第3話 「精神干渉って、結局のところ、精神体が振動する波長は合わせながら、振幅はこちらが強めにして、共振状態を主導するっていうことで正しいですか?」 「…………まったく、その通りだと思う」 メンターは頷く。ゆっくりと微
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共振 第2話
第2話 うっかりすると、呼吸をすることを忘れてしまうくらい、気まずい時間だった。同じソファーに座って、上体を捻るようにして向かい合っている伊吹と芽衣。吉住芽衣は今、セーラー服のスカートの裾を、自分の胸元の高さまで、両手
もっと読む共振 第1話
第1話 カランコロンカラン。 Cafe Diningグラス&ウールという名のお店は、木でできたドアを開くと、赤茶けたベルが、乾いた金属音を立てる。その音はどこか、牧場で飼育されている牛の首についた鈴の音を、芽衣に思い
もっと読むカースト越えて恋 5
第5話 「サクラ………。まだ帰れなさそう?」 「あ、ケンちゃん。………ゴメンね。あと2人だから、もうちょっと………10分くらいかな?」 「わかった。じゃ、図書室に本返してくるから、それから一緒に帰ろう」 浜岡ケンジは優
もっと読むカースト越えて恋 4
第4話 スマホを持つ、横田コウダイの手は震えていた。 「こ………これ、君。住居侵入罪じゃん。犯罪だぞ! 逮捕されるぞ!」 コウダイにスマホを手渡した黒沼エリーがニッコリ微笑む。あまり笑顔が似合わないキャラのためか、そ
もっと読むカースト越えて恋 3
第3話 鳥海シュウのいる2-Cには、稜聖学園高校のスクールカーストで言うところの、Eグループに属する底辺生徒がいなかった。結果的にDグループの陰キャであるシュウが、いじられたり馬鹿にされたりしてきた。それがここ1週間で
もっと読むカースト越えて恋 2
第2話 「すごいよな。やっぱ夢じゃねぇよ。可愛い子ちゃんたちが、みんなして俺たちの言うこと聞いてくれるぜ」 ノリユキはご機嫌の様子でシュンタと肩を組んでくる。シュンタが早退したいと言い出したのを聞いて、何かを感じたマコ
もっと読むカースト越えて恋 1
第1話 「え、お前、まだ藤沢さんのこと、ワンチャンあると思ってんの?」 「いーよ、駿太。スーパーポジティブ。SPだよ。スーパー・ポジティブ、でSP」 放課後の北棟校舎裏。秋冬は冷たい風が通り抜ける階段下の、「イケてない
もっと読む想い出の催ペットたち 5
-5- 吉浜家に久しぶりに唯香さん、杏奈さん、真尋さんの3人が集まった。最近では唯香さんは企業訪問。杏奈さんはイベント会社のインターンシップのために忙しかったようだ。真尋さんも小学校の音楽教師を目指しているので、教育実
もっと読む想い出の催ペットたち 4
-4- 夜の8時を過ぎたころ、吉浜孝輔が家に帰っていく。家の窓はカーテン越しにほとんどの部屋に灯りがついている。それを見て、孝輔の足取りが少し軽くなる。 思えば父の転勤があって、両親が家を空けるようになってから、根暗
もっと読む想い出の催ペットたち 3
-3- 「あ、シュー君………。ゴメンね。勝手に上がりこんじゃってます」 吉浜秀輔が玄関のドアを開けて、靴を脱ぎながら廊下に上がろうとしていると、階段の上、孝輔の部屋から、北岡唯香が顔を出す。最近は吉浜家に入り浸りとなっ
もっと読む想い出の催ペットたち 2
-2- 「……シュー君………。………あの、………今日ってコー君………」 真っ赤な顔で吉浜家の玄関に現れた北岡唯香は、身を縮めるようにしてモジモジと立ちすくんでいた。 「一日中、外出だよ。フットサルで埼玉まで遠征って言っ
もっと読む想い出の催ペットたち 1
-1- 「……あ、唯香さん。いらっしゃい」 北岡唯香が3度目のチャイムを鳴らした時、ドアを開けてくれたのは吉浜秀輔君だった。唯香は、出迎えてくれたのが、恋人の孝輔ではなくて、その弟だったことに少しだけガッカリしつつも、
もっと読む蟲の湧く星 後編
後編 <利岡正樹のビジョン> 「こうやって調べてると、社会性昆虫って、本当に人間とあんまり変わらないよね。もちろん、六脚とか成長過程での変態とか、外骨格とか、見た目は人間と正反対というくらい違い過ぎるけど、集団の中のヒエ
もっと読む蟲の湧く星 中編
中編 <利岡正樹のビジョン> 聖果ちゃんと付き合い始めて、3日がたった。始めは、毎朝学校に一緒に行くために、正樹の家まで迎えに来てくれる稲生聖果の献身的なルーティーンに少し戸惑った。聖果の家から学校に行く通学路からは大
もっと読む蟲の湧く星 前編
前編 <船持久実のビジョン> (学校サボっても、タモツもリツもキョーヤも遊べないんだったら、することないじゃん。リオたちも結局授業出ちゃうし………。使えない………。) 不機嫌を隠そうともせずに、久実は頬杖をついたもう片
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―下― ≪≪【催眠】 MC操られるモノの実話スレッド 【洗脳】 53≫≫ 1 ミドリ 2018年10月11日 23:07 新スレ立てますねー。 とりあえず、いつもの説明文。 このスレッドは実際にMC(他人の心を支配
もっと読む掲示板 上
―上― ≪≪【催眠】 MC操るモノの実話スレッド 【洗脳】 87≫≫ 1 匿名 2018年8月2日 23:07 新スレ立てるよー。 とりあえず、いつもの説明文。 このスレッドは実際にMC(他人の心を支配する)行為を
もっと読むレタッチ 後編
後編 「貴方が槙村航太君ね。陸上部は今、貴方の噂でもちきりよ」 航太と澄華の前に立っているのは、陸上部のキャプテンで3年生の姉川ツカサ先輩。アスリートとしての能力、キャプテンを任される人格もさることながら、抜群のプロポ
もっと読むレタッチ 中編
中編 タブレットに入っている、「レタッチ」というアプリは、基本的には直感的な操作を繰り返しながら、使い方を覚えることが出来る。メニューには一般的な操作法説明のリストはあったが、それほど懇切丁寧に使い方を教えてくれている
もっと読むレタッチ 前編
前編 「ゴン………ゴンゴン」 航太の部屋の壁を叩く音がする。 「ほーい」 「ゴン、ゴンゴン」 航太がデスクトップから目を離さないまま、気の無い返事をしていると、また壁が叩かれる。槙村航太の部屋は2階にある。そして音は
もっと読む若奥様と予備校生 後編
後編 (それじゃ、そろそろ締めに持ってくかな?その前に、メンテナンスも兼ねて、もうちょっとだけ、催眠状態を深めておくとしますか。) 小林礼二は、嬉しそうに鼻歌を歌いながら、裸にエプロン一枚で料理にいそしんでいる若奥様、
もっと読む若奥様と予備校生 中編
中編 「はーい、それじゃー、きゅうり、入りまーす」 軽いノリで礼二が言うと、遥は美貌を不安で曇らせながらも、息を飲んで頷いた。 「はい………。お願いします」 至近距離で礼二と目が合うと、恥かしさに思わず顔を背けてしま
もっと読む若奥様と予備校生 前編
前編 火曜日の9時、一旦掃除機を止めると、同じ階のどこかの部屋でつけっぱなしになっている、ワイドショーの音がかすかに聞こえてくる。それをかき消すように、好きな歌のさびをハミングすると、遥の気分はさらによくなる。今日もい
もっと読むブラック企業はやめられない エピローグ
エピローグ 営業3課の親睦会を開くことにする。週に一度の親睦ランチではない。昼の懇親混浴会とも違う。お酒の入る、夜の宴会だ。週休3日制に変えたり、有給休暇をぐっと取りやすくしたせいで、3課の全員が一堂に会することは珍し
もっと読むブラック企業はやめられない 後編
後編 「あの、深見君、……ちょっといいかな?」 従業員通用口を23:30に出ようとした時、守衛の高原さんに呼び止められる。夜勤を担当している、ヨボヨボのオジイサンだ。いつもは「お疲れ様です」としか言わない高原さんが、今
もっと読むブラック企業はやめられない 中編
中編 営業3課のスタッフ全員が、課の定例会議に出席することは珍しい。やり手の課長がパイプを築き上げた、多くの得意先を持っているので、担当者の誰かは欠席しているということが多い。中には半数以上のスタッフが外回りで不在な中
もっと読むブラック企業はやめられない 前編
前編 究文堂出版の本社ビルはJR水道橋駅と御茶ノ水駅の中間くらいの場所にある。営業3課があるのは5階の営業部フロア。深見幸輝にとっては、この前まで通いつめ、泊まりつめた、勝手知ったる我が家のような場所だ。いや、確実に我
もっと読むブラック企業はやめられない プロローグ
プロローグ アメリカでは、ゾンビ映画が人気らしい。映画好きに言わせると、ずいぶん前からそうらしいが、とにかく映画でもドラマでもゲームでも、ハロウィンの仮装でも、ゾンビが人気トップクラスだそうだ。考えてみると、ヨーロッパ
もっと読む21時のお茶会 後編
後編 「はい、私が手を叩くと、先生たちは目を覚まします。そして、幕が開いていきます。アシカさんたちの出番ですね」 パチンッ 凛の手が叩かれる音。リホとハルカが目を開くと、ちょうどステージの赤い幕が開いていくところだっ
もっと読む21時のお茶会 前編
前編 「今日も亜麻音ちんの部屋で集合ってことで良かったよね? さっき、みんなにLINE回したよ」 礼拝堂でのお祈りの時間が終わると、聖ジョセリン女学園・高等部の生徒たちは寮棟に戻り、各自の部屋で休憩する。班長の亜麻音の
もっと読む続GalacticChasing 後編
後編 「ちょっとダニーボーイってばっ。聞こえてるんでしょ? 私、こんな計画、聞いてないよね? 聞いてたら賛同しないもんね? ……私をだましたの?」 コックピットでミチル・ヒョードー特別公安調査官がヒステリーを起こしてい
もっと読む続GalacticChasing 前編
前編 『銀河同盟第2級特別公安調査官、ミチル・ヒョードー。官章発行機関は第1銀河系ルポニア星域刑部省。認証出来ました』 女性の声の合成音が告げると、管理官が手で合図をする。8人いる警護兵がレーザーショットガンを肩に預け
もっと読むうごけ 第2話
第2話 東新宿駅から徒歩5分の場所にあるアパートに御堂聖が住むようになって、2か月が過ぎようとしていた。やっと周辺を散策していても、道に迷う心配をしなくても良くなってきた頃だ。それでも、少し足を伸ばすと、ヒジリは簡単に
もっと読むうごけ 第1話
第1話 「ご両親と連絡を取ることは出来ないかな? ……これは、きちんとした診断をしなければいけないし、ちゃんと説明しなければならないことだと思ってる。実は、僕は医者として、この件に関して、100%の確証を持てている訳では
もっと読むエスパーコース2年生 後編
-2- 「んー。ケイゴ、人妻の人形遊びって、結局どう?」 マサトが、少し単調な声を出す。自分の感情を表さないように、出来るだけニュートラルに聞いているのは、優しさのつもりだ。 「ぶっちゃけ、俺はもう飽きたぞ。」 リョ
もっと読むエスパーコース2年生 前編
-1- 宮園学園高等学校は、最近偏差値を伸ばしつつある、新興私立高校。新しい教育の取り組みにも熱心で、5年前からは文部科学省のテストケース校に選ばれている。校舎や設備も新しいけれど、一番有名なのは、『エスパーコース』が
もっと読むノマドさんちの1週間 後編
後編 <火曜> 「桃花、起きなさい。」 ベッドの上から、指図する声。桃花の両目は不自然なほどパッチリと瞬時に開く。即座に眠りから覚まされていた。 「あれ・・・。お、おはようございます。ご主人様。今日も一日、よろしくお願
もっと読むノマドさんちの1週間 前編
前編 <日曜夜> 朝比奈家はその日、夕食は早めに軽く済ませて、家族みんなでコンサートに行く予定だった。朝比奈桃花も、母に言われて、よそいきの服に着替えて食卓についていた。父、母、2人の姉。みんなクラシックに親しんでいた
もっと読む湯けむりオヤジ浪漫 下
~ 下 ~ 「はい、撮影タイム終了―。皆さん下がって、後ろのお客様も見えるようにしてあげてくださいね。貴方たちの体の硬直も今解けますよ。そして同時に深―い眠りに戻る。さあ自分の元の席について。バスタオルを上げますから、そ
もっと読む湯けむりオヤジ浪漫 上
~ 上 ~ 「シノさーん。すんませんが、お湯加減、見てみてもらえますか? 女湯、男湯、どっちも仕上がって来たとは思いますんで。」 「ありがとう。ゴローさんの腕前は信頼してますけれど、女将の仕事ですので、一応、確認させて頂
もっと読む回路
河川敷の土手、電車が川を渡るところが一番良く見渡せる位置まで来て、僕は腰を下ろした。手にはファミチキ。川向こうでは草野球の掛け声が響いている。僕が、湿った草の上に腰かけると、制服のズボンを通して生暖かい、雑草の湿り気が
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後編 ダブルデートでプールに来るというのは、水島日菜子の提案ではなかった。彼氏の和馬と親友の亜里沙に、強引に約束させられてしまったのだ。日菜子と亜里沙は都立高校で男子バスケ部のマネージャーをしている。彼氏の和馬とキャプ
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中編 真っ白な背景の部屋で、悠生は女の人を裸にして、抱きしめていた。オッパイに吸いついて、もう片方のオッパイを手で強く掴む。柔らかくて白い肌は、昨日の「母」、悠美の体の感触。その裸の女の人も、悠生に触られることを嫌がっ
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前編 「ソー? ・・・ホワッドュユーセイ?」 「ワッデューセイ?」 「ワデューセイ?」 ラッパーでもないのに、一生懸命鏡の前で、ネイティブっぽい発音を口真似しながら、何度も繰り返す。学習机に置いた鏡に向かって、自分の発
もっと読むオナモミ亭
日の出横丁という飲み屋街がある。駅裏と地元の人たちが呼ぶ、JR駅の北側の地区だ。戦後は闇市がここに立って、ずいぶんと賑わったらしい。今では日の出というよりも、「斜陽」と言ったほうがしっくりくる。失礼だけど、もっと言うと
もっと読む生徒会ゲーム 第10話
第10話 「沙耶っ、またボヤッとしてるの? 本番始まるわよっ」 栞さんの眼鏡がキラッと光る。沙耶はビクッと肩をすくめて、気を付けの姿勢をとった。周りを見回して、自分の置かれている状況を理解する。 「あっ、はいっ。ゴメン
もっと読む生徒会ゲーム 第9話
第9話 「き、き、今日は久しぶりに、ご、五感を操作させてもらおうかな?」 可児田樹が嬉しそうに計画を発表するのを、ふてくされた生徒会役員6人が直立不動の姿勢で聞く。会長の高倉沙耶、書記の清橋優奈は不安げに眉間に皺を寄せ
もっと読む生徒会ゲーム 第8話
第8話 最近の可児田樹は、学校へ向かうにも足取りが軽い。朝一番にスマホをチェックすると、小峰駿斗と清橋優奈から添付つきの着信が入っている。開いてみると、2人が全裸で互いの体に生クリームを塗りたくって舐めまわしているプレ
もっと読む生徒会ゲーム 第7話
第7話 翌日、日曜日の朝から、生徒会役員は全員集合。不満げな顔つきで区民体育館の前に集まった彼らは、お互いの格好を見て目を見合わせていた。 「や、やあっ。昨日はみんな、オシャレな格好だったけれど、今日はさらに、せ、セク
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