その日のダニエルは、最近では珍しく、ミヤグニ・サンの家に来ていた。初めて彼の家を訪れてからもう半年以上経つ。それは7か月という実際の期間以上に昔のことのように思われた。なにしろこの半年間、彼にとって楽しいことが多すぎた
もっと読む「肉体操作」
テレパスキッド 4
『イの壱』の技法は、対象となる相手へ、コードのような『氣の道』を繋いで、いつでも相手の行動や思考、感情や記憶まで干渉出来るようにする。それは『氣』で人に影響を与える技術の中の基本であり、究極とも言えるような、大事な技法だ
もっと読むテレパスキッド 3
「思ったよりも早く来たのう。私のことなど忘れて、2、3カ月は遊び呆けるとばかり、思っておった」 ミヤグニさんは、約1カ月ぶりに自分の家を訪れたダニエルを見て、微笑むような、あるいは単に顔の皺を伸ばすような、見ていて
もっと読むテレパスキッド 2
想像した通り、その日の授業時間はずっと、ダニエルにとって、「期待に胸を膨らませる天国」と、「最高のご馳走を焦らされる地獄」との往復のような時間になっていた。ステファニーと同じクラスで受ける授業の間、彼女はチラチラとダニ
もっと読むテレパスキッド 1
「向こうに見える丘に、とっても気持ちの良い公園があるらしいわよ。海も見えるんだって。ベッツィーが言っていたの。今度、皆でランチボックスを持って行きましょう」 助手席に座るママ、ルシールの声は明るい。 「それは良
もっと読む催眠の季節 ~僕が義理の家族を犯した理由(わけ)~11
第五章 季節は廻りBへと誘う。 俺は……持っていた鏡を夏帆に向けた。 「いやああああっ!」 鏡を向けられた夏帆は大きな悲鳴を上げたが、しばらくすると、そのまま石のように動かなくなった。 その瞬間、 (良くやった
もっと読む催眠の季節 ~僕が義理の家族を犯した理由(わけ)~10
第五章 季節は廻りAへと誘う 俺は……持っていた鏡を床にたたきつけた。 パリンと言う音と共に鏡が砕け散る。 その瞬間、 (そうか……残念だよ、志貴。だけど忘れるなよ、お前が俺を否定しても俺はお前の中に居続けるっ
もっと読む催眠の季節 ~僕が義理の家族を犯した理由(わけ)~9
第四章 夏の夜の夢(後編) -3- 夏帆姉ぇの話を聞き終えた俺は、ただ呆然とするしかなかった。 ……父さんも俺と同じ鏡を持っていた? それに夏帆を襲った……。 たまらなくなった俺は手元の鏡に向かって声をかけ
もっと読む催眠の季節 ~僕が義理の家族を犯した理由(わけ)~8
第四章 夏の夜の夢(前編) -1- その日はまさに、熱帯夜と言ってふさわしい夜だった。 ねっとりとした湿気が僕の全身にまとわりつき、着ているシャツも汗に濡れている。 「はぁ、はぁ、はぁ」 月はなく、街灯の明
もっと読む催眠の季節 ~僕が義理の家族を犯した理由(わけ)~7
第三章 冬の終わり(後編) -3- あの日、私は秋に入れてもらったコーヒーを片手に、夫と話をするために書斎へと向かった。 特にこれといった用があったわけではない。 ただ何となく、ここ最近の夫の様子がなんだか
もっと読む催眠の季節 ~僕が義理の家族を犯した理由(わけ)~6
第三章 冬の終わり(前編) -1- 学校の保護者参観に父さんが来てくれたことは一度としてなかった。 だから冬美さんが保護者参観に来てくれたときは、嬉しさよりも驚きの方が大きかった。冬美さんを初めて見た友人たち
もっと読む催眠の季節 ~僕が義理の家族を犯した理由(わけ)~5
第二章 春の目覚め(後半) -3- 最初から春香が僕たちのことをこっそり覗いていることはわかっていた。わかっていて、僕はわざと僕と秋の情事を春香に見せつけていた。 「あああっ! ご主人様! イキます、イキますぅ
もっと読む催眠の季節 ~僕が義理の家族を犯した理由(わけ)~4
第二章 春の目覚め(前編) -1- 僕の本当の母親は、僕が小学2年生の時に死んだらしい。 母親の記憶はあまりない。だから死んだことに対しては別段悲しくもない。だが亡くなった母がベッドに横たわっている姿と、母が
もっと読む催眠の季節 ~僕が義理の家族を犯した理由(わけ)~3
第一章 秋の収穫(後編) -3- 身体の上で気を失った秋をゆっくりとベッドにおろす。目の前で横たわっている秋を見つめながら僕は絶頂の余韻に浸っていた。すると頭の中で、 (どうよ、人間。念願かなって憧れの人に童貞
もっと読む催眠の季節 ~僕が義理の家族を犯した理由(わけ)~2
第一章 秋の収穫(前編) -1- 秋が僕の家でハウスキーパーとして働くようになったのは、僕が中学の頃だった。 大学病院の医師として働いていた僕の父は家を空けることが多く、母親を亡くたった一人で父の帰りを家で待
もっと読む催眠の季節 ~僕が義理の家族を犯した理由(わけ)~1
第零章 はじまりの季節 裸電球が天井で左右に揺れている。 さっきあいつが私を脅かそうと大きく動いたときに体でも触れたんだろう。 しばらく天井を見ている間に、電球の動きはゆっくりと止まった。 しばらくすると、あ
もっと読むレタッチ 後編
後編 「貴方が槙村航太君ね。陸上部は今、貴方の噂でもちきりよ」 航太と澄華の前に立っているのは、陸上部のキャプテンで3年生の姉川ツカサ先輩。アスリートとしての能力、キャプテンを任される人格もさることながら、抜群のプロポ
もっと読むレタッチ 中編
中編 タブレットに入っている、「レタッチ」というアプリは、基本的には直感的な操作を繰り返しながら、使い方を覚えることが出来る。メニューには一般的な操作法説明のリストはあったが、それほど懇切丁寧に使い方を教えてくれている
もっと読むレタッチ 前編
前編 「ゴン………ゴンゴン」 航太の部屋の壁を叩く音がする。 「ほーい」 「ゴン、ゴンゴン」 航太がデスクトップから目を離さないまま、気の無い返事をしていると、また壁が叩かれる。槙村航太の部屋は2階にある。そして音は
もっと読む奴隷の部屋4 後編
後編 「あふ……? きゃあ! もうこんな時間!? ……やだ、どうして?」 その日、目が覚めたのは午前10時半を回った頃だった。 すぐに自分が仕事から帰った服のまま、着替えもせずに寝ていたことに気づく。 それに、この
もっと読む奴隷の部屋4 前編
前編 「それじゃ私はあがりますね」 「ええ、おつかれさま」 「おつかれさまです!」 閉店後の片付けも終わって、受付や雑務を任せている佳奈ちゃんに手を振って送り出す。 その後も私はパソコンに向かって事務作業にかかりっき
もっと読むマインドダイバー 第4話
最終話 本物の気持ち 結局そのまま時は流れて、すっかり冬の気配の色濃くなった12月の半ば。 「秀ちゃん、ちょっといいかな?」 放課後、俺の机に来て優那が誘ってきた。 ……この数ヶ月の間に、少しだけ変わったことがいく
もっと読むマインドダイバー 第3話
第3話 サトリの血と、優那の笑顔 2週間後の朝、その異変は突然訪れた。 ラッシュアワーの混雑した改札でスーツ姿の男と肩が触れた。 いや、それ自体は別になんでもない。 朝の通勤通学の時間帯に誰とも体が当たらないなん
もっと読むマインドダイバー 第2話
第2話 解き放たれた少女 「んっ、はむ、ぬぷっ……ほら、覚内くんの、もうこんなに大きくなったわよ」 「ちょっ! みっ、水希っ!」 翌日の放課後、俺と水希はまたもふたりで屋上にいた。 昨日と同じように、水希がいきなり俺
もっと読むマインドダイバー 第1話
第1話 妖怪の血を引く少年と笑わない女の子 「……ん?」 それは6月もはじめのある日。 俺、覚内秀明(かくない ひであき)が放課後に真っ直ぐ家に帰る気にもなれず、校舎の屋上でうだうだしていたときのことだった。 誰か
もっと読むうごけ 第2話
第2話 東新宿駅から徒歩5分の場所にあるアパートに御堂聖が住むようになって、2か月が過ぎようとしていた。やっと周辺を散策していても、道に迷う心配をしなくても良くなってきた頃だ。それでも、少し足を伸ばすと、ヒジリは簡単に
もっと読むうごけ 第1話
第1話 「ご両親と連絡を取ることは出来ないかな? ……これは、きちんとした診断をしなければいけないし、ちゃんと説明しなければならないことだと思ってる。実は、僕は医者として、この件に関して、100%の確証を持てている訳では
もっと読むバイト研修
彼女、秋本麻衣(あきもと まい)は、どこにでもいる今時の女子大生だ。 明るい性格で、肩まである、ふわっとウェーブのかかった明るい茶色の髪に丸顔でくりっとした大きな瞳の愛くるしい顔立ちの子だった。 バイトをしようと思
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裏サイト編 「絶対服従! 王様ゲームの興奮をここに! 無料の魔法プログラム『魔女のゲーム』へご招待!」 友だちの沙織から、わたしがその招待状<インビテーション>を受け取ったのは、大学に入ってから、半年ほど経ったころだっ
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魔女のゲーム:同窓会の魔女(解答編) 「魔女がだれだかわかったぞ!」 そう言うなり、続けて、大声で叫んだ。 「出口さん! いるんだろう! 君が、魔女だ!」 教室の前に立った喜一郎から、声が出る。 「は? 出口? だれ
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魔女のゲーム:同窓会の魔女(問題編) 20XX年。 少子高齢化により、人口の集約化が政策でおしすすめられてから数十年。 もはや人のいなくなった学校。 同窓会で、その学校に集まったのは、ある朝のことだった。 「ひさ
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【プロトタイプ:王様ゲーム編】 登場人物紹介 内村卯月:主人公。非モテ。精一杯の行動としてオカルト研究会を立ち上げる。不細工。 久住久遠:卯月の恋人。かわいくない。不美人。主人公がHしてくれないのがすごく不満で不安。 須
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魔女狩り編3 登場人物紹介 久慈蔵人(くじ・くらうど):主人公。魔女のゲームでの役職は、異端審問官。 佐伯佐和子(さえき・さわこ):主人公の彼女。胸はふつう。性欲は強い。 手越貞二(てごし・ていじ):ヨット部。船舶免許あ
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「では、我が研究所最新の発明品を公開しよう。 その名も《全自動フェラチオ訓練機》!! 名の通り、全自動でフェラチオの練習をさせる装置だ!!」 この研究所の主(ぬし)である絵理衣(えりい)が、白衣を舞わせて、胸を張りな
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裏面 「やだ~!もう、ミキったらなに言ってんのよ~!」 「いや、本当だってば!」 「そんなことあるわけないじゃん!」 すっかり酔っぱらったユミがパシパシとあたいの頭をはたく。 まあ、そう言うあたいもかなり酔ってんだけ
もっと読むFormat 表面
表面 携帯が鳴った。 映し出されているのは、馴染みのブローカーの番号だ。 「……俺だ。……ああ……ふんふん……ベーシックな召使いタイプを1体だな?まっさらなやつでいいんのか?……で、べつに処女じゃなくていい、と。……
もっと読むこの素晴らしくも理不尽な世界に 予兆
-4- (……これは?) 「ぁっ……んっ……くっ……!」 両手を後ろから左右につかまれ、必死に声を押し殺している見覚えある女性の後ろ姿。 黒く長い髪にあちこち赤く腫れた痛々しい背中、何かにかかじられたような無数の切り
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-3- (……どうしよう、止まらない) 美穂は困惑していた。 それは風呂に入ろうと鏡の前に立った時、ただ少し、ほんのささいな気持ちで自分の胸に手を触れただけだった。 するとどうだろう、身体の奥底から何かがこみ上げて
もっと読むこの素晴らしくも理不尽な世界に 隣人
-2- ___異能者、世界中に数多存在している常識を超えた力の持ち主の総称___ 彼らの誕生する経緯は不明であり、解明されていない謎も多い。 昨今の調査と研究の結果、彼らの多くは不幸を背負っていることが明らかとなった
もっと読むこの素晴らしくも理不尽な世界に 依存編
-1- ―――異能者:常識では考えられない能力を持つ者達の総称――― それは、世界中に五十万以上いると伝えられており、その能力(ちから)は解明されない謎が多く、日々研究が続けられている。 その能力は様々あり、何の意味
もっと読むライフ=シェアリング 青葉と紅葉
(『ライフ=シェアリング』は、Panyanさんの作品です) - 序 - ライフ=シェアリングとは、死すべき身体を、命を、心を、グランツ(与える者)が、アクセプツ(受諾する者)に命を分け与える事で繋ぎ止める技術を言う。
もっと読む傀儡の舞 2-1
第二章 蔵本双葉 (1) 自然が残る郊外の広い敷地に、長い伝統を誇るその学校はあった。私立緑心学園。 美人が多いと評判の学校だった。ここの制服に憧れ、受験する者は後を絶たない。 この女子校は、新体操に力を入れて
もっと読む傀儡の舞 1-4
(31) アップテンポの曲が、フロアの上に響いていた。音楽に合わせて、女子部員の体が躍動する。一瞬一瞬で描かれては消えていく、花火にも似た刹那的な美しさが、そこにあった。 レオタードに身を包んだ五人の女の子達の一糸乱れ
もっと読むTomorrow is another 第十話 日常
第十話 日常 『人はどうして生き続けているんだと思う?』 『生そのものが、生物として存在している証左だ。生きるために命を繋ぐのは、生物の範疇である人にも当然当てはまる』 『しかし、私はそれを解答とは思えない。人の人たる本
もっと読む傀儡の舞 1-3
(21) 夕方ホームルームが終わると、鈴菜はすぐに教室を出ようとする。 「鈴菜ぁ、今日もリハビリか?」 まだ部活が始まるまで、少し時間があった。早夜子は自分の席に座ったまま、クラスメイトと雑談していた。そのまま首を伸
もっと読む傀儡の舞 1-2
(11) 鈴菜はそっと自分の体を抱きしめた。伝わってくる感触に、何の違和感もない。 そろそろ消燈の時間だった。白いチェック柄のパジャマ姿のまま、自室のベッドに腰掛けていた。どうしても、休む気になれなかった。 朝にな
もっと読む傀儡の舞 1-1
プロローグ 座席の前の液晶パネルが、飛行機の現在位置を知らせてくる。まだアラスカ辺りだ。日本に到着するまで、まだまだ時間がありそうだ。こんな時は眠るに限るのだが、どうしても眠れない。四年ぶりの帰国に、どうも俺の神経は昂
もっと読むドリームチャット ROOM#03
《ROOM#3》 TOSH「でも、ナナさん」 TOSHの台詞。背筋に悪寒が走る。言葉使いこそ優しいが、一番恐ろしいのはこの男だ。 TOSH「もしかして、今日はもう終わりとか思ってませんか?」 え? 笑顔の仮面が剥がれ
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