喫茶ヒプノ3

-3- 感謝祭 「おーい、注文ー!」 「はい、すぐ参りますー!」  広くないバー・ヒプノの店内を一糸まとわぬコンパニオンたちが慌ただしく走り回る。  今日は通常のゲームではなく、数か月に一度だけ開いている『感謝祭』という

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喫茶ヒプノ1

-1- ストリップ接客カラオケ  とある大都市の郊外の、前時代から残る寂れたアーケード街。  街灯は錆びて変色し、地面にはカップ酒と吸い殻が転がる。  これが他の場所だったなら、とっくに消滅しててもおかしくない惨状。  

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喫茶ヒプノ2

-2- 花婿探しダーツ大会 「ふぅむ……」  朝霞は催眠に堕とした女ふたりを見下ろしながら、次のイベントについて考えていた。  今日堕とした相手からいつも通りに個人情報を聴きとっている。  目の前にいる女性二人は穏やかな

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プリマ 第6話

<<フリーアナウンサーになった若園芳乃香の意外な再浮上がネットで話題沸騰>>  かつて全国ネット局のホープで、夜のニュース番組のキャスターも務めた美人女子アナが、フリーになって地方ケーブル&ネット配信番組でキワドイお宝シ

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プリマ 最終話

『若園芳乃香の、ふれあい人生ニューページ』は、3ヶ月後にリニューアルをした。若園芳乃香さんは一旦、卒業というかたちになったので、個人名が外れて、『ふれあい人生ニューページ』と番組タイトルが短くなったのだ。今は4人の新しい

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プリマ 第5話

 撮影の翌日、仮編集版をロケ班スタッフ皆で確認した。キューさんのセンスは皆良く理解しているので、通常この作業はほとんど形だけの追認作業になる。けれど今回は揉めた。珍しく、一番立場が下であるADのマサキが異議を唱えたからだ

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プリマ 第4話

 コン………コンコン。  マサキが若園芳乃香さんの控え部屋のドアをノックする。緊張して待っていると、1週間ぶりの芳乃香さんの顔は、少し曇っていた。AD新藤マサキの不安が増す。微妙な愛想笑いを浮かべている自分に気がついた。

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プリマ 第3話

 部屋の湿度とシャンプーの匂いで、芳乃香さんがまだシャワーから出てきたばかりだということがわかる。ドアを開けたまま立ち尽くす若園アナは白いバスローブ身にまとって、まだ湿っている髪を両肩の先へ広げていた。化粧台にはヘアドラ

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プリマ 第2話

 ロケバスでの移動中、マサキは限られた時間を使って、Youtubeの催眠術ショー動画を漁るように見ていた。少しでも多くの、愉快な画を撮るためのヒントが欲しかった。結局のところ、撮影が始まってしまえば、芳乃香さんの反応を見

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プリマ 第1話

 その日の収録も、当初スケジュールと比べて40分近く遅れていた。ADの新藤正樹は、頭の中でこの後の予定を思い描きながら設営を手伝う。今日のロケは泊りなので、機材やバスなどの返却時間は気にしなくて良い。この後のインタビュー

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おるすばん その4

 3年生のいる階に上がる。ここはアキミチさんと同学年。一緒に過ごしてきた時間が長いから、催眠暗示への反応も、グッと高くなる。かなりの無茶が効く先輩たちだ。授業中の教室に無神経に上がりこんでも、「あ、僕、透明人間です」と一

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おるすばん その3

「昨日から、アキミチさんいないんだよな………。好きにすればいいって、言われたけど………。そう言われると、かえって何にも思い浮かばなかったりして………」  笹川ケイトは、学校へ向かうバスを降りたところでも、まだ今日のスケジ

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おるすばん その2

 次の日、クルミは昨日よりも迷いなく、ケイトと放課後に美術準備室で待ち合わせることに応じてくれた。 「昨日ね、家で英語の勉強してみたの。いつもの2倍とか3倍とかスラスラ読めた気がして、学校の復習どころか、次の次の単元まで

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おるすばん その1

「じゃ、そういうことで。………色々あるかもしれないけど、基本、ケイトの思うように対処してよ。緊急でなければ、さっきのノートに書いて置いてもらえれば後で読むし。よっぽどヤバそうだったら、メールちょうだい」  アキミチさんは

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