第五話 ■青山 ウシロ 夜も更けてきた時間帯、俺は駅裏にある、オフィスビルの1階に居ました。 もちろん、学生である俺がこのビルにいるのは理由があるんですが。このビルの4階に、でかい製薬会社の支社があるんですが、そこに
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危ないやつら 第四話
第四話 ■紅部早紀 紅部早紀はこのお嬢様学校のなかでも、異例の生徒会長だった。 今まで入学した全ての生徒が高い入学金を払って学園に入学したのに対し、彼女は創立以来初めてとなる奨学生として入学した生徒だった。 この学
もっと読むマインドクラック 第二幕
『第二幕 302号室、そして返される痛み』 ……未来が読めたらと今ほど思ったことはない。 ……なぜか? お前のようなクズが生まれるのを防げた。 俺がクズならあんたもクズだよ。親なんだからな。 ……出て行け。当面の
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51 「あんたバッカじゃないの? 自分が言ってることわかってる?」 絵実が呆れた声で言った。 あれから隼人も気を失うように眠ってしまい、夜が明けて目を覚ました由美の悲鳴が全員を起こしたのだった。あわてて隼人は由美に「
もっと読むマインドクラック 第一幕
『第一幕 1303号室』 鈍い音をさせてエレベーターが下がっていく。 目の前には女のうなじ。 女は減算される階数表示を何度も何度も見ている。 ほとんど面識のない男と二人きりの状況から早く逃げたいのだと挙動が告げて
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50 一陣の旋風のようだった。 気がついたときには「ドサッ」と音を立てて絵実が倒れていた。 蒲郡の夜から五日目。桑名市を通り過ぎて、なにもない田舎道を歩いているときのことだった。 保奈美の快感を送り込まれた亜実と
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49 「すごい一日だったなぁ・・・」 ふかふかのベッドに座って隼人は心底疲れたように言った。 蒲郡にあるテーマパークに併設されたホテルに三人はチェックインした。いや、チェックインという言葉は正確じゃない。フロントで亜
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48 「ほんっとムカつく!」 絵実は早足で歩きながらそう言った。 隼人はそのプリプリと動くヒップを後ろから眺めながらついて行く。 「絵実、そんなに急いだら結界が・・・」 亜実がそれを制すように言う。 「だって・・・
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45 「あれまあ、どうしたんだい?」 泥だらけの服を着ている隼人を見て饅頭屋のお婆さんが言った。 「あっ、境内で足を滑らせちゃって。ちょっと休ませてください」 総門を出てホッとした隼人は疲れを感じてそう言った。「サイ
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44 二日間歩き続けた。 毒気が抜けたというか、すべてを亜希子に注ぎ込んでしまったというか、街行く女に心を奪われることなく隼人は吉野を目指した。単に疲れて欲望が起きなかったと言えばそれまでだが。 その間、隼人は「サ
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41 新しいアイテムを手に入れたと頭の中の声が告げていた。 しかし、どのようなものかは教えてくれない。そのときになったらわかると言うのだ。 どんな能力か楽しみになった隼人は歩を早める。梨花がくれたリストの中にあった
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39 空腹に気づいた隼人は後悔した。 行き当たりばったりで美香と彩を抱いてしまい前後のことを考えていなかった。もう時刻は夕方に近い。今夜の宿を確保しなければならないし、食事もしなければならない。でも疲れのせいか「サイ
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38 嫌な場面に遭遇してしまった。 昨夜、麻衣と過ごした時間が楽しかっただけに隼人はうんざりした気分になった。 あれから意識が戻った麻衣は初体験のことや、梨花との複雑な関係について、いろいろと話してくれた。姉妹のプ
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37 不思議な体験だった。自分の能力をも含めて世の中には裏というか底知れぬものがあるのだと思った。貴重な体験だが夢のようにも感じる。隼人は黙々と歩き続けた。 島田市に着いたのは日が暮れてだった。昔は東海道の要所として
もっと読む危ないやつら 第三話
第三話 ■ ウシロ、千尋、宮子 ある夕方、小さな喫茶店で綾はお客さんのこない時間を同じウェイトレスと賑やかに話しながら過ごしていた。 「だ~か~ら、そんなだらしない格好しない。お客さんが来たらどうすんのよ」 「え~、こ
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36 翌朝早く隼人は杏奈の家を出た。そうしないと長居してしまいそうだった。頭の中の声も「急げ」と告げていた。それに、もっと女を抱かなければ修行にならないらしい。隼人は島田というところを目指した。なぜなら梨花が渡したメモ
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33 「ちょっと待ちな」 凄味を利かせた声が背後から聞こえた。 コンビニで飲み物を買って出てきた隼人に女が声をかけたのだ。 振り向いてみると自動ドアの脇でウンコ座りをしている。脱色した髪は根本が黒くプリン状態、いか
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31 「あなた、お母さんとなにしたのよ!」 キッチンで一緒に朝食の支度をしている隼人と服部早苗を見て奈緒が叫ぶように言った。 ひと目で濃厚な関係を結んだのがわかるほど二人が漂わせる雰囲気は親密なものだった。 いや、
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29 ひと休みした隼人は結花と奈緒を屋内まで運んだ。 庭に面するロビーに服部早苗がふたりの寝床を用意していた。 「どうぞ、湯浴みを」 服部早苗に言われて、汗と体液でベトベトになった身体に隼人は気づいた。 「驚きまし
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27 「どうして? あたしは嫌!」 学校から帰ってきた奈緒はそう叫んだ。 特徴のあるセーラー服姿でラクロスのラケットにバッグをぶら下げている。腰のところで巻き上げているのか、スカートはかなり短く膝上から15センチくら
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25 「あのさ、不思議に思うんだけど・・・」 「なにが?」 「僕が『サイ』をもっと別なことに使えば大変なことになると思うんだ」 「どういうこと?」 「たとえば、この場所。見ず知らずの人の部屋を使ってる。ちょっと探したら高
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23 「ただいま~。あら、お客さんなの?」 見慣れぬスニーカーを見つけたからか、玄関から若くて元気な声がした。 老婆の話を聞きはじめてから1時間ほどが経っていた。 「おかえり、結花。こっちへおいで」 「いらっしゃいま
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22 「行っちゃうんだね・・・」 荷物をまとめる隼人を見て南川琴音が言った。 「うん。琴音と一緒になるためには力を完全なものにしなきゃならない。そうしないとサイの一族として生きられないからね。琴音のために僕は行くんだ」
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19 隼人は服を着て南川琴音の傍らに座った。 目を覚ますのを見届けてから出ていくつもりだった。 もし目を覚まさなかったら雄大に助けを求めるしかない。それは旅の終わりを意味している。雄大と葉月の力を借りた時点で跡継ぎ
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17 品川には1時間とちょっとで着いた。 海の方の出口と南川琴音に聞いていたので港南口にまわる。 真新しいビルが建ち並ぶ無機質な街だった。 チェーン展開をしているコーヒーショップに入りエスプレッソを頼んだ。 席
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12 「梨花さん、ちょっと学校に用事があるから行ってくるけど、また戻ってくるから」 そう言い残して隼人はリカを出る。 長谷川恭子にショーツを返さなければならない。コレクションくらいの気持ちだったが、雄大の話を聞いてか
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11 「ここのコーヒーすごくおいしいんだ」 隼人は南川琴音にそう言った。 「泡立ってるね」 南川琴音はカップを覗き込んで言う。 「エスプレッソだよ。高圧で抽出するから濃いんだけど、慣れるとやめられない。イタリアでは食
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10 旅支度と言ってもたいしたものではない。着替えと日用品をバッグに入れればお終いだった。 雄大に別れの挨拶をして隼人は家を出た。でも、どうしたらいいのかわからなかった。空腹に気づき駅前にあるマクドナルドに入った。ビ
もっと読むサイの血族 2
7 「休学?」 「はい。父の手紙も持って来ました」 職員室の一角。長谷川恭子の机の前で隼人は手紙を差し出した。 「いつから?」 「今日からです。家庭の事情があって」 「ずいぶん急なのね。事情って・・・」 長谷川恭子は
もっと読むサイの血族 1
0 姉である葉月の焦点を結んでいない眼を見ながら隼人は脇の下に汗が流れるのを感じていた。 「うん、初めてにしては力は強そうだな」 隼人に手をかざしながら、父親の斎部雄大が満足そうに言う。 「ほ・・・ほんとに・・・」
もっと読む天使と悪魔 第二話
第02話 「ふっんっあっぁっ、どっ・・・おっ、いまっ、さとぉっ」 俺の上で必死に腰を動かしながら鈴木が尋ねてくる。ぎゅうぎゅうと締め付けてくる鈴木の中。そんなモン言うまでもない。言うまでもないが、ゾクゾクと駆け抜けてい
もっと読む天使との取引 3章
3章 初体験 翌日の昼、ようやく俺は起床した。昨日は2時過ぎまで談笑をし続けていたので、この寝坊はしかたないだろう。 でもびっくりだ。まさか志乃さんに中学生の娘がいるとは。今は友達の家でテスト合宿なるものをしてるらし
もっと読む天使との取引 2章
2章 下準備 「ただいま~」 玄関の扉を開けながらお決まりの言葉を言う。 「おかえりなさい」 ………なんだこの魅惑ボイスは? 玄関を確認。むっ、お客がいる。今日は土曜だしな。ということはこの声はお客さんのものか。
もっと読む天使との取引 1章
1章 実験 「さて人間、外に来たがどうするんだ」 天使は俺の後ろについてくる・・・・・・飛びながら。 「アナタの姿って・・・・・・」 「モチロン周りは認識できないさ、俺は優秀だからな」 アレ、じゃぁ俺周りから見たら独
もっと読む天使との取引 序章2
序章2 願い事 「ほう(`∀´)」 天使は黒い笑みを浮かべる。 「他人の中身をか。面白いな人間よ。」 ……なんだこの反応は(-“-;A なんかの地雷を踏んだのかっ!?とケンゴは焦るがそうではない。 純
もっと読むドアラっぽい何か 二話の3
二話の3 「これなんかどうかな?」 「あー、いいかもねー。ね、リナはどう思う?」 「そうだねぇ。はるちゃんのそれも良いけど、リナはこっちのほうがご主人様に似合うと思うの」 「リナー。それはないんじゃないかな?」 「そうか
もっと読む天使との取引 序章
序章 出会い 彼の名前は佐々木ケンゴ。様々な年代の人間が通う事で有名なある大学の2年生である。彼は話術に優れた頭の回るキレモノだった。そのおかげか彼には男女年齢問わず友人が多かった。 だが天は二物を与えない。 彼は
もっと読むドアラっぽいなにか 二話の2
二話の2 藤沢とやってから二日が過ぎた。その間、学校や渡辺んち、ラブホなど様々な所で三人の美少女達それぞれとセックスした。渡辺にフェラして貰ったり、三森にスパンキングしてみたり、藤沢に上に跨って貰ったり、そこらのリア充
もっと読むドアラっぽいなにか 二話の1
二話の1 「あ~」 ごろんとベッドの上で寝返りを打つ。朝からずっと付けっぱなしにしてあるテレビは誰と誰が結婚しただの離婚しただのと、くだらない話題で朝からずっと持ちきりだ。 学校はサボった。朝、美結の奴が襲撃してきて
もっと読むドアラっぽい何か 一話
一話 俺、倉島修吾。 ある日、見るだけで相手を発情させる能力に目覚めた俺はフェロモンショットを打ちまくって藤沢すらも陥落させた。 という夢を見た。 「ん……んぅ……」 何だよ、藤沢にエクスタシーショットを食らわせ
もっと読むグノーグレイヴ2 エピローグIII
[エピローグIII] 「うおおおおおおおおおおおおおおお!!!」 「ふざけるなああ!!」 「こんな時代なんか望んでないだろう!!」 「出てこい!諸悪の根源!!!」 若者たちが暴動を起こす。 拓也はその光景を黙ってみて
もっと読むグノーグレイヴ2 エピローグII
[エピローグII] 握出が目を覚ました先には、白い天井が広がっていた。コンクリートの壁に電球がぶら下がった天井は、かつて旧世界で握出が勤務していたエムシー販売店であった。 つまりこの世界は、握出が帰りたかった旧世界。
もっと読むグノーグレイヴ2 エピローグI
[エピローグI] 握出は宇宙に投げ捨てられていた。理想郷も消え、新世界も崩壊した握出に返る場所はなかったからだ。握出は不老不死になった。だから宇宙に投げ込まれても死ぬことはない。だが、この世には握出以外、誰もいない。
もっと読むグノーグレイヴ2 第七話 後編
―第七話後半 正義の勇者 千村拓也― [0] 握出たちは階段をのぼる。 エレベーターが使えなかったのは、デモンツールズとは別の『アンドロイド』がいたからだ。『ただの線を描く画家―レプリカント・ツアー・コンダクター―』
もっと読むグノーグレイヴ2 第七話 前編
―第七話前半 採魂の女神ブリュンヒルド― [0] 「おかえりなさいませ、マスター」 地平線の向こう側から帰還した拓也を迎えたブリュンヒルドだが、デルトエルドが倒れこむと拓也は急いで駆け寄った。 「デルトエルド!」 「よ
もっと読む○○な彼女 画面越しな彼女
-2- 『お願い、探して!』 学校の帰り道。 路上に見慣れない白い四角の箱が落ちていた。 『いきなり何ですか? 石丸先生』 俺はそれに近づき拾い上げる。すると箱の裏には蓋のようなものがついていた。 『今開発中の試作
もっと読む○○な彼女 電話な彼女
-1- ジリリリリリリリ。 社内に電話の呼び鈴が響く。 そして近くにいた青と白の社員服を着た女性がその受話器を取った。 ガチャッ。 「はい、はい?……あ、ちょっと待ってください」 女性は保留にして受話器をおくと
もっと読むグノーグレイヴ2 第六話
―第六話 千の弓使いメタモルフォーゼ― [0] 新世界、トラディスカンティア。完成したかと思った世界は実は狭く、拓也を中心にした世界しか変わっていなかった。 『ただの線を描く画家―レプリカント・ツアー・コンダクター―
もっと読むグノーグレイヴ2 第五話
―第五話 予兆の魔道士センリ―― [0] 握出が目を覚ますと、隣で微笑んでくれる女性がいた。彼女は握出の寝顔がおかしかったのか、握出がはっきりと意識を覚醒するまでずっと笑っていた。 「おはようございます、握出様」 朝
もっと読む禁じられない遊び(playing alone)~IFエピソード~
~IFエピソード~ (前書きという名のお断り) 説明するまでもなくnakamiさんがフリー宣言された題材を用いたものです。 話の都合上、原作と異なる部分がありますがご容赦下さい。 僕には与えられた才能がある。 僕
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