第1話 前編 人の心って何だろう?もし自分が自分の意思だと思って心の中で考えている事が、他人から植え付けられているものだとしたら? 例えば教育。どこかの国のように、生まれた時からその人の為だけに生きていかなくてはなら
もっと読む「催眠」
わたしのごしゅじんさま 第3話
第3話 ~嬉し恥ずかし初でぇと~ ・Slave-01 そっと指先にキス。 高感度の感覚器が集中している指先は、ちゅっという音とともに、私にささやかな快感を伝えてくれる。 左手が、右手を捧げ持つように、動いた。 こ
もっと読むドールメイカー・カンパニー3 (6)
(6)取引 部屋の真ん中で生臭い匂いを発散させながら、5人の男達が絡み合っている。 蘭子は目の前で開始されたその狂態をチラッとだけ見ると、すぐにプイッと視線を逸らした。 ヤクザ達には相応しい復讐だったが、その光景は
もっと読むドールメイカー・カンパニー3 (5)
(5)復活! 道を行く軽トラックの音・・・ 蘭子がふと目を覚ますと、最初に耳に飛び込んできたのがそれだった。 ゆっくりと視線を巡らす。 すると薄暗い部屋の天井が見えた。 もうすっかり見慣れた監禁部屋の天井である
もっと読むドールメイカー・カンパニー3 (4)
(4)女衒 あの日から、一体何日経ったのだろう・・・ 蘭子はベッドの上で気が付くと、ボンヤリとそう思った。 しかし、疾うに日にちを数えることを諦めてしまっている蘭子には、もうその答えを探ることは出来なかった。 荒
もっと読む事件 女優に何が起こったか?
――世の闇が、ふと世界にまろびでることがある。 しかし普通の人はそれを目の当たりにしても、その意味すら気が付かない。 裏の空気を知るものだけが、「やったな、あいつ」と気付くのみである―― 俳優、田辺健は白血病で何度
もっと読むドールメイカー・カンパニー3 (3)
(3)調教 事務所のある市街地から車で1時間ほど北上したところにその村はあった。 山沿いの集落で、今は僅かな老人を除いて殆ど暮らす者もいない典型的な過疎の村である。 その村の中でも一番の山沿い、最も外れにある1軒の
もっと読む変わらない日常 第2話
第2話 「ねえねえ、健輔!」 昼休み。一人わびしく食事を終えた僕は、それを見計らっていたかのように声を掛けられた。声の主はもちろん、美帆子の奴だ。 「ん?何だ?」 美帆子は先日の留美の一件があっても、僕との接し方を変
もっと読むドールメイカー・カンパニー3 (2)
(2)罠 1台の真っ赤なセラが高速を北上していた。 冬とはいえウィークディの昼下がり、さすがにスキーやボードを載せた車はあまり目につかない。 代わりに見かけるのは荷物を満載したトラックや観光バスばかりであり、その可
もっと読むドールメイカー・カンパニー3 (1)
(1)プライド その町の中心もやはり官庁街だった。 県庁舎を中心にオフィス・ビルが立ち並び、最寄の駅の周りには、デパートとシティホテルがどこかで見たような配置で聳え立っている。 どんよりと曇った冬のある朝、多くのサ
もっと読むドールメイカー・カンパニー3 プロローグ
第1幕 魔女の屈辱 プロローグ 契約締結 シティホテルのカンファレンス・ルーム・・・ その中の一番小さな一室で、今6人の男たちが会議テーブルに着いていた。 3人ずつ、2組に分かれ向き合っている。 しかし、どうにも
もっと読むmemory 第二話
第二話 ふざけるな!それは俺の名前じゃないか! 『ん?そうだぞ、俺はお前だ。そして催眠術師。なにもふざけちゃいない』 「存在自体がもうふざけてるんだよ。もういい、頼むから加奈と静香さんを元に戻してさっさと消えてくれ
もっと読むmemory 第一話
第一話 遠い昔の記憶・・・ 近所の市営グラウンドに大きなテントが設置されている。 宮本サーカスの地方巡業、ちょうど今、「マンション宮本大催眠術ショー」が行われているところだ 右手に幼馴染の茜ちゃんの手を握り、左手
もっと読むわたしのごしゅじんさま 第2話
第2話 ~はじめての・・・~ ・Master-01 男が出す匂いとは、どこかが決定的に違う汗の匂い。ちょっと嗅いだだけで汗の匂いと判るのに、不愉快な感じのしない・・・それどころか、もっと深く嗅ぎたくなるような、匂い。
もっと読むわたしのごしゅじんさま 第1話
第1話 ~おおきなくりの木のしたで~ ・Master-01 ぼくの名前は佐原道明。今、世界でもっとも幸福な高校生だ。 身長は151cm(でも、測る時に微妙に踵を浮かせてたのは秘密だ)で、友達連中には小動物系なんて言わ
もっと読むなみのおと、うみのあお Other2 -由布-
- 1 - 「ふぅっ」 私は大きく息を吐いて、ソファーに腰を下ろした。自分の部屋に戻ってこれだけ落ち着くというのは、やっぱりそれなりに緊張していたからだろう。 今日は、明聖高校に赴任した当日。いくら先生って仕事は慣れ
もっと読むマイナス×マイナス 1話 平和な世界 後編
【第一話:平和な生活】 後編 テレパス同士の会話を他人が聞いたらどう思うか。 多分、《チューニングを合わせている最中のラジオ》を聞いてるかのように感じると思う。また、人によっては《傷が入りまくったCDを再生する音》み
もっと読むマイナス×マイナス 1話 平和な世界 中編
【第一話:平和な生活】 中編 大体にして、一日最後の授業という物は眠い。 しかも、その授業が世界史ともなれば、はいどうぞお休みください、と言っているような物だ。 と、言うわけでクラスの大半は机につっ伏して寝ている。
もっと読むマイナス×マイナス 1話 平和な世界 前編
【第一話:平和な生活】 前編 「平和な生活?」 ――そう、平和な生活。 俺は、頷く。 「あはっ! あはははは、キミの口からそんな言葉が出るとはね。あはは」 一瞬驚いたように目を開き、その後お腹を抱えて笑い出す。 ――
もっと読む望み 第五話:吉岡 義男
第五話:玉川 義男 今日も義男は豊子の家にいた。このところ毎日のように顔を出している。 義男がいつ顔を出しても、豊子はいて、義男を迎えてくれる。 初めは依子に連れてきてもらっていたが、そのうち義男は一人でも豊子のと
もっと読むマイナス×マイナス プロローグ
「狂ってる?」 彼女は、首をかしげながら聞き返す。 ――ああ、俺は、狂っている。 「なんで?」 首をかしげたまま再度聞く。 ――確定事項で改変不可能。世界が正なら、俺は負、世界が負なら、俺が正。 「――アハハ、そ
もっと読む望み 第四話:玉川 豊子
第四話:玉川 豊子 キーンコーンカーンコーン。 「あー、終わった、終わったーっ」 義男はぐっと伸びをして、凝り固まった筋肉をほぐす。 首を振って、こきこきと鳴らすと席を立ち上がった。 「部活に行くかーっ」 そう言
もっと読む望み 第三話:玉川 依子
第三話:玉川 依子 あれから数日が経った。 どうやら、楠はちゃんと思い出せないようで俺を見ても怯えることはなくなった。 一時はどうなることかと思ったが、これで安心だ。 「おい」 突然、声をかけられて振り向くと、そ
もっと読む望み 第二話:楠 風音
第二話:楠 風音 「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」 学校を出るなり走って帰ってきた。 こみ上げてくるうれしさがたまらなかった。 家に帰ると、ソファーに身を預け、薬の瓶を眺め見る。 すげぇ、すげぇよあんちゃん。
もっと読む望み 第一話:あんちゃん
第一話:あんちゃん ある秋の日のことだった。 俺の前にこれが転がり込んできたのは。 持ってきたのはあんちゃんだった。 部活が終わって、家への帰り道。ばったりとあんちゃんにあった。 あわなくなったのは一体いつ
もっと読む教材室の幽霊
「あれ?」 テスト作りのために休日出勤してきた咲 香苗(さき かなえ)は疑問の声を上げた。 テスト前で部活動禁止なのにも関わらず、校舎内に生徒の姿を見かけたからだ。 よくは見えなかったが、あの特徴的な長い黒髪は校内
もっと読むワスレナグサ 一話
一話 偽りの傷跡 *** 男の手が、その柔らかい胸に伸びる。少女はどこかとろんとした恍惚の表情のままそれを見ている。 大きめの手がその胸を掴み怪しく動き始めた。 「はあ…」少女から吐息が漏れる。少女は制服、男は白衣
もっと読むヤドカリ 後編
- 後編 - 「ん・・・」 さつきの口から声がもれると、閉じられていた目がゆっくりと開いた。 「あれ・・・私・・・?」 彼女は眉に皺を寄せた。 何をしていたのかを思い出そうとしたのだが、頭がぼうっとしていて何も考え
もっと読むヤドカリ 前編
- 前編 - 太陽が沈み始め、道行く人は家へと足を速めている。 丹羽さつきもその一人だ。 「遅くなったわね・・・」 顔を曇らせ溜め息混じりにもらしたさつきの声は、茜色の空に消えていく。 そんな彼女の前に若い男の二
もっと読むドールメイカー・カンパニー2 (32)
(32)気の荒い女神達 暖かな日差しが射し込む豪華な個室の病室で怜はベッドに腰を掛けていた。 1ヶ月あまり過ごしていた入院着やパジャマ姿ではなく、今はコットンシャツにジーンズの格好になっている。 つい先ほど主治医の
もっと読むドールメイカー・カンパニー2 (31)
(31)初対決 「あ・・・何か来る」 広大な庭を囲う3メートル以上もあるフェンスの向こう側を、何かが凄い勢いで駆け抜けていることに“きつね”くんは気付いた。 おそらく未舗装の道を行く車だろう。 フェンスの上部から舞
もっと読むドールメイカー・カンパニー2 (30)
(30)決着・・・そして 「うわあっ!」 男の声で絶叫が上がった。 「ひゃあっ」 「きつねさまぁっ!」 その突然の出来事に“くらうん”は腰を抜かし、諒子は“きつね”くんの前に身体を割り込ませた。 そして“きつね”く
もっと読むドールメイカー・カンパニー2 (29)
(29)逆転の罠 軽いクラクションの音で振り返ると、そこに見覚えのある車が止まっていた。 「こっち、こっちっ」 冴えない中年の男にそう呼ばれてもちっとも嬉しくないのだが、“きつね”くんはちょっと肩を竦めてから素直にそ
もっと読むドールメイカー・カンパニー2 (28)
(28)再生 そこには闇が居座っていた・・・ 小春日和の暖かな日差しが部屋を明るく照らしているのに、京子には健志の座る一角だけはまるで照度が落ちているかのように暗く感じられた。 まるで闇の結界が張られているようだっ
もっと読むドールメイカー・カンパニー2 (27)
(27)健志の罠 穏やかな新春の日差しに照らされたその神社は、多くの参拝客で賑わっていた。 坂田勇作はそんな人ごみからようやく抜け出すと、近くのコーヒーショップでどうにか席を確保し、一息ついていた。 「ふぃ~・・・疲
もっと読むドールメイカー・カンパニー2 (26)
(26)それぞれのラスト・ディ ドアがガラッと開いた。 入って来たのは石田諒子だった。 学校の授業でよく着ていたグレイのスーツ姿で、ヒールを履いている。そして片手には出席簿のような黒いファイルとプリントを抱えていた
もっと読むドールメイカー・カンパニー2 (25)
(25)封印 コンコン・・・ 部屋の扉がノックされた。 既に時計の針は深夜0時を指そうとしている時刻だ。 無論、部屋の明かりは落とされ、微かに枕もとのランプだけが淡い光を灯している。 最上階に位置するこの部屋の
もっと読むドールメイカー・カンパニー2 (24)
(24)潜伏と雌伏 懐かしい場所だった・・・ 昔、二人で歩いたことがある道だった。 『そうだったよね?』 『ええ。そうね』 その低めの落ち着いた声も耳に残っている。 そっと手を伸ばせば、暖かい掌の感触もハッキ
もっと読むドールメイカー・カンパニー2 (23)
(23)約束の日(後編) 健志は自分の下腹部に押し付けていた諒子の顔をゆっくりと引き離した。 すると口の中から諒子の唾液と自らが分泌した粘液でテカテカと光った肉棒がぞろりと引き出されていった。 「諒子ぉ・・・へへへっ
もっと読むドールメイカー・カンパニー2 (22)
(22)約束の日(前編) 諒子はその日、いつに無くゆっくりと起床した。 いつもは休日でも8時には目を覚ましているのだが、今日はふと目を開けると枕もとの時計が10時を指していたのだ。 「う~んっ、良く寝たわぁ」 布団
もっと読むドールメイカー・カンパニー2 (21)
(21)チェイス! 車が出発して5分も経った頃か・・・ 「あっ・・・ちょっと、止めて」 後部座席に諒子と美紀に挟まれて座っていた“きつね”くんが急に目を開けると運転手にそう言った。 「なんだ?“きつね”」 助手席の
もっと読むドールメイカー・カンパニー2 (20)
(20)後始末 「こ・・・こりゃぁ・・・ひでぇ」 2階から駆け下りた“あらいぐま”は真っ先に武道場に降り立つと、怜のもとに駆けつけその惨状を目の当たりにした。 怜は気を失って倒れ伏していた。 ジーンズの裾から無防備
もっと読む琴音の店
琴音の店を訪れるのは久しぶりである。東京都内でも有数の盛り場の一角に、彼女の店が入居している雑居ビルがある。 ビルの前の通りでは、花売りの婆が商売をしていた。ちょうどいい、俺は適当な花束をみつくろって金を払った。
もっと読むドールメイカー・カンパニー2 (19)
(19)心の折れる時(後編) その少年に誰よりも早く気付いたのは、“あらいぐま”ではなく怜だった。 二人の対峙を真横から見ていた怜は、5人の見学者達が居る2階席の真下にある扉が開いたのを目撃した。 訝しむように視線
もっと読むドールメイカー・カンパニー2 (18)
(18)心の折れる時(前編) 「さぁ~てっ・・・いよいよクライマックスですかぁ?」 2階席から固唾をのんで事態の進行を見詰めていた“くらうん”は誰にとも無くそう言った。 「あの野郎・・・大丈夫なんかぁ?ちょっとあの女の
もっと読むドールメイカー・カンパニー2 (17)
(17)諒子の決意 はあ、はあ、はあっ・・・ 月明りに照らされた階段を勇作は一心不乱に駆け抜けていた。 (バカだ、バカだ、バカだっ!俺は何てバカなんだっ。時間が無いのに何てことだっ!) 図書館で時間を潰していた勇
もっと読むドールメイカー・カンパニー2 (16)
(16)公開調教 冬の日暮れは早い。 夕方5時にはスッカリ辺りは闇に覆われていた。 私立栄国学園高校も校舎にポツポツと明りが見える他は、野球部のグラウンドの照明も落された今、街灯から洩れる僅かな明りしか無かった。
もっと読むドールメイカー・カンパニー2 (15)
(15)運命の交差 坂田勇作は、少し焦っていた。 そしてその原因は諒子先生にあった。 勇作は諒子の国語の授業をいつも楽しみにしていた。 ハッキリいって諒子の授業はとても厳しいものである。 しかし・・・ モデル
もっと読むドールメイカー・カンパニー2 (14)
(14)踏み外した一歩 翌朝、“きつね”くんが怜を伴い社長室の扉を開けると、“くらうん”はパッと顔を輝かせた。 「おはよう、“きつね”くん。随分眠そうですね」 “くらうん”はそう言って“きつね”くんに話し掛けながらも
もっと読むあなたのために、できること
日は傾き、空は茜色に染まっていた。 複雑な陰影を刻む雲の隙間からは、気の早い星々がうっすら光っているのが見える。 雑居ビルの屋上に立っている詩穂は、移ろい行く空を眺め、じっとその時を待っていた。 わぁ──っ!!
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