黒と白 07.館

07. 館 「ご主人様、今日は少しご機嫌がよろしいようですね」  主人の気分が伝染したのか、胸以外は細めの肢体を質素なメイド服に包んだ風見麻里が嬉しそうに言う。 「ん?いや別にそんなつもりはないんだが」 「今日は横浜でご

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黒と白 06.摩天楼

06. 摩天楼  影一の狩場がある繁華街の外れに建つハイテクオフィスビル。  地下3階、地上18階。当時最新鋭の技術を注ぎ込み建てられたそれは、最高のセキュリティを誇り、地下にはスーパーコンピューターまでもが設置されてい

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黒と白 05.調教

05. 調教 「あ、あぁ、ぁふぅ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁああっ、くぅっ、あんあんあんあんあああっ」  いつから続いているのだろう。  打放しのコンクリートの壁に反響する淫靡な喘ぎは、時々はトーンを変えながら、その本人以外

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黒と白 04.契約

04. 契約  薄暗く広い部屋。  古めかしい中世風の装飾を施された壁面に、数本の蝋燭が立ち、揺らめいている。  その部屋の中に唯一置かれた肘掛椅子にもたれながら、天野影一は蝋燭の灯も届かない、その部屋の中で最も暗い部分

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黒と白 03.妄想

03. 妄想 「はぁーーーっ」  本日28度目の溜息をつきながら、中根宏美は、出来たばかりの書類を無造作にファイリングしていく。 「おいおい。それは一応部長も目を通すんだ。もうちょっと丁寧にやってくれないかな」  まだ3

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黒と白 02.隷属

02. 隷属  男は窓際に置かれた椅子に腰掛け、窓枠に肘を付きながらつまらなそうに外を眺めていた。  ここに移動してから1時間、なんの成果も上がらず半ばふてくされた様な表情で道行く人々を睨み付けている。  その交番の入口

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黒と白 01.狩場

01. 狩場  夕暮の繁華街。  賑わいの途切れないその一帯の中でも、駅前から伸びているメインストリートと商店街との交差点が今、その男にとって最もお気に入りの”狩場”であった。  そこには、学校や仕事帰りの女子高生・OL

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凶宴

 聖なる夜の、邪悪な願い。  それによって一人の男が蘇ろうとしていた。  不幸を撒き散らす為に・・・。  此処は大陸の中心、“央都ユートピア”。  あらゆる物の中心都市である。  此処は政治・経済・文化・権力・・・全てが

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おやぢ 増殖 2日目

増殖- 2日目 -  バシィィィッ!!! 「ヒャウゥゥゥゥゥッッ!!!」  空気を切り裂くような音が部屋に響き、少女の悲鳴がそれに続く。 「さあ、もっと鳴きなさい。あなたの声をもっとよくきかせるのよ!」  美女が振り下ろ

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おやぢ 増殖 1日目

増殖- 1日目 -  ゆっくりとその女性が振り向いた。  すっきりとしたショートカットが印象的な、美しい女性。  30台という年齢を感じさせないような張りが、その女性にはあった。 「いいですこと? ここは本来ならあなたの

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おやぢ 侵食

侵食 「おねぇちゃん? ねぇ、おねぇちゃんってば!」  美しい女性が言った。 「…………」  返事がない。 「おねぇちゃん、だいじょうぶ? おねぇちゃん!」  今度は目の前の少女に手をかけて、揺り動かしながら叫ぶようにい

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おやぢ 変態

変態  伊集院舞香の様子がおかしい。  相良葉子(さがらようこ)は不信をもってその行動をさぐっていた。  31才という若さで外科病棟の婦長を務める優秀な看護婦。  でもそれだけではない。  葉子の真価は、患者に対するあふ

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おやぢ 忠犬

忠犬  薄暗い家畜小屋のような部屋。  それが、彼の生息する場所だった。  あと何年かすれば、彼が生まれてから半世紀が過ぎたことになる。  普通の人間には、この部屋の様子は想像がつかないだろう……というか、想像したくない

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