― 幕間 ― さて、これからどうしようか。 かわやちゃんとここ、駅の男子トイレで別れて会社に向かおう、とも考えたが、今更出勤しても遅い時間だし、上司からお怒りの電話が携帯に飛んでこないところを見ると、思った通り『免罪
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洗脳魔法少女ヒプノちゃん 第159話
第159話「悲しみよこんにちは」 「すみませんっ、ほんっとーにすみません!」 両手を床につけんばかりの勢いで平謝りする俺。 「まあ…、色々とご事情があるのはわかりますけど…」 見るからに俺を困ったような表情で見ている
もっと読む免罪符 接触編
― 接触編 ― 「はぁ…、疲れたなぁ…。ったく、こんな毎日毎日遅くまで残業させなくてもよぉ、あの課長め…」 俺はぶつくさ呟きながら、家路を急いでいた。 夜もかなりふけて、転々と光る街灯と住宅から漏れる明かり以外は闇に
もっと読む洗脳魔法少女ヒプノちゃん 第28話
第28話「時事ネタはすぐ風化するぞ」(R指定) 「おい、御子柴、御子柴」 プールの淵から、コーチが私を呼ぶ声がする。天井を向いて背泳ぎで泳いでいた私は、水中から体を起こし、顔を上げ、かけていたゴーグルを上にずらして、コ
もっと読むシルバーナイトの帰還
「シルバーナイト様…っ! ぐうっ…!」 目の前にいた味方の兵士の体が、力なく崩れ落ちる。彼を倒したのは、敵軍の槍兵であった。 味方の兵士を救えなかったシルバーナイトの瞳に、怒りの炎が燃える。邪悪なるダークキングに仕え
もっと読む戦国くノ一 胡蝶伝
時は戦国、乱世の時代。 幕府による太平の世は既に過去のものとなり、身分の貴賎に関わりなく、力ある者が力無き者を打ち倒しのし上がって行く、そのような時代。 馬渕国(まぶちのくに)の豪族である黒田龍禅は、その強大なる兵
もっと読むすべて、未来のために -2-
- 2 - …ちゅんちゅんと鳥の鳴き声が聞こえてくる。 暗闇の中から僕の意識が段々と浮かび上がってきて、僕は目を覚ました。 目に映るのは、見慣れた僕の部屋の天井。背中にはベッドの感触。 「なんだ…、夢だったのか…」
もっと読むすべて、未来のために -1-
- 1 - 人生山あり谷あり。生きていれば、いくつものピンチもあると思う。 しかし、いくらなんでもこんなピンチはないだろう。 夜の公園。この時間、元々人通りはあまりない。助けを求めようと叫んでも、おそらく誰も来ない
もっと読むLa Hache 後編
後編 「どういう…ことだ?」 ぴくりとガラドリエルの眉が吊り上がるが、フランツは頭を下げたまま動かない。 早朝のひんやりとした空気の中、沈黙が部屋を覆う。 そんな中、のそりと身を起こした者がいた。エファリスだ。 「
もっと読むLa Hache 中編
中編 こんな様子のエファリスを、ガラドリエルはいまだかつて見た事がなかった。 一心不乱にフランツの唇を求め、黒い髪も大きな胸も振り乱して男の体に裸身を擦り寄せる、媚びた『女』としてのエファリスを。有能な副官としての彼
もっと読むLa Hache 前編
前編 アルノー砦は、日が高いにも関わらず暗い雰囲気に包まれていた。 鎧で身を固めた見張りの者も、傷ついた肉体を包帯で覆っている者も、防具や武器についた血や泥をぬぐっている者も、一様に敗北のあまりの重さに頭を押さえつけ
もっと読むRun up Love! Run up Love!
「やっぱり、お金持ちは違う…」 今は誰もいない『お姉さま』の部屋をきょろきょろと物珍しそうに見渡しながら、私は思わずつぶやいた。 大きさはうちのリビングよりも広く、敷き詰められた絨毯は柔らかく、調度品はどれも格式高く
もっと読む洗脳魔法少女ヒプノちゃん 第46話
第46話「お尻まで愛して」 情事の後の火照った体を冷ますように、俺たちはベッドの中でまどろんでいた。横では、薄い布団に身を包んだショートカットの彼女、亜季が目を閉じて横になっている。地肌に直に接している布の稜線は、亜季
もっと読む洗脳魔法少女ヒプノちゃん クリスマススペシャル
クリスマススペシャル 「ママがサンタとキスをした」 「ほら、急いで急いで」 あまり息子には言いたくない言葉だが、つい口を突いて出てしまう。何しろ時間がないのだ。 私も少々急ぐようにして、ローヒールの靴に足を押し込んだ
もっと読む洗脳魔法少女ヒプノちゃん 第21話
第21話「ペットのいる生活」 「いいなぁ…、かわいいなぁ…」 僕はペットショップのガラスに顔と手を押しつけるようにして、店の中の様子を外から眺めていた。 ガラス越しに見えるのは、ドッグケージの中にいる色々な種類のかわ
もっと読む清昴女学院物語 三“射”面談(後編)
三“射”面談(後編) 「…じゃあ、後始末はこのはがしておきますね」 「いいのよ、別に。うちの母がしたことなのですから…」 「これも美化委員の仕事ですから☆」 「そう…、ならこのはちゃん、お願いね」 「はいっ」 放心状態
もっと読む清昴女学院物語 三“射”面談(前編)
三“射”面談(前編) 「ねえ、お母さん」 食後の洗い物の手を止めて振り返ると、娘の理恵子が何かのプリントと、見慣れないデジタルカメラを手にして立っていた。 風呂上がりの理恵子は、既に寝間着に着替えていた。娘の通う清昴
もっと読む洗脳魔法少女ヒプノちゃん 第24話
第24話「灰かぶりの憂鬱」 「まったく、なにをやってるんだい!」 「ああっ!」 少し年を召した女性に蹴りつけられた少女が、床に倒れ伏しました。 その蹴りつけた女性の横では、少女よりも少し年上の女性が、にやにやとその様
もっと読む洗脳魔法少女ヒプノちゃん 第12話(欠番)
第12話(欠番) 「あーあ、来るんじゃなかったなぁ…」 公園のベンチに腰掛けて俺は、一人ため息をついた。 土曜の午後。家で孤独に受験勉強するにも飽き、かといって知人を誘ってどこかへ行く気にもなれず、そもそも誘いに応じ
もっと読む注文の多い喫茶店
不意のどしゃ降りの雨の中、大都会の路地裏にあるビルの入り口に、一組の男女のカップルが駆け込んできました。手にしたハンドバッグやハンカチで雨を遮ろうとしたものの、髪や服はすっかり濡れてしまい、特に彼女は下着が透けて見える
もっと読むコウソク
はじめまして! 私の名前は西本恵美。私立清昴女学院の2年生です。 今日は私の一日を紹介します。でも本当に平凡な一日だから、退屈だったらごめんなさいね。 私の通う清昴女学院は、歴史と伝統に彩られた品行方正才色兼備を
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