HEART×HUNTER 綾乃編

綾乃編  あの日私は最大の屈辱を味わいました。  その日から私の人生が狂いだしたのです。  高校1年の秋頃でした。  私はちょっと用事があったので車で送ってもらいました。  といっても新作のブランド品を見に行くところだっ

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HEART×HUNTER 麻衣編

麻衣編  ある女の前に男女が跪いている。  その女は誇らしげに笑っている・・・  それを柱の影から眺める女性が居る・・・ 「わ、私が・・・私がやるしかないんだ・・・」  大きく深呼吸をすると、勢い良く飛び出していった。

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HEART×HUNTER 優嘉編

優嘉編  男の名は結城龍正。  その男と寄り添いながら歩く女・・・  学校中がベストカップルと認める2人。  そしてその様子を怒りと悲しみを込めて見つめる女の名は、黒田優嘉・・・  これは龍正と優嘉のみが知るお話・・・

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淫魔 (1)

(1) 淫 魔  暖冬の影響か、3月半ばというのに桜のつぼみが今にも咲きそうに膨らんでいる。気象庁の予想では例年よりかなり早くなりそうだ。そんな桜の木が街路樹に並ぶ都内のある繁華街の駅前の広場。その広場のベンチに先ほどか

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催淫師 嵐前

─ 嵐前 ─  雨桶市全域にかかった霧は、朝日に照らされ緑色に光っている。道行く人々はその不自然さに疑問を表すこともなく、歩を進めている。 「ああっ・・・」  不意に一人の女性が喘いだ。彼女の顔は上気し、口の端からは涎が

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汚染 中編 その1

~ 中編 その1 ~  コツ、コツ、コツ・・・・・  暗く長い廊下を歩いていく。  目の前に大きな観音開きの扉が現われた。  俺はその扉を力をこめて押した。 『ギー・・・・・・』  という音をたてて扉が少しずつゆっくりと

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汚染 前編 その2

~ 前編 その2 ~ 「ねー、みんな今夜うちでパーティーやろうよ」  俺は、研究室のみんなの前でこう提案した。 「パーティー? なんのパーティー?」 「えっ、そうだな俺の記念日パーティーかな」 「何の記念日?」 「そんな

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汚染 前編 その1

~ 前編 その1 ~  少しづつ、すこしづつ・・・・  それは誰も気づかないうちに進行していく・・・・・・・  しかし、それは確実に・・・・・  それ自体、何も起こしはしない。  人に害を与えるものでもない。  無色・透

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悪代官

 この部屋には壁が無い。  いや!壁が無いという表現は間違いにあたるかもしれない。  有るには有るのだが壁という壁全部が書物で覆い尽くされているのだ。  それはどれもこれも最初の数ページで頭が痛くなってきそうな書物ばかり

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催淫師 暗躍編(6)

暗躍編(6) 「此処ね」  廉霞はとある町にある、空き家の前に立っていた。何やらおかしな連中が住み着いて、近隣の者に被害が出ている、警察の手にもおえないから何とかして欲しいという要請を受けての事である。 (確かに妖気を感

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ムジョウノカゼ

「ね、姉さん・・・」  我ながら、声に力がない。  細くなった手を、目の前の姉さんへと伸ばした。 「ハルミラ!しっかりしなさい!」  ギュッと手が握り締められた。 「私は・・・大丈夫だから・・・」  大好きな姉さんを、心

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催淫師 暗躍編(5)

暗躍編(5)  ピシャッという音が、始まりの合図だった。 「あっ・・・うんっ・・・」  清華は男を玄関で受け入れ、仰け反った。 「んくっ・・・はっ・・・」  啓人は浅く、ゆっくりと動き出す。清華はその啓人に、しがみついた

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催淫師 暗躍編(4)

暗躍編(4)  二人が入ったのは、六畳の和室であった。そこには机が一つあるだけで、片付いているというよりは他に何もなかった。 「ここは・・・?」  尋ねる啓人の声にも、不思議そうな響きが含まれている。ゴミどころか、塵一つ

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聖域の中の日常

 ちゅんちゅん……。  カーテンから漏れる朝日で私 ― 岡部美緒 ― は目を覚ました。  美緒とお兄ちゃんは裸で抱き合ったまま眠るの。兄妹だから当然でしょ?  いつもの日課、ねぼすけのお兄ちゃんを起こさなくっちゃ。  布

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