剣姫編 8 終幕 ……時間は遡る……。 綺麗に整頓された城内を、1人の少女が歩いている。 あどけない外見に似合わず、腰に剣を帯びている。 彼女は一部では「剣姫の再来」とまで呼ばれる剣士だった。 しかしそう呼ばれ
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辺境から流れてきた戦士が、突如として城に攻め込んだ。
親衛隊の決死の防御により、辛くも王は守りきった。
王は国の威厳と自らの安全の為、討伐を命じた。
これが、更なる悲劇を呼ぶとは知らずに……。
とある王国の悲劇 剣姫編7
剣姫編 7 かつて、とある王国があった。 その国は傍若無人な王が治め、弱者は虐げられていた。 民衆は苦しんだ。 犠牲も大勢でた。 だが高貴な者は省みず、贅の限りを尽くした。 王族に1人の美しい姫が居た。
もっと読むとある王国の悲劇 剣姫編6 後編
剣姫編 6(後編) 「女王陛下、万歳!」 その日、城の広間には大観衆が集まった。 そして露台に立ち手を振る新しい王に、歓声を上げた。 「皆の者」 剣姫と呼ばれた新女王が話し出すと、静寂に包まれた。 「今までの辛い時
もっと読むとある王国の悲劇 剣姫編6 中編・叛
剣姫編 6(中編・叛) 「ふふっ。楽しんで頂けましたか?」 不意にかかった声に、王が振り向く。 王の目に映ったのは壺と、その上で蠢く、黝き塊だった。 いや、よく見れば、それは剣姫と同じ形をしていた。 王の目が、そ
もっと読むとある王国の悲劇 剣姫編6 中編・正
剣姫編 6(中編・正) 「ふふっ。楽しんで頂けましたか?」 不意にかかった声に、王が振り向く。 そこには乱れた髪を纏めながら立つ、剣姫の凛とした姿があった。 「馬鹿なっ!」 王が驚愕した。 「お前の力は奪ったはずだ
もっと読むとある王国の悲劇 剣姫編6 前編
剣姫編 6(前編) 「姫様ぁぁっ! 御無事ですかっ!」 剣姫が斬られたのを見た爺は、半狂乱で走り寄った。 「大丈夫だ」 振り返った剣姫は血に塗れているものの、大して出血も無い様に見えた。 「まさか……そんな……」
もっと読むとある王国の悲劇 剣姫編5 後編
剣姫編 5(後編) 「姫、失礼します」 「爺か」 丁度王女が王子の部屋に着いた時である。 剣姫もまた、訪問を受けていた。 相手は無論、育ての親でもある古強者である。 「どうした、こんな時間に」 やや怪訝そうに姫が
もっと読むとある王国の悲劇 剣姫編5 中編
剣姫編 5(中編) 城下町の外れに戦没者慰霊碑がある。 1人の初老の男が慰霊碑の前で黙祷を捧げていた。 それは剣姫に付き従う古強者だった。 男は黙祷しながら自らの半生を振り返っていた。 もともと男は城の人間では
もっと読むとある王国の悲劇 剣姫編5 前編
剣姫編 5(前編) 「くそっ! すっかり遅くなった」 殿下が足早に廊下を歩く。 せっかくこの日の為に用意した豪華な衣服が乱れている。 だが、そんな事を気にする余裕は殿下には無かった。 衝動に任せて次々と侍女を抱い
もっと読むとある王国の悲劇 剣姫編4 後編
剣姫編 4(後編) 「あぁ? この程度の仕事もこなせないのか?」 とある私室内で怒声が響く。 怒鳴っている男は、少し嫌味な程着飾っていた。 「しかし殿下、このような無理難題は……」 「――黙れ、無能大臣が!」 大臣
もっと読むとある王国の悲劇 剣姫編4 前編
剣姫編 4(前編) 街を出た翌日、討伐隊一行は王国首都に到着した。 まず目を引くのが、天に聳えるような尖塔を持つ天守閣である。 その周囲を2重の城壁で取り囲んでいる。 もし鳥の視点を持てれば、城壁が完全な真円を描
もっと読むとある王国の悲劇 剣姫編3
剣姫編 3(転ノ壱) 夢を持った少女がいた。 その夢を聞いた者は子供の言う事だと笑った。 大抵の人間はそこで現実を知り、諦めていくだろう。 それは大人になる、と言う事かも知れない。 だが少女は大切にして諦めなか
もっと読むとある王国の悲劇 剣姫編2
剣姫編 2 姫が屋敷の正門から出ると、40名程の戦士が整列していた。 もしここに何も知らない者が居たら違和感を覚えただろう。 まず武装だ。剣、槍、斧……。各々バラバラなのだ。 鎧も同じ物を着けているが、これも各自
もっと読むとある王国の悲劇 剣姫編
剣姫編 とある国での出来事である。 辺境から流れてきた戦士が、突如として城に攻め込んだ。 単独だったにも関わらず多くの兵を切り伏せ、王まで少しの所まで迫った。 親衛隊の決死の防御により、辛くも王は守りきった。
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