《ROOM#2》 【処】 【女】 1つずつ表示されていく文字。 【告】 【白】 HNA 「わーい!」 ill「そんなことに4文字も使うか。だがその心意気や良し!」 次々と表示される全員の承認。 いまいち意味が分か
もっと読む「肉体操作」
ドリームチャット ROOM#01
《ROOM#1》 『時給5000イェン。リラックスした雰囲気でできる簡単な仕事です』 簡単な仕事にしては報酬が高すぎる。おいしい話には罠がある。私だってそれくらいは知っていた。 それでも、私にはお金が必要だった。親の
もっと読むTomorrow is another 第九話 記憶
第九話 記憶 ――雪美ちゃんが欲しいんなら、いらなくなるまでやるよ。 確かにそう言った。 言ったのだが―― 「ちゅっ、ちゅちゅっ、れるっ、むちゅっ、にゅちゅっ、うむっ、むうっ」 いつになったらいらなくなるのだろう
もっと読むTomorrow is another 第八話 人形
第八話 人形 眩しい。 照明の光に覚醒をうながされた俺は、まだまだ眠り足りないがこれから眠る気にもなれない、という中途半端な目覚め方をした。 なんだか眠った気がしない。疲れも身体に残っており、全身を蝕むだるさに身体
もっと読むTomorrow is another 第七話 偽愛
第七話 偽愛 「ぐはっ!」 地面に飛びこんだ衝撃に、肺の中の空気が無理矢理押し出される感覚。 腕は痛む。だが、それだけだ。動けなくなるほどの怪我、悲鳴をあげたくなるような激痛、そんなものは何もなかった。 運がいい!
もっと読むTomorrow is another 第六話 朝日
第六話 朝日 誰かが部屋をノックする音で、俺は眠りから覚醒させられた。 「う……」 顔を顰めなから上半身を起こす。カーテンが朝日を遮っており、室内全体は薄暗い。乱暴に頭をがしがしと掻いて、しばらくそのままの姿勢でぼー
もっと読むTommorow is another -人物紹介-
人物紹介 山崎 拓真(やまざき たくま) 主人公。桜ノ宮校生。 173センチ 短髪。運動神経良し。人相やや悪し。成績中の中。 髪型には頓着せず、床屋に行って2ヶ月もすればボサボサになっている。 趣味はスポーツ
もっと読むTomorrow is another 第五話 観点
第五話 観点 「ん……」 目蓋を開き、その行為によって、自分が眠っていたことを知る。 見覚えのある風景に、自分のいる場所が、保健室のベッドの上だということをすぐに察した。 白いカーテンの眩しさに目を細めながらも、ど
もっと読むTomorrow is another 第四話 編入
第四話 編入 タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ―― 「ふっふっ、はっはっ、ふっふっ、はっはっ――」 早朝の街路に響くのは、雀の鳴き声と、新聞配達中であろうのカブの排気音と、俺の足音と呼吸音。 あと、た
もっと読むTomorrow is another 第三話 入館
第三話 入館 意識が浮上していく感覚。 まだ目覚ましも鳴る前の時間。瞼も閉じているにも関わらず、意識がはっきりと覚醒していくのが手に取るようにわかった。 昨日は色々あって、結局布団に入ったのは日付変更してからだ。そ
もっと読むTomorrow is another 第二話 傷跡
第二話 傷跡 ――チャラ ポケットから、金属プレートのキーホルダー付きの鍵を取り出し、家の鍵を開けた。 ドアを開き、玄関に入ると同時にドアが閉まる。 「……ん?」 背後に誰もいないことを不思議に思いドアを開けると
もっと読むTomorrow is another 第一話 風景
第一話 風景 「くあ……」 大きな欠伸を一つ。 どうにも、俺は朝の電車に弱い。人のざわめきと、一定のリズムで揺れる車内と、ガタンゴトンと耳朶を打つ響きが、熟睡へと誘っているとしか考えられない。 「くすくす……」 隣
もっと読む腐葉土
そろそろ意識が無くなってきた。 もうすぐこの腐った世の中にもおさらば出来るんだ。 痛みや恐怖はもう感じない。 ただあるのは脱力感だけ。 ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!ドッ! 心臓が脈打つ度に僕の左腕から鮮
もっと読む優等生からの転落 明日香篇
明日香篇 私は放課後の教室でひとり勉強をしていた。もうすぐテストがある。別にテストは難しくないけど、私の視線は目の前のテストよりも1年後の大学受験にあった。今のうちからどんな難解な内容も解けるようになっていた方が後で楽
もっと読む優等生からの転落 和也篇
和也篇 俺は和也、高*2年生、大して面白い高*生活は送っていない。もてるわけじゃないから彼女もいない。一応は地域で一番の進学校に通っているものの、まぐれで入ったようなものだし、成績にしても留年するかしないかのところをさ
もっと読む人に優しく
「あんなやつらには当然の報いだよ」 みんなで僕をいじめた。みんな笑ってた。誰も助けてくれなかった。 「僕は汚いかい?臭いかい?」 汚いのはあいつらだ!臭いのはあいつらだ! 「見知らぬ街に引っ越して来て慣れない環境での
もっと読むマリオネット 後編
後編 「うえっ………ぐすっ………」 俺の部屋に響き渡る幼い泣き声。 「あか……茜……ちゃん………」 俺のベッドに横たわり、もはや動かなくなった茜の身体にすがり付いて泣く、葵の声。 「いやだぁ………いやだぁ…っ」 そ
もっと読むマリオネット 前編
前編 ごうごう ごうごうと――― 吹き荒れる、その風自身すら凍らせるような北風が、山の斜面を滑り降りる。 ざわざわ ざわざわと――― その場にそびえる杉の木々が、その風から身を守るように、お互いの幹を寄せ合い
もっと読むマリオネット 第9話
第9話 「あ~…だり~」 カリカリという、ノートにペンを走らせる音が教室に響く。 期末テストも近づくこの時期、誰もがいつ、教師の口からテストのポイントが告げられるかもわからないと、聞き漏らしの無いようにと必死に授業に
もっと読むマリオネット 第8話
第8話 マンションの見慣れたドアノブに、鍵を差込みひねる。 カチャリ、と言う音が響き、鍵が外れた。 俺は鍵をポケットにしまうと、抱きかかえていた葵を持ち直しドアノブをひねる。 葵は、すでにその身体に合わなくなって
もっと読むマリオネット 第7話
第7話 砕かれた葵の青いベールが、まるでダイヤモンドダストのように宙を舞う。 それは、光りを撒き散らす、青い輝きの透き通ったスクリーンとなった。 俺の目の前に広がる、幻想的な青い光のスクリーン、それは儚さをまとい、
もっと読むマリオネット 第6話
第6話 痛みを感じる。 本当は存在するのに空虚のような。 空虚なのに確実に存在するような。 そんな痛み。 へし折られた指からの痛みでも、生爪を剥がされた指先からくる痛みでもない。 この全身で感じているそれは―
もっと読むマリオネット 第5話
第5話 茜の全身から、冷や汗が流れているのがわかる。 ソファーに縛り付けられた滑らかな裸体が、細かく震えている。 今の今まで、官能の渦に溺れかかり、赤く火照っていたその身体は、まるでその事を忘れてしまったように青ざ
もっと読むマリオネット 第4話
第4話 額から電気が走ったような、そんな感覚が俺を襲う。 それは、身体の末端神経まで到達し、ほんの一瞬、全身を硬直させる。 俺は身体をよろけさせ、後ろの窓のサッシにもたれかかった。 そうか、糸を打ち込まれた瞬間っ
もっと読むマリオネット 第3話
第3話 朝日が、細いカーテンの隙間から差込んでくる。 闇を払拭する、爽快な太陽光を浴びると、それまでのすべての事がリセットされ、昨日までとはちがう、また新たな事が起こりそうな、そんな気がする。 鳥の声が聞こえる。
もっと読むマリオネット 第2話
第2話 冬の空――― 頭上に宿る星々が、すべての季節の中で一番華やかに天空を彩る時。 冬の澄み切った空気が、その輝きを躍らせている。 月――――― 冬の透明な風の中、青白く輝くそれは、天に留まる巨大な氷のように
もっと読むマリオネット 第1話
第1話 月明かりに照らされる立ち昇る白煙。 漂うオイルの匂い。 木に留まる猛禽類が、興味深そうにその事態を眺める。 男のうなり声がした。 男はアスファルトに貼りついた顔を懸命に持ち上げる。 運転席から身体半分
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