真夜中、ある少女の家で突然恐ろしいことが起こった。
 少女の寝ていたベッドの敷布団から、ぶちっという音がして、それは少女の首の両側のあたりだった。
 その両方の場所にはとつぜん手首が現われたのである。
 しかも、うろこだらけの手首であった。その両手は少女にかけられていた掛け布団のなかをまさぐりはじめていた。