第四話 昼休み、学校の食堂はいつも通り混み合っていた。 キツネうどんを乗せたトレイを手に、僕は空いている席を求めきょろきょろと辺りを見回す。 「あ……」 空いている席を発見。 しかも、そこには知っている顔が座って
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ニャルフェス 第3話 ニャルフェスの誤算(4)
第三話 ニャルフェスの誤算(4) 少女には夢があった。 ささやかな夢。だけど少女にとって大切な夢。 あの人への想い。 やさしい人。だけどつよい人。 どんなカも、その人のやさしさを失なわせることはできなかった。
もっと読むニャルフェス 第3話 ニャルフェスの誤算(3)
第三話 ニャルフェスの誤算(3) かびたは、まいっていた。 ほんとに、まいっていた。 つくづく、まいっていた。 とことん、まいっていた。 いくら表現を変えてみても、まいっていることは全然変わらなかった。 注目
もっと読むニャルフェス 第3話 ニャルフェスの誤算(2)
第三話 ニャルフェスの誤算(2) そこは、砂漠のど真ん中だった。 すでに日が落ちて久しく辺りは凍てつく寒さに包まれている。 天頂には月が輝き、砂漠を青白く染め上げていた。 人気がない……というより、生命の気配が存
もっと読むニャルフェス 第3話 ニャルフェスの誤算(1)
第三話 ニャルフェスの誤算(1) 「今日は課題を与えるニャ」 唐突にニャルフェスが言った。 「えっ?」 かびたが視線を上げると、ニャルフェスが手帳のようなものを手にしている。 「えっ、えっ? なんなの?」 かびたは
もっと読む夢の続き 第三話
第三話 “ぺちゃ……、ぴちゃ……” 静かな部屋の中に、淫らさを感じさせる水音が響いている。 翠色の夢の中、洋館の2階にある図書室。 ここにはいくつもの本棚が並び、そこにはびっしりと古めかしい本がたくさん並べてある。
もっと読む夢の続き 第二話
第二話 ……何かの音で、はっと目を覚ました。 あわてて周りを見渡す。 自分の、部屋だ。 制服のまま、ベッドに横になっていたらしい。 それが当たり前と思いつつも、どこか『ほっ』とする自分を感じる。 それほど、リ
もっと読む夢の続き 第一話
第一話 「おはよう、倉田くん」 高校の門のところで、聞き覚えのある声をかけられた。 後ろを向くと、やっぱり、見知った女子生徒が立っていた。 「あ、おはようございます。高島センパイ」 彼女の名前は、高嶋 由香里(たか
もっと読む夢の続き プロローグ
プロローグ 夢を、見た。 翠色の、夢。 物心ついた頃から何度も何度も見てきた、同じ景色。 どこかの森の中。高い壁に囲まれた、古い2階建ての大きな洋館。 僕は鉄柵でできた大きな門の外側から、いつもその建物を覗いて
もっと読む外仙 章之弐「虎口」 2
章 之 弐 「虎口」 2 母がみつづけた夢があった。 つらい修行の後、妖げつとの死闘を乗り切ったとき、仙道どものはりめぐらした方陣うちやぶったとき。 母が語った夢。 あの方に”囲”われること……。 それはさちの
もっと読む外仙 章之弐「虎口」 1
章 之 弐 「虎口」 1 天翔静理(あまかけしずり)はいらついていた。 なにもかも、思いどおりにいかない。そんな想いが、最近は常につきまとっている。 彼女の人生は、常に順風を受け続けてきた。 上級公務員試験に上位
もっと読む外仙 章之壱「囲」 2
章 之 壱 「囲」 2 そこは、広い部屋だった。 床には、美しい模様が織り込まれた絨毯が敷き詰められている。 奥の方に大きな机が置いてある他は、調度品らしいものは見当たらない。 二人の婦警さんは、阿斗にあやつられ
もっと読むEDEN 最終章
- Light Side of EDEN - 「ゆういちさん、ゆ~いちさんっ!お~き~てっ!朝ご飯冷めちゃうよぉ!」 「ゆかちゃん、雄一さんは昨日遅かったんだし、それぐらいじゃ起きないわよ...たぶん、ね」 「え~、じゃ
もっと読む外仙 章之壱「囲」 1
章 之 壱 「囲」 1 ひどくうらびれた感じのする男。 響阿斗を一言で表現すれば、そんな感じだろう。 背広は皺だらけであちこち擦り切れていたし、ネクタイは日にやけて変色していた。 顔立ち自体は悪くない……っていう
もっと読むニャルフェス 第2話 ニャルフェスと復讐
第2話 ニャルフェスと復讐 かびたは平穏な一日を満喫していた。 なんか、ここ三日間心休まる暇がなかった。 性奴とかになってしまったさやかが、あたり構わずかびたにひっついてきて、 「淫らしいことを、ご命令してください
もっと読むEDEN 第4章
- Dark Side of EDEN vol.4 - 朝。誰にも等しく訪れ、希望をもたらすもの。1日の始まりにして、闇を払拭するもの。なのにぼくは最低な気分のまま、白む空を眺めていた。どんよりと疲労が体の芯に残ってい
もっと読む外仙 章之序「人形」
章 之 序 「人 形」 ついに見つけることが出来た。 殺戒を明けてから、ずっと探しつづけてきた人間を。 3千年かけて造り上げた宝貝(パオペエ)“光輝班”。それを埋め込むための人形を。 いくつか条件があった。まず、
もっと読むニャルフェス 第1話 ニャルフェス降臨
第一話 ニャルフェス降臨 華美かびたは朝から思いっきし暗かった。 梅雨の明けた空はめいっぱい澄み渡り、これ以上ないっていうくらい世界は輝いているのに、なんだかかびたの回りだけどんよりと暗かった。 「はひっ~~」 気
もっと読むEDEN 第3章
- Dark Side of EDEN vol.3 - 日曜日、ぼくは清々しい気分で目を覚ました。朝の澄んだ空気の中、ベッドから体を起こすと部屋の窓を開けた。今日も良い天気で、館の周りの木々も、葉の一枚一枚に生気が漲っ
もっと読むEDEN 第2章
- Dark Side of EDEN vol.2 - 今日は土曜日。ぼくは館の2階のベランダからコーヒーカップ片手に、ひたすらぼんやりとしていた。特に何を見るでもなく、のんびりと時間と共に移り行く景色を楽しんでいた。
もっと読むEDEN 第1章
- Dark Side of EDEN vol.1 - そこは不思議な土地だった。2Kmも行けば普通の街並みが広がっているし、高校や商店街、映画館だってあると判っているのに、ここで目にしている光景は、まるで昔の映画の中
もっと読む魔石 第1章 Girls
第一章 Girls 光は今日の獲物を求めて駅前を物色していた。 土曜の午後ということもあって、街にはずいぶん人が多い。 とりあえず、駅前のマクドナルドに入ってめぼしい娘が来るのを待った。 いつものことだが、この時
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