第5話 ニャルフェスの戦い(1) なくなって始めて気づくもの。 それって一体何があるだろう? たとえば雑踏の音。 たとえばいつも行ってる公園の大きな木。 たとえばいつも吹いてた風。 たとえばいつも行ってた駄菓
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ニャルフェス 第4話 ニャルフェスの謎(後編完)
第4話 ニャルフェスの謎(後編完) たえまなく、すぎてゆくもの。 けしてとどまることはない、もとにもどることもない。 ただひたすらすぎてゆくのみ。 ゆったりと、かくじつに。 うたかたに、おぼろに。 ゆめのごと
もっと読むおやぢ 増殖 7日目(後編)
増殖- 7日目(後編) - そのときだった。 「おやぁ? 薊お嬢様、一体いかがなされたのでございますです?」 声が聞こえた。 誰なのか顔を見ずともすぐにわかる。 燕が今一番会いたくない相手なら、この男は一生会いた
もっと読むおやぢ 増殖 7日目(前編)
増殖- 7日目(前編) - 「ちょっと、美理ってば。あたしの話、聞いてんの?」 綺麗な顔を思いっきりしかめてそういったのは、鈴原彩(すずはら あや)。 陽春女学園の二年生である。 「きいてるよ~。……なんとなくだけど
もっと読むおやぢ 増殖 2日目
増殖- 2日目 - バシィィィッ!!! 「ヒャウゥゥゥゥゥッッ!!!」 空気を切り裂くような音が部屋に響き、少女の悲鳴がそれに続く。 「さあ、もっと鳴きなさい。あなたの声をもっとよくきかせるのよ!」 美女が振り下ろ
もっと読むニャルフェス 第4話 ニャルフェスの謎(後編2)
第四話 ニャルフェスの謎(後編2) 『花梨の場合』 「ボク、まけないもん!」 花梨が薄めの胸を張って、元気良く言った。 目の前では、カラスが三羽カアカアいっている。 そのカラスはいっつもかびたの周りに出没してた。
もっと読むニャルフェス 第4話 ニャルフェスの謎(後編1)
第四話 ニャルフェスの謎(後編1) 『由利亜の場合+おまけ』 由利亜はその日学校を休んでいた。 理由は誕生パーティを開くためである。 もっともそんなものは表向きのうたい文句に過ぎない。 パーティの参加者たちは、当
もっと読むイルス物語 1章 (3)
- 3 - 確かに戦闘は終結した。 でも、こんな終結の仕方を望んだものがいたかどうかはなはだ疑わしい。 その日のことを人生の中における最大の汚点として、永久に記憶の中から抹消してしまいたい。 たぶんこの戦闘に参加
もっと読むニャルフェス 第4話 ニャルフェスの謎(中編)
第四話 ニャルフェスの謎(中編) 『玲子の場合』 “なにをいっているのだろう? このひからびた老人は?” 氷川玲子は、美しい瞳をわずかに曇らせた。 両親……いや氷川家の推し進めてきた縁談を断った結果がこれである。 「
もっと読むイルス物語 1章 出会い(1)(2)
1章 出会い(あるいは腐れ縁の始まり) - 1 - セネガルド大陸中西部。 そこにハーン神聖王国はあった。 太陽神レゼをまつる国である。 この国の王は神官王と呼ばれ、政治と宗教が密接に関わっている国である。
もっと読むおやぢ 増殖 1日目
増殖- 1日目 - ゆっくりとその女性が振り向いた。 すっきりとしたショートカットが印象的な、美しい女性。 30台という年齢を感じさせないような張りが、その女性にはあった。 「いいですこと? ここは本来ならあなたの
もっと読むニャルフェス 第4話 ニャルフェスの謎(前編)
第四話 ニャルフェスの謎(前編) 『かびたの場合』 「う~ん」 かびたが思いっきり背伸びをする。 すがすがしい朝だった。 いつもだったら、押しつぶされそうな悪夢に起こされてるのだけど。 でも、今朝は実にさわやかに
もっと読むおやぢ 侵食
侵食 「おねぇちゃん? ねぇ、おねぇちゃんってば!」 美しい女性が言った。 「…………」 返事がない。 「おねぇちゃん、だいじょうぶ? おねぇちゃん!」 今度は目の前の少女に手をかけて、揺り動かしながら叫ぶようにい
もっと読むおやぢ 変態
変態 伊集院舞香の様子がおかしい。 相良葉子(さがらようこ)は不信をもってその行動をさぐっていた。 31才という若さで外科病棟の婦長を務める優秀な看護婦。 でもそれだけではない。 葉子の真価は、患者に対するあふ
もっと読むおやぢ 忠犬
忠犬 薄暗い家畜小屋のような部屋。 それが、彼の生息する場所だった。 あと何年かすれば、彼が生まれてから半世紀が過ぎたことになる。 普通の人間には、この部屋の様子は想像がつかないだろう……というか、想像したくない
もっと読むニャルフェス 第3話 ニャルフェスの誤算(了)
第三話 ニャルフェスの誤算(了) 「なにごとかニャ、これは?」 お散歩から帰って来たニャルフェスが、部屋の中を見て言った第一声がそれだった。 6畳しかない小さな部屋の中には、7人もの男女が全裸でからみあっている。 「
もっと読むニャルフェス 第3話 ニャルフェスの誤算(5)
第三話 ニャルフェスの誤算(5) にちゃっ。 ぬちゃっ。 ぬぷっ。 粘液質の音が辺りにひびいている。 ギシッ。 ギイッ。 ギシッ。 硬質のものがきしむ音と一緒に。 「うんっ、あん、あんっ」 「かわいいこ…
もっと読むニャルフェス 第3話 ニャルフェスの誤算(4)
第三話 ニャルフェスの誤算(4) 少女には夢があった。 ささやかな夢。だけど少女にとって大切な夢。 あの人への想い。 やさしい人。だけどつよい人。 どんなカも、その人のやさしさを失なわせることはできなかった。
もっと読むニャルフェス 第3話 ニャルフェスの誤算(3)
第三話 ニャルフェスの誤算(3) かびたは、まいっていた。 ほんとに、まいっていた。 つくづく、まいっていた。 とことん、まいっていた。 いくら表現を変えてみても、まいっていることは全然変わらなかった。 注目
もっと読むニャルフェス 第3話 ニャルフェスの誤算(2)
第三話 ニャルフェスの誤算(2) そこは、砂漠のど真ん中だった。 すでに日が落ちて久しく辺りは凍てつく寒さに包まれている。 天頂には月が輝き、砂漠を青白く染め上げていた。 人気がない……というより、生命の気配が存
もっと読むニャルフェス 第3話 ニャルフェスの誤算(1)
第三話 ニャルフェスの誤算(1) 「今日は課題を与えるニャ」 唐突にニャルフェスが言った。 「えっ?」 かびたが視線を上げると、ニャルフェスが手帳のようなものを手にしている。 「えっ、えっ? なんなの?」 かびたは
もっと読むコレクション 前編
前編 - 0 - そこは一切の光がささない場所だった。 一人の男が部屋の中に姿を表すまでは。 その男は年老いていた。 老いさらばえた両足は、すでに自分の体重を支えることもかなわない。その代わりにクッションの敷き詰
もっと読む外仙 章之弐「虎口」 2
章 之 弐 「虎口」 2 母がみつづけた夢があった。 つらい修行の後、妖げつとの死闘を乗り切ったとき、仙道どものはりめぐらした方陣うちやぶったとき。 母が語った夢。 あの方に”囲”われること……。 それはさちの
もっと読む外仙 章之弐「虎口」 1
章 之 弐 「虎口」 1 天翔静理(あまかけしずり)はいらついていた。 なにもかも、思いどおりにいかない。そんな想いが、最近は常につきまとっている。 彼女の人生は、常に順風を受け続けてきた。 上級公務員試験に上位
もっと読む外仙 章之壱「囲」 2
章 之 壱 「囲」 2 そこは、広い部屋だった。 床には、美しい模様が織り込まれた絨毯が敷き詰められている。 奥の方に大きな机が置いてある他は、調度品らしいものは見当たらない。 二人の婦警さんは、阿斗にあやつられ
もっと読むニャルフェス 第2話 ニャルフェスと復讐
第2話 ニャルフェスと復讐 かびたは平穏な一日を満喫していた。 なんか、ここ三日間心休まる暇がなかった。 性奴とかになってしまったさやかが、あたり構わずかびたにひっついてきて、 「淫らしいことを、ご命令してください
もっと読む外仙 章之壱「囲」 1
章 之 壱 「囲」 1 ひどくうらびれた感じのする男。 響阿斗を一言で表現すれば、そんな感じだろう。 背広は皺だらけであちこち擦り切れていたし、ネクタイは日にやけて変色していた。 顔立ち自体は悪くない……っていう
もっと読むイルス物語 序章 女神隷従?
序章 女神隷従? まったく一点の曇りのない空にむけてまるで雲の変わりに、とでもいうように真っ白な斜面が続いている。 つもった雪はそれほど深くはなく所々岩が顔をだしていたし、点々と生えている木々の様子からも見てとれた
もっと読むニャルフェス 第1話 ニャルフェス降臨
第一話 ニャルフェス降臨 華美かびたは朝から思いっきし暗かった。 梅雨の明けた空はめいっぱい澄み渡り、これ以上ないっていうくらい世界は輝いているのに、なんだかかびたの回りだけどんよりと暗かった。 「はひっ~~」 気
もっと読む外仙 章之序「人形」
章 之 序 「人 形」 ついに見つけることが出来た。 殺戒を明けてから、ずっと探しつづけてきた人間を。 3千年かけて造り上げた宝貝(パオペエ)“光輝班”。それを埋め込むための人形を。 いくつか条件があった。まず、
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