~堕ち姫ver.~ 今は昔、とある漁村に浦島太郎という男が住んでおった。 彼の住んでいた浜がどこにあったのかは諸説あり、残っている記録では『丹後国風土記』にある浦嶋子の話が最古だとされている。 しかし、浦島伝説は丹
もっと読む「呪術」
本当はえむしーだった浦島太郎 やんちゃ乙姫ver.
~やんちゃ乙姫ver.~ むかしむかし、深い海の底にある竜宮城に乙姫様が住んでいました。 ある日、ちょっと砂浜まで遊びに来た時に、乙姫様は浦島太郎に恋をしてしまいました。 釣り竿を手にした浦島太郎の日に焼けた、引き
もっと読むいたいのいたいのとんでいけ
~きれいなお姉さんは発情中~ 「……つぅっ!」 キャベツを千切りしていた指先に、鋭い痛みが走る。 見ると、人差し指の先にぷくっと血玉ができていた。 「いたいのいたいのとんでいけ……!」 誰もが子供の頃に一度はやった
もっと読む仮装行列綺談 それまでと、祭りの後
それまでと、祭りの後 面之五 亮太(天狐の面) 初めて見たときから、このお面を気に入っていた。 この里の神社の家に生まれた僕が、古くから伝わる祭りの準備を最初に手伝ったのは中学2年の時だった。 面引きの神事のための
もっと読む仮装行列綺談 本祭 弐
本祭 弐 面之四 唯(尾裂の面) チン、トン……と鉦と太鼓の音が鳴り始めて、祭りに参加するために集まった人たちが動き始める。 夜中の10時過ぎに、それぞれにお面を被って時代劇みたいな衣装に身を包んだ大勢の人が蠢いてい
もっと読む仮装行列綺談 本祭 壱
本祭 壱 そして、いよいよお祭りの当日がやってきた。 「みな様、着付けのお手伝いをしますね」 晩ご飯の後で、私たちの部屋に帯刀の息子さんの奥さんが入ってきた。 「……あ、お願いします」 お祭りに行く準備をしようとし
もっと読む仮装行列綺談 祭りの宵
祭りの宵 「社長、本当にこの道で合ってるんですかぁ?」 「心配しないで、大丈夫なはずよ」 「いや、はずって……しゃちょお~」 ハンドルを握りながら、私は思わず情けない声を上げていた。 ただでさえ初めて走る道なうえ、さ
もっと読む幼なじみ
プロローグ 美波がいけないんだ。 そう思いながら俊は突っ立ったまま動かない、いや、動けなくなった美波を見ていた。 これからしなくちゃならないことを考えると身体がすこし震えた。 「服、脱がすよ」 俊がそう言うと美波
もっと読むかけられて
きゃっ・・・なにこれ。身体が動かない・・・ ダメだよ、和也。そんなことしちゃ・・・やだ・・・やだったら・・・ あっ・・・眼がコワイよぉ・・・ ダメ・・・あたしおっぱいが感じるの・・・ブラの上からでも・・・ダメだっ
もっと読むあに、いもうと あに、いもうと……
東京から離れた、ある田舎町にふたりの兄妹が住んでいた。兄は犬坂宗太(いぬさか そうた)、妹は犬坂玲子(いぬさか れいこ)という名だった。犬坂の家は裕福ではなかったし、代々、里の人間からも疎まれていた家だった。 ふたり
もっと読む犬坂長者の物語 後日談
後日談 全嶽の一件があってからというもの、犬坂の家では災厄続きであった。 まず、犬坂家の生命線とも言える泉の水が完全に涸れてしまった。 そして、あの年以来、田畑は凶作続きで、犬坂の家運は急速に傾いていった。 犬坂
もっと読む犬坂長者の物語 本編
本編 昔、とある山里に、犬坂長者と上杉長者という、ふたりの大金持ちが住んでおった。犬坂長者も上杉長者も、広大な田畑を持ち、多くの使用人を抱えて、「西の犬坂、東の上杉」と呼ばれて、それはそれは羽振りが良かった。 特に、
もっと読むかくれんぼ
「りゅーたクン、みぃつけた!」 頭上から降ってくるように、聞き慣れた、透明感のある声が聞こえた。植え込みの陰にしゃがんでいた龍太が見上げると、律子の顔が龍太の方を覗きこんでいた。 「みぃつかった」 龍太がそう答えると
もっと読むにった~せぶん 伏せ目
伏せ目 「ナナコちゃん、こんにちは」 カウンターで迎えてくれる笑顔。以前とは少しだけ違う暖かな笑顔。小さな事だけどそれだけでも幸せな気分。 「谷崎さん、こんにちは♪…あの、今日も終わるの待ってても良いですか?」 あ、
もっと読むにった~せぶん 裏編み
裏編み 「…ナコちゃん、ナナコちゃん」 優しい声…体が小さく揺れてる。なんだろう? 「ん…」 ゆっくりと目を開ける。ここは…図書館の閲覧室?確か今日は本の返却日で、それから…。 「あ、起きた?おはよう、ナナコちゃん」
もっと読むにった~せぶん 表編み
表編み ピピピ、ピピピ、ピピピ…。 (ん…、目覚まし、止めなきゃ…) ピ…。布団の中から伸ばした私の手が目覚まし時計に触れると音が止まった。もうちょっと布団の中にいたいけど頑張って体を起こす。天井に向かってぐ~っと体
もっと読むにった~せぶん 作り目
作り目 「ねぇねぇ~、キヨノぉ。今日って、ばいとの日?」 「そうだけど、何?ミノルってばタカリに来るつもり?」 「ちがうよぉ!ちゃんと、おきゃくさんだもん。あのねぇ、太一といっしょに行きたいのぉ♪」 「申し訳ありませんが
もっと読む五色髪 姉編
姉 編 私、広幡瑠美子が藤宮淑恵にちょっと意地悪く言ってやったのは、金曜のお昼休み、社食でのことです。 「あ~ら、藤宮さん、金曜の夜に予定がないなんて、寂しくない? 貴方、美人なのに一人ぼっちだなんて、やっぱり性格が暗
もっと読む五色髪 妹編
妹 編 おっ、今、目があった・・・? あ、すぐ逸らされちゃった。 更紗はまるで拒絶するみたいに首を振って、教科書につっ伏しちゃう。 駄目か・・・、絶望的。 僕もうなだれるように机につっ伏して、大きなため息をつい
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