている影一に麻里が声を掛けた。 影一は何も言わず、不機嫌そうに指先の煙草をはじくと、部屋の絨毯の焦臭い臭いにも構わず部屋を出ていく。 麻里は黙っ
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09. 純愛 「おにいちゃん!遅かったじゃない!前の電車に乗ってると思ったから、さっきからずっとここで飛びっぱなしだよ」 相変らずの無邪気な瞳は影一の荒んだ心を一気に洗い流していく。 「おい、人前で”おにいちゃん”って
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08. 出会 「つぎはー、よこはまー、よこはまです。お降りの方はお忘れ物の無い様お気をつけ下さい」 細身のジーンズにTシャツ。その上にはまっ黒のジャケットを羽織り、ぼさぼさだった髪は後ろで括られている。 その為か、普
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07. 館 「ご主人様、今日は少しご機嫌がよろしいようですね」 主人の気分が伝染したのか、胸以外は細めの肢体を質素なメイド服に包んだ風見麻里が嬉しそうに言う。 「ん?いや別にそんなつもりはないんだが」 「今日は横浜でご
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06. 摩天楼 影一の狩場がある繁華街の外れに建つハイテクオフィスビル。 地下3階、地上18階。当時最新鋭の技術を注ぎ込み建てられたそれは、最高のセキュリティを誇り、地下にはスーパーコンピューターまでもが設置されてい
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05. 調教 「あ、あぁ、ぁふぅ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁああっ、くぅっ、あんあんあんあんあああっ」 いつから続いているのだろう。 打放しのコンクリートの壁に反響する淫靡な喘ぎは、時々はトーンを変えながら、その本人以外
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04. 契約 薄暗く広い部屋。 古めかしい中世風の装飾を施された壁面に、数本の蝋燭が立ち、揺らめいている。 その部屋の中に唯一置かれた肘掛椅子にもたれながら、天野影一は蝋燭の灯も届かない、その部屋の中で最も暗い部分
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03. 妄想 「はぁーーーっ」 本日28度目の溜息をつきながら、中根宏美は、出来たばかりの書類を無造作にファイリングしていく。 「おいおい。それは一応部長も目を通すんだ。もうちょっと丁寧にやってくれないかな」 まだ3
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02. 隷属 男は窓際に置かれた椅子に腰掛け、窓枠に肘を付きながらつまらなそうに外を眺めていた。 ここに移動してから1時間、なんの成果も上がらず半ばふてくされた様な表情で道行く人々を睨み付けている。 その交番の入口
もっと読む黒と白 01.狩場
01. 狩場 夕暮の繁華街。 賑わいの途切れないその一帯の中でも、駅前から伸びているメインストリートと商店街との交差点が今、その男にとって最もお気に入りの”狩場”であった。 そこには、学校や仕事帰りの女子高生・OL
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