最終話 さくら咲く、その場所で さくらがいなくなってから1ヶ月……。 あれから、時間を見つけては俺と春奈とで人の集まる場所を探したけど、さくらは見つからなかった。 その日も、学校の帰りに少し遠出してみたけど、さくら
もっと読む「吸血鬼」
さくらの花の咲く前に
※このお話は、『居候のさくらちゃん』のさくらが、まだ日本に来る前のお話です。 ――1920年代はじめ、ユーゴスラヴィア王国、プリモルスカ地方(現:スロベニア、プリモルスカ地方) 「ううっ、お腹空いたよぉ……」 一歩
もっと読む居候のさくらちゃん 第5話
第5話 押しかけてきた吸血鬼ハンター そして、次の土曜日。 「慎介お兄ちゃーん!さくらお姉ちゃーん!早く行こうよー!」 部屋の戸を開けて、春奈が俺たちを呼ぶ。 この週末は、俺とさくらと春奈で遊びに行く約束をしていた
もっと読む居候のさくらちゃん 第4話
第4話 新しい家族 そして、それから……。 「おーい、さくら、腹減ってるんじゃないか。俺とセックスでも……て、うわっ!?」 そろそろさくらが腹を空かせてる頃だと思って誘ってみると、いきなり顔を近づけてきて舐め回すよう
もっと読む居候のさくらちゃん 第3話
第3話 吸血鬼の眼 「だからっ!無茶したらダメだって言ったでしょ!」 目が覚めたら、ベッドの脇でさくらがプリプリ怒っていた。 「……ええっと、今何時?」 「もう11時だよ!」 「……朝の?」 「当たり前じゃないの!」
もっと読む居候のさくらちゃん 第2話
第2話 なぜかどうして同棲生活? 「……ん?」 ここは……俺の部屋だよな? 目が覚めると、床に寝ている自分に気づく。 うちのアパートはけっこうなボロだけど、昔の造りだから家賃が安いくせに部屋がふたつ付いてる。 俺
もっと読む居候のさくらちゃん 第1話
第1話 行き倒れの女の子 ――俺の住むアパートの前に行き倒れがいた。 「んー?」 それは、コンビニバイトの夜勤明けから帰ってきた時のことだった。 何か、路上に俯せで倒れていた。 最初は、てっきり酔っ払いが寝ている
もっと読むBloody heart 八話
八話 「んっ……ぐっ……ぁ」 首筋に突き立てた牙が、容赦なくその生き血を啜りあげて行くと同時に、快楽を伴ないながら従属と支配の毒を送り込む。 ガクガクと快楽に震えながら、愛液と母乳を漏らす佐奈の体を抱きしめつつ、俺は
もっと読むBloody heart 七.二話
七.二話 「ここは……」 椎野に抱えられて辿り着いた、木造二階建ての安アパートの二階。 そこの一室に降り立って、景色を見た瞬間。 「……痛っ!!」 激しい頭痛が走り、俺は思わずその場に立ちすくんだ。 「セイ君……」
もっと読むBloody heart 七.一話
七.一話 「っ!!」 四点式の本格的なシートベルトのついた車に、生まれて初めて乗せられた俺は、発進直後にその装置の意味を知った。 真っ赤なスポーツカー……特徴的なフォルムとエンジン音からマツダのRX-7だとはすぐに分
もっと読むBloody heart 七話
七話 「……えへへへ♪」 穏やかな笑顔を浮かべ、布団の中で、佐奈が体を寄せてぴったりとくっついてくる。 「どうした、佐奈?」 甘えてくる佐奈の頭を、やさしく撫でてやると、本当に幸せそうに目を細めた。 「あのね……あっ
もっと読むBloody heart 六.一話
六.一話 「しっかし……」 俺は、遠藤の今の姿を見た感想を、素直に口にした。 「相変わらずコスプレじみた格好がメチャクチャ似合うな。中学の文化祭の『コスプレ喫茶』の事件を思い出すよ」 さて、以前何かの折にも触れたかも
もっと読むBloody heart 六話
六話 「納得いかない」 ナタリアが学校に通い始めて最初の休み時間。 「え?」 「いや、激しく納得いかないんだけど、ちょっと質問に答えてくれないかな?」 転校生という珍獣を見る視線も意に介さず、ナタリアの奴が俺に食って
もっと読むBloody heart 五.一話
五.一話 「さて、どうしたものやら」 大和の主砲で消し飛んだ裏山を見ながら、俺は途方にくれていた。 いや、まいった。マジで。いろんな意味で。 だって……大和だぞ? 戦艦大和だぞ? 小学生くらいのガキの頃、御先祖様
もっと読むBloody heart 五話
五話 「一点、一点、一点、こちらが二点……以上、一二点で合計、二千飛んで三四円になります」 精一杯の営業スマイルを浮かべながら、夕食の買出しに来たオバハンから、千円札二枚と五〇円玉を受け取る。 「ありがとうございます、
もっと読むBloody heart 四話
四話 「ちゅぷっ……ちゅぽっ……んっ……」 股間を蠢く感触に、意識が覚醒していく。 朝。 吸血鬼にとって本来睡眠の時間だが、学生生活を営む伊藤清吾にとっては、通学の時間だ。 起きなくてはいけない。 そうおもった
もっと読むBloody heart 三話
三話 「アスカ・ヴァレンシュタインです。よろしくお願いします」 朝のHR。 教壇に立つ、金髪の美少女は、深々と一礼し…… 「そして、さようなら」 次の瞬間、俺と佐奈に向かって『予想どおり』懐から拳銃を抜き放ち、発砲
もっと読むBloody heart 二話
二話 「……熱い」 日光の下を歩く事が、これほど鬱陶しい事とは、思わなかった。 「ちくしょう、残りの学生生活、延々とコレ繰り返せってのか」 ジリジリと肉体を蝕む、日光の中、俺――伊藤清吾は歩き続けた。 まあ、仕方が
もっと読むBloody heart 一話
一話 「では、2-Cの出し物は、お化け屋敷に決定します」 『おばけ屋敷』と、白いチョークで黒板に書かれた文字の上に赤いマルが描かれ、拍手とブーイングが教室を満たした。 「あー、マージーカーヨー。ゼッテーコスプレ喫茶店だ
もっと読むおねえさんの下僕になって 7
第七夜 美子の前に出現したのは、妖怪の世界からやってきたという使者を名乗っていた、宇宙人のような姿でもあったが、宇宙に住んでいるわけではないという前置きもしていた。 「あ、あなたは…。」 「ふふふふ。小川美子さんとやら
もっと読むおねえさんの下僕になって 6
第六夜 百合樹が美子の家を出ていったのを見計らって、美子がひとりしかいなくなったと思った犬は、いまが復讐のチャンスとばかりに行動を起そうとしていた。 (よーし、あの窓が開いているぞ。自分の身体ならなんとか入れる。)
もっと読むおねえさんの下僕になって 5
第五夜 「ワン、ワン、ワン。」 おや?司会者をやってクビになったはずの犬が、いったい何をしているのだろうか。 「ワン、ワン。」 「いいぞ、おまえ、だいぶ飛ぶ距離が長くなったな。ただ、足の早さは平均よりイマイチだな。」
もっと読むおねえさんの下僕になって 4
第四夜 (毎度、ごひいきに。また春をつれてまいりました。なお、いつもの犬は干支も変わったことでこのたび司会を辞任致しましたので。) 百合樹は、美子の入っていた病院の前で、おちつかない状況のままその夜を過ごしていた。 「
もっと読むおねえさんの下僕になって 3
第三夜 (ひい…ひい…いたたた。 【会場より、犬どうした、の声】 しっぽを…、しっぽを、ほら、このとおり。人間の女性にかみつかれたんですよ。 犬が人間にかみつくことはありますが、人間に犬がかみつかれるなんて前代未聞
もっと読むおねえさんの下僕になって 2
第二夜 (みなさん、こんばんは。 【会場より】こんばんは。 はーい、御声援ありがとうございます。 あ、実はすごく嬉しいお知らせがあるんです。 【会場がシーンとなる】 やだなあ、結婚じゃないですよ。 何って?実
もっと読むおねえさんの下僕になって 1
第一夜 (みなさん、残暑見まい申し上げます。 本当にまだまだ暑いですね。 また、僕の出番はないからと、じゃあこれでもやれって言われて、僕は案内係をやっている犬です。 今度は、また何の話を送ってきたのかっていうと、こ
もっと読む聖十字性戦 第五幕 後編
第五幕 後編 ・・・・・ズゴガガガガガガンンンッッッッ!!!!! 「な、なに!?今の音は?」 私は多大なる疲労によって寝ていたところを強制的に起こされた。 ・・・・しばらくすると音は鳴りやんだのだが・・・・また誰か
もっと読む聖十字性戦 第五幕 中編
第五幕 中編 「うっ・・・・あ、朝なの?」 私はこの部屋にたった1つある窓から入る光で目覚めた。 私は体中を襲う虚脱感から昨日あったおぞましき凌辱が本当にあったことだと伝えてきた。 「おいおい、よく見ろよ。 今は朝
もっと読む聖十字性戦 第五幕 前編
第五幕 前編 へへへ・・・。 先日堕とした牝奴隷どもは意外に使えるぜ。 もともと、実戦訓練などやっていたから新しい居城への引っ越しも楽だった。 実験の道具や大量の魔術の本も集まれば、運ぶのも一苦労だしな。 人間
もっと読む聖十字性戦 第四幕
第四幕 (やはり、ただ復讐するだけではつまらぬ・・・。なにかもっと絶望を振りまき、畏怖され、恐怖を印象づけるような。欲を言えば、敗北したら忘れられない屈辱を味あわせるような・・・・。そういえば、昔の魔術書がまだ大量にあっ
もっと読む聖十字性戦 第三幕
第三幕 「・・・ん・・ここは?・・・」 (たしか、私は気を失って・・・) 「ああ、やっと目がさめたんだね、姉さん」 「クリス・・・うっ!なんだその服は?」 ニーナが気がつき、最初に目にしたものは、妹の変わり果てた格好だ
もっと読む聖十字性戦 第二幕
第二幕 『第十三聖炎(せいか)隊』それは、信徒四千万とも言われる『聖パトリシア教団』の対中級~上級の魔物(邪神含む)撃破殲滅用の秘密部隊である。 構成員は、13人で『第一~第十二聖歌隊』の隊長(女性もいる)と教皇の最
もっと読む聖十字性戦 プロローグ+第一幕
プロローグ + 第一幕 暗い闇の底、光すらとどかない闇の奥底、そこは太陽の神すら照らすことはできないであろう闇の空間だった。 生物などが存在することなど不可能だと誰もが思うが、“あれ”はいた。 まるで、最初からそこ
もっと読む男の子の夜が怖くなる 続 第七夜
続 第七夜 目がさめると、同じ保健室では何事もなかったような感じだった。そこには恭子もすでにいなかったし、となりのベッドもあいていた。 ぼくは起き上がって保健室を出ようとしたが、その時に首から肩のあたりになにかむずか
もっと読む男の子の夜が怖くなる 続 第五夜
続 第五夜 伊久代の部屋で待っていた、奈美佳のところに、伊久代が戻ってきた。しかも、奈美佳があこがれていた利佐矢をつれてきたのである。 「さ、ほら、彼をつれてきたわ」 「えっ?」 「奈美佳のことも、言っておいたわ。彼、
もっと読む男の子の夜が怖くなる 続 第一夜
続 第一夜 由美男の住んでいる家の近くでは、以前から由美男の姿を見つけて胸をときめかせている少女もいたのである。 その少女は、由美男の母親が教員をやっているという女子高校にこの春入学が決まったばかりだった。つまり、由
もっと読むBLOOD DEMON 第3節
第3節 「ふぁ~あ、あれ?ここどこ?」 小林が目覚めたようだ。 「俺の家だよ」 「あれ?阿久津君?何でここに?もしかして!」 バッと小林が被っていた布団の中をのぞいたので俺はすかさずに言った。 「何にもしてねーよ!」
もっと読む男の子の夜が怖くなる 第七夜 少学生時代の体験から…
第七夜 「少学生時代の体験から…」 ぼくの少学校はマンモス学校で、クラスが六組まであった。高学年になってクラス替えが行われたので、初めてお目にかかるという顔ぶれも多く、朝礼でとなりのクラスになる子もまたそうで、そのなか
もっと読む男の子の夜が怖くなる 第六夜 妹の友達に…
第六夜 「妹の友達に…」 ジリジリジリ…。 摩緒が目をさました。 「ふわー、まだ寝ていたい」 だが、学校があるから、寝坊していられないと、眠い目をこすりながら、パジャマを着たまま摩緒は洗面所へ行こうとしていた。しかし
もっと読む男の子の夜が怖くなる 第五夜 好きでもない女の子にも…
第五夜 「好きでもない女の子にも…」 ここは、都内にある厨学と高校がいっしょになった私立の男子校で、それも意外なほど静かな環境に建てられている学校である。 わけでも、少し変わった特徴なのは、美男子の非常に多い学校と言
もっと読む男の子の夜が怖くなる 第四夜 年下のいとこが…
第四夜 「年下のいとこが…」 夏休みに入ってまもない頃、沙也夫の家に久しぶりの来客があった。沙也夫のママの妹、つまり叔母にあたる者が、ひとり娘、つまりこれも沙也夫にとっていとこになるが、その久美子をつれて二年ぶりぐらい
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第三夜 「同級生の女子生徒が…」 六月の梅雨が続く湿っぽいある日のこと、厨学二年生の真美也は、体調を崩して保健室にかけこんでいた。先月受けた定期試験の成績が悪くて親に叱られていたため、勉強時間を無理やりふやされていたた
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第二夜 「近所のお姉さんが…」 少学五年生に進学した百合樹は、クラス替えもあって四年生までの雰囲気と大きく気持ちが揺れ動く時期でもあった。 そのひとつにはもちろん、異性への興味もあった。しかし、彼の心の中は自分の学校
もっと読む男の子の夜が怖くなる 第一夜 母親が…
第一夜 「母親が…」 由美男は、高校三年生になり、十八歳の誕生日を迎えようとしていた。 その日は、この年はちょうど日曜日にあたっており、ずっと外国で仕事をしている父親も帰国して翌朝にはいったん家に寄り、近くの女子校で
もっと読むBLOOD DEMON 第2節
第2節 「いやぁぁ!」 スパァアン! 「うわぉぉぉぉ!!」「きゃあああああ!」 心地よい音が響いた瞬間、静まっていたギャラリーはまるで狂ったような興奮と共に発狂した。 ざわざわ「やっぱり、阿久津はすげーよ」「相手は
もっと読むBLOOD DEMON 第1節
第1節 ピーンポーン いつもと同じ時間。いつもと同じタイミングでチャイムがなった。 俺は急がずに身支度を整えて忘れ物はないかなどを確認して家を出た。 「はいはい。今出るよ、ったくいっつも早え~んだよ。あいつ」 ガ
もっと読むMIND VAMPIRE 第三章 「再会と裏切り」
暗い通路の緩やかな下り坂を二つの人影が下りていく。そのうち片方の手にはたいまつが握られていた。ゆらりゆらりと揺れる真っ赤な炎は二人の進行方向をほんの少ししか照らし出してはくれない。 たいまつを持ち、前を歩いている
もっと読むMIND VAMPIRE 第二章 「悦び」
その男、マリク・マーキスは強力なマインドヴァンパイアである。 かつては地上で人間の魂を好きなだけ貪った彼であったが、ある日突然、地中深くにその身を隠してしまった。 確かに地上では食事に困らない。だが煩わしい人間達は
もっと読むMIND VAMPIRE 第一章 「闇の住人」
遠くから獣のものらしき咆哮が何度も聞こえてくる。 その度に壁に落ちた細い影がビクッと震えた。 「早く、早くみんなを見つけなくちゃ……」 影の主、セシル・アングラードは自分に言い聞かせるように呟いた。もし魔物に遭遇し
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