落ちこぼれのレイニー・ブリスルスハート 第4話

-4-  森の中で一人、息を潜める。  おそらく何かの作業場か小屋のあった場所なのだろう。崩れた廃屋跡と、切り拓かれたスペースがあった。ノベル兵たちの集合場所にもなっているのか、大勢の屈強な兵士がウロウロしている。  場

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落ちこぼれのレイニー・ブリスルスハート 第3話

-3-  学院に戻ってきて、しばらくは平和な毎日が続いた。 「せーんぱいっ」  昼休みに廊下を歩いていたら、鈴の音とともに呼び止められる。振り返ると、『後輩↓』という文字を頭上に浮かべたモモがニコニコしていた。  うむ。

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落ちこぼれのレイニー・ブリスルスハート 第2話

-2- 「うっそでしょ、こんなところでもうへたれちゃうんですか? これっておそらく最短記録ですよね、きっと報告書を読んだ先生も失笑ですよね、恥ずかしいですねー」  わずか数マイメーター歩いただけで腰の痛みを訴えてへたれる

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落ちこぼれのレイニー・ブリスルスハート 第1話

-1-  落ちこぼれのレイニー・ブリスルスハート。  当然、俺の本名は後半の部分だけなんだけど、学校のみんなには、わざわざ長ったらしくこう呼ばれることが多い。  省略したいときは、ただの「落ちこぼれ」と呼ぶ。本名が一部た

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誘う女 第0、1話

第0話 狩る男  世の中には、男を誘っているとしか思えない女がいる。  俺は、正午過ぎの大通りをぶらついていた。ターミナル駅の近くだ。梅雨時だが、今日は太陽がぎらぎらと照りつけている。  大学はサボった。今日の講義は出席

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Deja Vu Deja Vu

「ねえねえ俊くんっ!ここに新しいお店ができてるよ!」 「ん~?……お、本当だな」  日曜の午後、いつものように俊くんとふたりでお出かけして、お昼ご飯を食べてからぶらぶらと歩いていた時のことだった。  一軒のお洒落なアクセ

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秘仏御開帳

 わたしが、その村にやってきたのは、春先のことだった。  奇妙なお祭りがある。  そのお祭りには、お寺にある秘仏が関係しているそうだ。  そんなうわさを(ネットで)聞き付けたわたしは、現地に直行した。  そういうことをす

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