第11話 ≪報告書 ヒグチ・ウイルスMC-A群について (その6)≫ XI.ヒグチ・ウイルスMC-A群生成、感染拡大の「犯人グループ」 2008年6月11日未明から同日夕刻にかけて、「リヴァイアサン」と名乗る組織の主要
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ビールス・パニック 第10話
第10話 個人タクシーの運転手、久保良雄が手を上げている男の子を見つけて停車したのは、JR立川駅北口にある、カプセルホテルの前。早朝、まだ辺りが薄暗い時間帯のことだった。 「奥多摩の雲取山の方向に向かって、5,000円
もっと読むビールス・パニック 第9話
第9話 パンッ。 「あいてっ、・・・あ・・。」 北峰巡査長は、ブースで葉書に書き込みをしている途中で後頭部をはたかれた。 振り返ると、芹沢警部補が立っている。 「パニック情報の洪水で、忙殺されてるはずじゃないのか?
もっと読むビールス・パニック 第8話
第8話 八木原潤也は何かしようと中腰になりながらも、どう対応していいのかわからなくて、うろたえるばかりだった。 「真弓ちゃん、そんなに・・・、そんなに何度も出来ないよ。どうしちゃったの?」 真弓は裸のまま、絨毯の上で
もっと読むビールス・パニック 第7話
第7話 ≪報告書 ヒグチ・ウイルスMC-A群について (その4)≫ IX. ヒグチ・ウイルス生成者と目される人物について V章で記述した、樋口感染症予防センター所長、樋口耕蔵(医学博士)は、1941年10月21日に福岡
もっと読むビールス・パニック 第6話
第6話 「ハッ、ハッ、ハッ、」 四つん這いになった真弓が、舌を突き出して熱い息を吐く。 「お手。」 「ワフッ。」 ほとんど同時に、潤也の差し出した左手に、動物の前足のように丸めた右手を置く。 瑞々しい裸身を潤也の前
もっと読むビールス・パニック 第5話
第5話 グリコの広告のランナーのように、両手を高々と掲げて、部屋から出てきた大樹。 しかし彼はすぐに、リビングの重苦しい空気に気がついて、少し歓喜の気持ちを押し殺した。 「おう、どうしたんだよ。うわっ、今林エロッ!・
もっと読むビールス・パニック 第4話
第4話 柿本ミチルは焦っていた。 今日は婦長の須永が、用事があって大学病院を訪問しているとのこと、シフトのメンバーの中では、自分が最もベテラン看護婦なのだから、自分が目を光らせて、後輩たちのミスの芽を摘まなければいけ
もっと読むビールス・パニック 第3話
第3話 「はいー、支倉です。八木原君?」 寝ていたのだろうか? 真弓の、昼よりもさらにボンヤリした声を聞いて、潤也は不安に思った。 「あ、支倉。ゴメン、寝てた?」 「うんん、大丈夫―。あ、でも、ちょっと寝そうだったか
もっと読むビールス・パニック 第2話
第2話 報告書 ヒグチ・ウイルスMC-A群について (その2) VI.「急性過剰依存」という症状についての仮説 一般的な流感ウイルスに対しても、脳が発熱による抵抗を行う場合には感染者が意識の混濁、全身倦怠感といった症状
もっと読むビールス・パニック 第1話
第1話 報告書 ヒグチ・ウイルスMC-A群について (その1) 以下に、2008年6月18日に日本で最初に感染が公式確認されたヒグチ・ウイルスの諸群(通称「ドジッ娘ビールス」)、およびそこから世界各地に波及し、現在も進
もっと読む五色髪 姉編
姉 編 私、広幡瑠美子が藤宮淑恵にちょっと意地悪く言ってやったのは、金曜のお昼休み、社食でのことです。 「あ~ら、藤宮さん、金曜の夜に予定がないなんて、寂しくない? 貴方、美人なのに一人ぼっちだなんて、やっぱり性格が暗
もっと読む五色髪 妹編
妹 編 おっ、今、目があった・・・? あ、すぐ逸らされちゃった。 更紗はまるで拒絶するみたいに首を振って、教科書につっ伏しちゃう。 駄目か・・・、絶望的。 僕もうなだれるように机につっ伏して、大きなため息をつい
もっと読むガールハント 2008
「ちぇっ。なんか今日は、やっぱり、瘴気が濃いような気がすんだよなー・・・」 伊川隆仁がボヤく。駅前の大通りで唐突に立ち止まった彼に対して、後ろを歩いていたサラリーマンは、小さく舌打ちをして彼を追い越していく。 寒空の
もっと読む神様のアドレス帳 後編
後編 (思った以上の効果だ。これは・・・、いよいよ本当に、神様のアドレス帳なんじゃないか?) 今朝から徐々にメールの効果を確かめてはいるつもりでも、生駒さんは中條課長の変貌振りにはひっくり返ってしまった。 今、生駒さ
もっと読む神様のアドレス帳 前編
前編 生駒課長補佐はここ数ヶ月、悩みを抱えていた。 職場に馴染めない。新しい環境に適応出来ない。 それは社会人にとって決して珍しい悩みではない。むしろ、よくある悩みと言える。 しかしだからといって、生駒課長補佐の
もっと読む魔法使いの小冒険 第十三話
第13話 太陽の光に、鈍い反射を見せる、銀色の檻。 僕の学校が、裏山が、街全体が、天まで届く巨大な鳥篭の中に閉じこめられちゃってた。 鉄と鉄がこすれあうような、背筋が凍る音が聞こえる。 これは・・・、この鳥篭の鳴
もっと読む魔法使いの小冒険 第十二話
第12話 体育館でのミスコンが終わったら、みんな何事もなかったかのように教室へ戻っていくよ。 さっきのドールハウスで出した指示が効いていて、記憶どころか身体へのダメージとか疲労まで、全部消えちゃったんだね。 この魔
もっと読む魔法使いの小冒険 第十一話
第11話 さてさて、章花台学園高等部、ミスコンのお時間です。 僕のブースもきちんと出来たし、色んな魔法も組み合わされて、準備が出来たよ。 せっかく魔法使いが学校にいるんだから、つまらない朝礼なんてダラダラやってる場
もっと読む魔法使いの小冒険 第十話
第10話 ふぁ~、眠い。 横でアレコレ偉そうに喋ってるピンプルの声も、ちゃんと頭に入ってこないよ。 ピンプルが「新しい魔法の修行だ」とか言って朝早くからせきたてるもんだから、6時半に学校に着いちゃった・・・。そのま
もっと読む魔法使いの小冒険 第九話
第9話 「・・・ってなわけでな、一口にピンク魔法って言ったって、色んな体系があって、色んな魔術がある。 紋章魔法、護符魔法、回転盤みたいに道具を使った魔法・・・、それぞれに特徴があるわけだ。 当然「ノーティ・バブル」
もっと読む魔法使いの小冒険 第八話
第8話 「よし、小僧。今日修行するのは、昨日の魔法とちょっとつながりがあるやつだ。 これには道具を使うから、大事に扱えよ。ほら、試しに作ってきたんだぜ。」 昼休みの教室で、ピンプルが僕に突き出してきたのは、 なんか板の上
もっと読むThe Galactic Chasing
『ティナ、繰り返すよ。これ以上の追跡は危険。 流星群のうちのどれかにヒットしてグシャグシャになっちゃう。 腐れ縁の旧型プラネット・ホッパーも今日でスクラップだってば!』 「うるさいっ。ダニーボーイは突入傾斜角の計算に
もっと読む魔法使いの小冒険 第七話
第7話 ピンプルが、教室の僕のもとに戻ってきたのは6時間目がやっと終わったところのこと。僕はせっかく魔法使いになってるっていうのに、1日フルに学校の授業を受けちゃって、クタクタになってたんだ。本当だったら、ノーティー・
もっと読む魔法使いの小冒険 第六話
第6話 ハケが頭に命中しちゃって失神しちゃった僕が、意識を回復したのは、15分ぐらい立ってからのこと。僕を心配そうに見ていたのは、ちゃんと服を着た、里美ちゃんだったんだ。ここはモールからすぐの、街の目抜き通りのベンチ。
もっと読むジェリー・フィッシュの事件簿もしくはボヤキ 第1話
第1話 「テレパス」 こないだ俺が相手にした奴はまあ厄介な奴だった。労多くして得るモノがあんまりない。あんな仕事ばっかりだったら俺だって転職を考えるんだがな。厄介って言っても、結果から言うと大して危険な仕事じゃなかった
もっと読むジェリー・フィッシュの事件簿もしくはボヤキ プロローグ
プロローグ 例えばここに、手の込んだ帆船の模型があると思ってくれ。暇な金持ちのキャビネットなんかにあるだろ?瓶の中にはいった、えらく手の込んだやつだ。こいつをめちゃめちゃにぶっ壊すのは簡単だ。床に落としてやればいいだけ
もっと読むBe My Baby
「せんせい、おはよーございます。」 「はい、麻実ちゃん、おはようございます。」 にっこりほほえんで、麻実ちゃんに朝のあいさつをしているやさしそうなお姉さんは、よしずみみどり先生です。仲良しほいくえんの、チューリップぐみ
もっと読む魔法使いの小冒険 第五話
第5話 さあ、美人デパートガールさんたちにとことんいたずらしちゃおう!案内嬢のおねーさんをトイレに残して、僕はエレベーターに向かったんだ。だって、デパートのおねーさんと言ったら、まず思いつくのがエレベーターガールだった
もっと読む魔法使いの小冒険 第四話
第4話 僕は今、食卓でテレビを見ているんだ。でも、うーん、見てるって言うよりは、単に目で追ってるって感じだね。だってカウンターの向こうの台所では、里美ちゃんが手料理を作ってくれてるんだよ。気になって、テレビの内容なんか
もっと読む魔法使いの小冒険 第三話
第3話 さてさて、そんなこんなで見事に童貞を捨てることが出来た僕だったんだけど・・・どこまで話したんだっけ? あぁそうだ、まだその日の1時間目の終わりまでしか話してなかったんだね。とにかく色々あった日だったんで、全部は
もっと読む魔法使いの小冒険 第二話
第2話 さて、学校に着いてホームルーム(形式だけね)。その後、1限目の世界史が始まった。木沢っていうじいさんの授業はつまんないんで、何とかしようかと思ってる内に・・・菅井が遅刻して教室に入ってきたよ。遅刻なんてしたこと
もっと読む魔法使いの小冒険 第一話
第1話 えぇっと、はじめまして。こういうサイトがあるとは、ネットの世界は奥が深いですね(笑)。僕には、紹介するような漫画やゲームのネタはないんですが、実体験なら豊富にあるんで、紹介させて下さい。うーんと、話し出すとなか
もっと読む氷河期の微熱 ~氷壁の向こう側~
653。これまで株式会社・山瀬性交が行ってきた審査の数である。33。今までに当社が採用した、レディースタッフの数だ。就職活動中の学生は、企業がブランド大学を中心に採用しようとすると、ほとんどの場合、不満を募らせる。その
もっと読む氷河期の微熱
24。これまで、佐山美沙が受けた面接の数である。0。今までに美沙の取った内定の数だ。あまり履きなれない靴の中で、靴擦れしている左足に小さな痛みを感じながら、美沙はオフィス街から地下鉄の駅へと向かっていた。その歩き方は、ま
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