最終話 本物の気持ち 結局そのまま時は流れて、すっかり冬の気配の色濃くなった12月の半ば。 「秀ちゃん、ちょっといいかな?」 放課後、俺の机に来て優那が誘ってきた。 ……この数ヶ月の間に、少しだけ変わったことがいく
もっと読む「純愛」
マインドダイバー 第3話
第3話 サトリの血と、優那の笑顔 2週間後の朝、その異変は突然訪れた。 ラッシュアワーの混雑した改札でスーツ姿の男と肩が触れた。 いや、それ自体は別になんでもない。 朝の通勤通学の時間帯に誰とも体が当たらないなん
もっと読むマインドダイバー 第2話
第2話 解き放たれた少女 「んっ、はむ、ぬぷっ……ほら、覚内くんの、もうこんなに大きくなったわよ」 「ちょっ! みっ、水希っ!」 翌日の放課後、俺と水希はまたもふたりで屋上にいた。 昨日と同じように、水希がいきなり俺
もっと読むマインドダイバー 第1話
第1話 妖怪の血を引く少年と笑わない女の子 「……ん?」 それは6月もはじめのある日。 俺、覚内秀明(かくない ひであき)が放課後に真っ直ぐ家に帰る気にもなれず、校舎の屋上でうだうだしていたときのことだった。 誰か
もっと読む恋色ビーナス物語物語 1 Real
1Real 空町翔太と不思議なローソク 「うーん」 俺の目の前に、ロウソクが置いてある。 置いてある、というか、俺が机の上に置いたんだけど。 ロウソクはめらめらと燃え盛っている。俺はじーっと、飽きることなくその炎を
もっと読む恋色ビーナス物語物語 3 Dream
3 Dream 愛しの旦那様との日常 「……ここは?」 彼女がヘルメットを被った瞬間、原っぱにいた。 空は快晴。 彼女から15メートルほど離れた位置に大きな一本の木が雄大に存在している。それ以外は見渡す限り緑が辺り
もっと読む恋色ビーナス物語物語 2 Dream
2 Dream 私はささげません、何があっても 衝撃的な映像を見てしまった瑛梨香はしばらく立ち直れずにいた。 瑛梨香はダブルベットの上で掛け布団を被っている。 時折、いまだに仲睦まじくしている二人の声を聴き、耳を塞
もっと読む恋色ビーナス物語物語 1 Dream
1 Dream わたくしの許婚は冴えない転校生!? 私立扇夷(せんい)学園は、金持ちの子息が集まる名門進学校である。その学園の昇降口で、一際目立つ女生徒がいた。 「お待ちなさい。タイが、曲がっていてよ」 「えっ。……あ
もっと読むさくらの花の咲く前に
※このお話は、『居候のさくらちゃん』のさくらが、まだ日本に来る前のお話です。 ――1920年代はじめ、ユーゴスラヴィア王国、プリモルスカ地方(現:スロベニア、プリモルスカ地方) 「ううっ、お腹空いたよぉ……」 一歩
もっと読むサイミンラブホリデイ
――― 俺、空町 空(そらまち そら)って言うんだ。スカイツリー言うな、ソラマチ言うな、武蔵言うな。……こんな感じで名前をいじられることはあるけど、割と普通の人間だと思う。 二つの事を除けば。 一つは10年ほど前か
もっと読む偽心理学ゼミナール集中講義
まえがき ここで描かれている心理学は、適当です。雰囲気づくりだけです。 それっぽく書いているだけなので、内容を信じないようにお願いします。 あるラブホテル。 甘い声が響くその部屋では、化粧が濃い目の美人を、なかな
もっと読む僕の彼女はメスメリスト 1
1 学園に入って、ムカついたことのひとつは、かわいい同級生を、上級生がかっさらってしまうことだ。 気になっている子を勝手に取っていってしまう、それってずるくない? 要するに、僕も、取られてしまったのだ、好きな子を、
もっと読む夢であいましょう 無双編
無双編 プロローグ 「峯さん・・・なに? あっ! きゃ~っ!」 峯俊也にいきなり身体を押された。会社の男性用トイレに押し込まれて相原友梨は叫んだ。 ブチッと糸がちぎれる音がしてスカートのホックが外れる。 怒りと困惑
もっと読む夢であいましょう 純愛悲恋編
純愛悲恋編 プロローグ 「峯さん・・・なにを・・・? ああっ! やめてっ! いやぁっ!」 峯俊也にいきなり身体を押された。会社の男性用トイレに押し込まれて相原友梨は叫んだ。 ブチッと糸がちぎれる音がしてスカートのホッ
もっと読むシェアリング・ラブ
1.久美 「危ない!」 誰かの叫ぶ声が聞こえた。 続いて、鋭いブレーキの音とものすごい轟音。 振り向いた私のすぐ目の前に、ガードレールを突き破ってこっちに突っ込んでくる車があった。 …………あれ、私? 宙に浮い
もっと読むLove Is the Plan the Plan Is Death 6
-6- 「おかえりなさい」 2人がジロの散歩を足早に終え、茜宅に帰宅すると予想もしなかった人物が待っていた。 「あれ? 生徒会長?」 茜が言うと、現生徒会長小鳥遊弥生は微笑んだ。 「こんばんわ、茜さん。緋室さんも」
もっと読む最期のプレゼント
「リサ?おい、リサ……いないのか?」 「いえ、わたしはここにおります、トモキ様」 智樹が呼ぶと、キッチンの方から声が聞こえた。 「なんだ、こんな所にいたのか?」 「はい、お茶を淹れようと思いまして。いかがなさいました、
もっと読むLove Is the Plan the Plan Is Death 5
-5- ……時間は少し遡り、武がこの世界に復帰する前日。 「はい、次の議題に取り掛かるわよ!」 威勢のいい、しかし涼やかな声が放課後の生徒会室に響く。 テキパキと仕事をこなし、皆を引っ張るこの部屋の主。 生徒会長
もっと読むLove Is the Plan the Plan Is Death 4
-4- 「私も、何やってるんだか……」 慧は自嘲気味に呟いた。 ここは自宅とは全く逆に位置する通学路。 さよならと手を振って一度は帰路に着いたものの、結局2人を尾行する形になってしま
もっと読むLove Is the Plan the Plan Is Death 3
-3- 円城寺武は夢を見ていた。 幼い頃より何度も訪れ、よく見知った家の庭先。 忙しく動き回る可愛らしい子犬。 その子犬の頭を愛しそうに撫でる少女、吉沢茜。 それはささやかではあるが幸せな光景。 円城寺武が守
もっと読むLove Is the Plan the Plan Is Death 2
-2- 「あぁ~あ、遅くなっちゃった」 1人の女性がぼやきながら急ぎ足で歩く。 会社で絞られたのだろうか、表情は冴えない。 「ま、気分転換としますか」 無理やり気分を変えると、お気に入りの店を目指す。 もうすぐ昼
もっと読むLove Is the Plan the Plan Is Death 1
-1- 最初に感じたのは衝撃。 次に全身を激痛が駆け巡る。 円城寺武は呆然と自らの胸を見た。 学ランが破れ、ぽっかりと大穴が開いている。 穴は丁度心臓の位置だった。 背中まで貫通し、そこには何も無い。 穴か
もっと読む英理と里彩 後編・そして私たちはキスをする
【後編・そして私たちはキスをする】 「…………」 言葉が出てこない。 身体が震えて、息苦しくて、声をだすことができない。 謝らなければ! そう思っているのに、頭ではわかっているのに、 「……なんとか、言いなさいよ」
もっと読む英理と里彩 後編・上書き保存
もう何度目になるのだろう。 私の目の前で可愛く喘ぐこの娘を何度愛したか、私はいつも考えてしまう。 「ぁん……はぁ……里彩ぁ」 数えることに意味なんてない。何度シたって飽きることなんてない。 「ひぁっ!ソコ……あぅん
もっと読むあに、いもうと あに、いもうと……
東京から離れた、ある田舎町にふたりの兄妹が住んでいた。兄は犬坂宗太(いぬさか そうた)、妹は犬坂玲子(いぬさか れいこ)という名だった。犬坂の家は裕福ではなかったし、代々、里の人間からも疎まれていた家だった。 ふたり
もっと読む英理と里彩 中編
中編 目覚めは最悪だった…… まったく思い出せないが、かなり悪い夢を見たらしい。 気持ち悪いくらい全身がべったりと嫌な汗をかき、パジャマはもちろん布団も湿り気を帯びている。 真夏だってこうはならないのに。 シー
もっと読む英理と里彩 前編
前編 「このライトを見て……絶対に目を逸らさないで……目を閉じるのもダメ。英理は今、ライトを見ています。英理は今、ライトしか見えていない……」 英理の視線がペンライトの光に集中しているのを確認しながら、私はゆっくりと言
もっと読むかくれんぼ
「りゅーたクン、みぃつけた!」 頭上から降ってくるように、聞き慣れた、透明感のある声が聞こえた。植え込みの陰にしゃがんでいた龍太が見上げると、律子の顔が龍太の方を覗きこんでいた。 「みぃつかった」 龍太がそう答えると
もっと読む千紗と未来 後編
後編 (Miku Kouduki) 『みくちゃ~ん』 千紗……大好きな人……私の一番大切な幼馴染…… 『わたし、ちさのことだ~いすき』 『わたしもみくちゃんのことすき~大きくなったらちさのおよめさんになる~』 『え
もっと読む千紗と未来 前編
前編 ※過去に『催眠屋☆キャットハウス』にて同じ作品を投稿しています。『催眠屋☆キャットハウス』の管理人様に許可をいただいてこちらのサイトに投稿させていただきました。 (Chisa Yugamidani) 未来ちゃんは
もっと読むGAMEs 第一話
第一話 「……でさぁ、生徒会長が超イカスんだぜ。あの黒髪ロングがサラッとこう、風になびいて……」 「あのな、自習だからつってそんだけ喋りっぱなしじゃ、また委員長に怒られんぞ」 白冬高等部・二年一組の教室は、現在自習とい
もっと読むGAMEs 第二話
第二話 放課後。 保健室では沢口亜紀が書類の山と格闘していた。 「うがあぁ~~っ! 早く全員の書類を片付けないと、秋の健康診断の結果を保健所に提出できないのですよっっ!」 白冬学園高等部の生徒数だけを考えても相当な
もっと読むGAMEs 第二話/エピローグ
第二話/エピローグ ────あれから一週間。 学園から自転車で十分の距離に亜紀のマンションはあった。 独り暮らしを始めて以来、本人と家族以外誰一人として訪れる事の無かった場所だ。 今日は何と! 亜紀姉のマンション
もっと読むGAMEs 第三話
第三話 二時間目が終わった二〇分休憩。次はミス・アンジェレッタのキッツーい英語の授業があったと思うんだが、皆リラックスしてるのは何でだろう。 一部自他共に認める系のガリ勉サマがノートとにらめっこしてるのは何時もの話だ
もっと読むGAMEs 第四話
第四話 ●一日目 「……~~~~~っ、分からん」 これまで色々と聞き込みで集めてきた各部の予算状況を整理していたのだが。 こうもバラバラと数字が並んでくると、知恵熱が出て来てしまう。 元々数学とか、生理的にアレルギ
もっと読むGAMEs 第五話
第五話 晩秋の日は短く、夜は早い。 草柳友愛は、学園女子寮の裏手隅に身を隠していた。 服装はロングシャツにジーンズ、その上に厚手のブルゾンを着込んでおり、動き易く目立ち辛い事を狙った私服になっている。 肩にはズシ
もっと読むGAMEs 承前
承前 都心近郊のベッドタウン・弥高(やたか)市は、森の町だと呼ばれている。 元々弥高市は交通の便も良い住宅地として発展してきた町だ。 だが二〇年ほど前にどっかの頭のネジが切れてしまったバカが、とんでもない事件を起こ
もっと読むえむしーなカノジョReverse
「お待たせしました。アイスコーヒーでございます」 喫茶店の窓際の客席に座る私のもとに、店員さんが注文した飲み物を運んできた。私は、軽く会釈するように応じると、飲み物に少しだけ口をつける。私は何気なく窓から往来の様子を眺
もっと読むえむしーなカノジョ
彼女の背に手を回し、そっと触れる。絹のような肌触りの皮膚が、吸いつくような感触を手のひらに伝える。俺はそのまま乱暴に抱きしめたい衝動を抑えて、できるだけ優しく彼女の身体を抱き寄せた。柔らかい乳房が俺の胸板でつぶれる感触
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「ば、ばかぁ!!」 何気ない日常。教室内に響き渡る声。 「な、なんで私があんたと一緒に買い物しなきゃなんないのよ」 こいつの名は朱音(あかね)。俗に言う幼馴染。 「だってさ、一人で買い物行っても面白くないじゃん。だか
もっと読むマッサージ・兄妹編
「ふー。終わったぁ」 私の名前は希(のぞみ)。大学4回生。二歳上の兄がいる。ごく一般的な家庭。今は実家を離れ、大学の近くに兄と二人で暮らしている。 たった今、卒業論文の作成が終わり、明日提出する。あとは、卒業を待つだ
もっと読む11回目の七夕に
- 1 - 僕は、梅雨の終わりのべとつく空気に包まれて、憂鬱な気分で歩いてた。それというのも、自分の不甲斐無いのが原因なんだけど。 僕の名前は田原空也。この間高校生になったばかりの一年生。本当なら、僕の幼馴染の唯那ち
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