第5話 「サクラ………。まだ帰れなさそう?」 「あ、ケンちゃん。………ゴメンね。あと2人だから、もうちょっと………10分くらいかな?」 「わかった。じゃ、図書室に本返してくるから、それから一緒に帰ろう」 浜岡ケンジは優
もっと読む「神の力」
カースト越えて恋 4
第4話 スマホを持つ、横田コウダイの手は震えていた。 「こ………これ、君。住居侵入罪じゃん。犯罪だぞ! 逮捕されるぞ!」 コウダイにスマホを手渡した黒沼エリーがニッコリ微笑む。あまり笑顔が似合わないキャラのためか、そ
もっと読むカースト越えて恋 3
第3話 鳥海シュウのいる2-Cには、稜聖学園高校のスクールカーストで言うところの、Eグループに属する底辺生徒がいなかった。結果的にDグループの陰キャであるシュウが、いじられたり馬鹿にされたりしてきた。それがここ1週間で
もっと読むカースト越えて恋 2
第2話 「すごいよな。やっぱ夢じゃねぇよ。可愛い子ちゃんたちが、みんなして俺たちの言うこと聞いてくれるぜ」 ノリユキはご機嫌の様子でシュンタと肩を組んでくる。シュンタが早退したいと言い出したのを聞いて、何かを感じたマコ
もっと読むカースト越えて恋 1
第1話 「え、お前、まだ藤沢さんのこと、ワンチャンあると思ってんの?」 「いーよ、駿太。スーパーポジティブ。SPだよ。スーパー・ポジティブ、でSP」 放課後の北棟校舎裏。秋冬は冷たい風が通り抜ける階段下の、「イケてない
もっと読むつつみかくさず
「おはよー! ……って、あら?」 「……っていうのはどう?」 「ああっ、いいね、それ!」 朝、教室に入るとアリサの机にサキとマユカが集まっていた。 アリサとサキはなんかめっちゃ盛り上がってるし、おとなしいマユカもすっ
もっと読むオナモミ亭
日の出横丁という飲み屋街がある。駅裏と地元の人たちが呼ぶ、JR駅の北側の地区だ。戦後は闇市がここに立って、ずいぶんと賑わったらしい。今では日の出というよりも、「斜陽」と言ったほうがしっくりくる。失礼だけど、もっと言うと
もっと読む聖天さん 3
-3- 時代の流れに取り残されたような昭和な商店街、新楽地通り商店街には、昔と比べると減りつつはあるが、まだ子供たちが放課後にたむろしている。シャッターが下りている店舗の前や、路地裏でカードゲームなどに興じていたりする
もっと読むおみくじ おみくじの裏
おみくじの裏:やっぱり大吉 「どうぞ~!アキバ大明神で初詣ではいかがですか~?」 「ん~?アキバ大明神?」 「そうですよ~!霊験あらかたなアキバ大明神にお参りしませんか~?さあ、どうぞどうぞ~!」 ボクが、そのおかしな
もっと読むおみくじ
大吉 「ねーねーっ!サオリ~、ユマ~!こんなところに神社があるよ-!」 前を歩いていたアケミが、交差点で立ち止まって右側を指さしている。 「えーっ、どこどこー!?」 私のすぐ隣を歩いていたサオリが、大声で聞き返しなが
もっと読む聖天さん 2
-2- 繁華街とオフィス街の隙間、ぽっかりと空いたエアポケットのような場所に残る、昭和の味わいを漂わせた通り、新楽地通り商店街のはずれで、クラブ『ヘイジーハット』は営業している。以前は閑散とした、流行らない店だったが、
もっと読む聖天さん 1
-1- 新楽地通り商店街。そこは首都圏の都心に程近い、繁華街とオフィス街の隙間。ぽっかりと空いたエアポケットのような場所に残る、昭和の味わいを漂わせた商店街だ。駅裏の、一本奥にあるせいで、町の人口のわりには人通りは多く
もっと読む誤認逮捕
◆第一章.それは運命的な出会いでした。 コーヒーチェーン店、カフェパウ駐車場。 カーティス・グリーンは持ち前のツイストパーマを掻きながら、フレンチローストコーヒーが注がれたタンブラーに口をつける。 寝覚めの悪いあた
もっと読むスナイパーズネスト Part 2
Part 2 5.官能は魂の墓場。 四十八時間。それは人間のこころを壊すにはいささか頼りない時間だ。かといって心身にダメージを与えるには十分すぎる時間でもある。 男はじぶんの部屋にひとりでたたずみながら、あの強気な少
もっと読むスナイパーズネスト Part 1
Part 1 想像力は知識よりも重要だ。知識には限界があるが、想像力は世界さえ包みこむ。―アルバート・アインシュタイン。 1.賽は投げられた。 漆黒に塗りつぶされた大空を雷鳴がつんざき、バケツをひっくり返したような大
もっと読む神様のアドレス帳 後編
後編 (思った以上の効果だ。これは・・・、いよいよ本当に、神様のアドレス帳なんじゃないか?) 今朝から徐々にメールの効果を確かめてはいるつもりでも、生駒さんは中條課長の変貌振りにはひっくり返ってしまった。 今、生駒さ
もっと読む神様のアドレス帳 前編
前編 生駒課長補佐はここ数ヶ月、悩みを抱えていた。 職場に馴染めない。新しい環境に適応出来ない。 それは社会人にとって決して珍しい悩みではない。むしろ、よくある悩みと言える。 しかしだからといって、生駒課長補佐の
もっと読む其は愛しき想いを紡ぐモノ
- 序 - 「おいしい?」 女の子が一人、木々に覆われた山の斜面に、ひざを抱き込むようにしてしゃがんでいる。ひざの裏側に、柔らかそうなピンク色のスカートの裾を挟んでいるのは、幼くても女の子、ということだろうか。 女の
もっと読む翼あるもの
<0> 世の中には、同じ駅なのにその東西でまるで違う顔を持つ町というのがある。 東は発展してて高級マンションやらスーパーやらデパートやらが立ち並ンでいるのに、西に行くとせいぜいが寂れたゲームセンターや立ち読み本屋、駅
もっと読む其は悪しき神のおわす山
- 序 - 「だから沙恵香、あの山に登ってはいけない。これだけは、絶対に守っておくれ」 酷く真剣な様子で語りかけてくる祖母に、沙恵香は微笑を返した。 実際、これまで何度も破っているその約束も、口だけならいくらでも、何
もっと読む其は魔なるモノ 後編
- 後編 - ─ 5 ─ ぽたり、と美宇の男性のシンボルのような形に肥大化したクリトリスに、暖かい雫が滴る。それすらも興奮に固くなったそれには刺激となり、まるで独立した生物のようにびくん、と震えた。 「あ・・・あけみ・
もっと読む其は魔なるモノ 中編
- 中編 - ─ 3 ─ 美宇は自室のベッドの上で目を覚ました。今まで自分がどういう状況に置かれていたのかがすぐに思い出せず、暫くベッドに横たわったままで茫とした。なんとなく天井を見詰めながら、全身の力を抜く。足の感触
もっと読む其は魔なるモノ 前編
- 前編 - ─ 序 ─ ひらひらと雪が舞う。 ここは鈴沖美宇が住む街から、電車で一時間ほど離れた場所にある海岸だ。 足元には腰までの高さの柵があり、その先には海へと続く断崖絶壁。 頬を切るような冷たい風が、美宇
もっと読む連鎖-影の咆哮 第二話
第ニ話 とある薄暗いマンションの一室。 この部屋は数日前に”邪神”を開放し、邪神に魂を売り払った女のもの。 そして女の名は水原陽子。 彼女は自分の体内に巣くった末期の病気を治さんがために邪神に近づき、封印を解きそして――
もっと読む連鎖-影の咆哮 第一話
第一話 悠久の時を漆黒の闇と過ごしてきた空間。 そこには闇以外の何者も存在はしない。 ”禁地”。そこはそう呼ばれていた。 地図からは、歴史からさえ抹消され、伝えることを禁じられた場所。 そこは誰も寄り付こうとしない魔の領
もっと読む其は打ち砕き、破壊せしモノ Vol.4_2
Destruction.4-2 ~其は全てを愛し、癒すもの~ - 5 - その言葉にオレは、真に歩み寄った。正面から真の目を見詰める。 この真は、本来の自我を持った真じゃあない。心の力・・・意思の一部を封印の維持の為
もっと読む其は打ち砕き、破壊せしモノ Vol.4_1
Destruction.4-1 ~其は全てをコワし、闇に帰すモノ~ - 5 - その言葉にオレは、真の首に手を伸ばした。 真が怯える顔を浮かべるのが、ゾクゾクする程楽しかった。 自分と同じ顔で、自分では浮かべる事の
もっと読む其は打ち砕き、破壊せしモノ Vol.4
Destruction.4 - 序 - ここはアメリカのとある州にある建物の中。打ちっ放しのコンクリートの壁に囲まれ、大き目のベッドが一つある。無骨な印象を与える床に置かれたベッドは、豪奢な天涯がついており、そこだけが
もっと読む其は打ち砕き、破壊せしモノ Vol.3
Destruction.3 ~其は聖浄なりし、白き巫女~ - 序 - 松明が、薄暗い室内をゆらゆらと揺れる炎で照らしている。決して明るくは無いが、その者達にとっては、十分役に立っている。 そこは、広い場所だった。部屋
もっと読むニャルフェス 第5話 ニャルフェスの戦い
第5話 ニャルフェスの戦い(1) なくなって始めて気づくもの。 それって一体何があるだろう? たとえば雑踏の音。 たとえばいつも行ってる公園の大きな木。 たとえばいつも吹いてた風。 たとえばいつも行ってた駄菓
もっと読む其は打ち砕き、破壊せしモノ Vol.2
Destruction.2 ~其は護国を願いし、猛き鬼~ - 序 - そこは、神経質さを感じるほど清潔に保たれた、質素とも言える部屋の中だった。そこには数人の男女が居合せたが、緊張した空気が身体に纏わりつくように漂って
もっと読む其は打ち砕き、破壊せしモノ Vol.1
- 序 - 意識が覚醒した。 ぼやける視線で周りを見渡すと、ここは洞窟の中のようだった。4メートルほど先に洞窟の出口があり、そこから先は木々が鬱蒼と茂っているのが見えた。 「あ・・・オレは・・・」 なんでこんな所に
もっと読むニャルフェス 第4話 ニャルフェスの謎(後編完)
第4話 ニャルフェスの謎(後編完) たえまなく、すぎてゆくもの。 けしてとどまることはない、もとにもどることもない。 ただひたすらすぎてゆくのみ。 ゆったりと、かくじつに。 うたかたに、おぼろに。 ゆめのごと
もっと読むニャルフェス 第4話 ニャルフェスの謎(後編2)
第四話 ニャルフェスの謎(後編2) 『花梨の場合』 「ボク、まけないもん!」 花梨が薄めの胸を張って、元気良く言った。 目の前では、カラスが三羽カアカアいっている。 そのカラスはいっつもかびたの周りに出没してた。
もっと読むニャルフェス 第4話 ニャルフェスの謎(後編1)
第四話 ニャルフェスの謎(後編1) 『由利亜の場合+おまけ』 由利亜はその日学校を休んでいた。 理由は誕生パーティを開くためである。 もっともそんなものは表向きのうたい文句に過ぎない。 パーティの参加者たちは、当
もっと読む淫麗童子 第Ⅰ章(その5)
第Ⅰ章(その5) ドコで狂ったのだろうか…ゴシック調のシルエットが特徴的な校舎の最上部を飾る大時計が未だ7時50分を指し示していた頃…ちょうど小麦色の肌の華奢な『幼い神魔』と所有されて日も浅い長身で秀麗な『雌奴隷』が7
もっと読む淫麗童子 第Ⅰ章(その4)
第Ⅰ章(その4) んぐっんぐっんぐっ… ちょうど校門から校舎の正面玄関を結ぶ煉瓦道から死角になった奥まった処…壊れた机や椅子等が幾つか積み上げられた場所で、『雌奴隷』岬にとっての不思議な体験は続いていた。 「か、霞さ
もっと読むニャルフェス 第4話 ニャルフェスの謎(中編)
第四話 ニャルフェスの謎(中編) 『玲子の場合』 “なにをいっているのだろう? このひからびた老人は?” 氷川玲子は、美しい瞳をわずかに曇らせた。 両親……いや氷川家の推し進めてきた縁談を断った結果がこれである。 「
もっと読む淫麗童子 第Ⅰ章(その3)
第Ⅰ章(その3) ど…どうしよう… 早朝の東京渋谷。 やっぱりマズい…よね… 閑静なエリアの一角、7階建て高級マンションの5階フロア。 うん、やっぱり、駄目だよ…ボク、もう一度だけ頼んでみよう… 上空は快晴。
もっと読む淫麗童子 第Ⅰ章(その2)
第Ⅰ章(その2) 夜の帳も下りた東京渋谷。 ずちゃ…ずりり…んちゅ… 歓楽街の喧燥を遠くに見下ろす、閑静な7階建て高級高層マンションの一角。 あむ…ぺろっ…ぺろぺろぺろ…コリコリ… マンション5階の一番奥まった
もっと読む淫麗童子 零章・第Ⅰ章(その1)
序章 東京の季節は2月も下旬近く。 不夜城と化した大都会の歓楽街も5時を過ぎる頃になると、表通りを往来する人の流れも劇的に波が引いていく。もう少しで夜の帳も明けるだろう。 日の出までは30分も無いだろうか。一段と冷
もっと読むニャルフェス 第4話 ニャルフェスの謎(前編)
第四話 ニャルフェスの謎(前編) 『かびたの場合』 「う~ん」 かびたが思いっきり背伸びをする。 すがすがしい朝だった。 いつもだったら、押しつぶされそうな悪夢に起こされてるのだけど。 でも、今朝は実にさわやかに
もっと読むニャルフェス 第3話 ニャルフェスの誤算(了)
第三話 ニャルフェスの誤算(了) 「なにごとかニャ、これは?」 お散歩から帰って来たニャルフェスが、部屋の中を見て言った第一声がそれだった。 6畳しかない小さな部屋の中には、7人もの男女が全裸でからみあっている。 「
もっと読むニャルフェス 第3話 ニャルフェスの誤算(5)
第三話 ニャルフェスの誤算(5) にちゃっ。 ぬちゃっ。 ぬぷっ。 粘液質の音が辺りにひびいている。 ギシッ。 ギイッ。 ギシッ。 硬質のものがきしむ音と一緒に。 「うんっ、あん、あんっ」 「かわいいこ…
もっと読むニャルフェス 第3話 ニャルフェスの誤算(4)
第三話 ニャルフェスの誤算(4) 少女には夢があった。 ささやかな夢。だけど少女にとって大切な夢。 あの人への想い。 やさしい人。だけどつよい人。 どんなカも、その人のやさしさを失なわせることはできなかった。
もっと読むニャルフェス 第3話 ニャルフェスの誤算(3)
第三話 ニャルフェスの誤算(3) かびたは、まいっていた。 ほんとに、まいっていた。 つくづく、まいっていた。 とことん、まいっていた。 いくら表現を変えてみても、まいっていることは全然変わらなかった。 注目
もっと読むニャルフェス 第3話 ニャルフェスの誤算(2)
第三話 ニャルフェスの誤算(2) そこは、砂漠のど真ん中だった。 すでに日が落ちて久しく辺りは凍てつく寒さに包まれている。 天頂には月が輝き、砂漠を青白く染め上げていた。 人気がない……というより、生命の気配が存
もっと読むニャルフェス 第3話 ニャルフェスの誤算(1)
第三話 ニャルフェスの誤算(1) 「今日は課題を与えるニャ」 唐突にニャルフェスが言った。 「えっ?」 かびたが視線を上げると、ニャルフェスが手帳のようなものを手にしている。 「えっ、えっ? なんなの?」 かびたは
もっと読むニャルフェス 第2話 ニャルフェスと復讐
第2話 ニャルフェスと復讐 かびたは平穏な一日を満喫していた。 なんか、ここ三日間心休まる暇がなかった。 性奴とかになってしまったさやかが、あたり構わずかびたにひっついてきて、 「淫らしいことを、ご命令してください
もっと読むニャルフェス 第1話 ニャルフェス降臨
第一話 ニャルフェス降臨 華美かびたは朝から思いっきし暗かった。 梅雨の明けた空はめいっぱい澄み渡り、これ以上ないっていうくらい世界は輝いているのに、なんだかかびたの回りだけどんよりと暗かった。 「はひっ~~」 気
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