第17話 いったい、何度この体を弄ばれたことだろう? リーゼロッテは闇の中で考える。 あるときは、優しく、まるで尊い姫君と初夜を過ごす王子のように慎重に慎重に彼女をいたわりながら行為を行った。またあるときは、獣のよ
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星辰の巫女たち 第16話
第16話 一方、こちらはリーゼロッテと共にレンに潜入したポピレア。 リーゼロッテと分かれてから10日以上が過ぎていた。縦ロールを振り乱しながら、彼女は馬を走らせていた。 ポピレアはレンで重度の洗脳を受けてしまった。
もっと読む星辰の巫女たち 第15話
第15話 彼女の性感が開発されてからというもの、牢獄内の地獄はさらに辛いものになった。彼女は身を苛む苦痛に加え、もっと恐ろしい敵・快楽とも戦わなければなくなったからだ。 だが彼女はどんなに体を弄ばれても、苦しめられて
もっと読む星辰の巫女たち 第14話
第14話 リーゼロッテの意識は夢の中をさまよっていた。 彼女は力なくうなだれ、後輩プリムローズの膝の上に枕していた。奇妙な光景だった。かつては、彼女のほうが完全に立場が上でプリムローズを翻弄していたのに、今その上下関
もっと読むファンタジーシティー 分割版 (scene14-16)
マイ・ディア・シスター (scene14-16) -14- 「かんぱーい」 マヤの大声に、ほかの3人の声はほとんどかき消された。 両手で握ったホットミルクのカップに、3人のワイングラスは弾き飛ばされそうになる。 仲
もっと読む星辰の巫女たち 第13話
第13話 美しい蝶は蜘蛛の巣に捕われていた。 蝶は羽ばたくことをやめていた。それは抵抗する力をなくしたためではない。賢明な蝶は、もがけばもがくほど蜘蛛の思うつぼだということを知り、じっと耐えていたのだった。 あれか
もっと読む星辰の巫女たち 第12話
第12話 「んん……」 リーゼロッテは暗い部屋の中で目を覚ました。 捕まったのか……。当然か。 彼女は自分の体を確かめる。とりあえず、折り目正しく纏った巫女装束に乱れはない。 と、部屋の対角で声がした。 「お目覚
もっと読む星辰の巫女たち 第11話
第11話 日輪の巫女ステラ=マリが慈愛の巫女なら、月の巫女リーゼロッテは強さの巫女だと言われる。 リーゼロッテは、巫女の中で最も幼く見え、最も傲慢で、そして最も戦闘力に秀でた巫女だ。 彼女はこの世で一番自分が尊
もっと読む星辰の巫女たち 第10話
第10話 かつて邪神を崇めた神殿。いまその祭壇で、復活した邪神の前に巫女が跪いていた。 星の巫女プリムローズは幸せそのものの顔でタローマティを見上げていた。 うれしい。ご主人様がわたしをしもべとして認めてくださ
もっと読む星辰の巫女たち 第9話
第9話 「誰か! この状況を説明できる者はいないのか!」 夜が明け、神殿騎士たちは大騒ぎだった。彼らのリーダー・星の巫女プリムローズが消えているのだ。 彼女を最後に見たのは不寝番だったが、彼はその後強烈な眠気に教われ
もっと読む星辰の巫女たち 第8話
第8話 ザールの意識は深い闇の底にあった。 あたりは光ひとつなかった。音も、匂いも、熱さも冷たさもなかった。 満足な思考能力はなく、眠っているのか起きているのかわからない朦朧とした意識だった。 意識が途切れたのは
もっと読む星辰の巫女たち 第7話
第7話 プリムローズは邪教の神殿の祭壇の上に立っていた。その姿は、まるで生贄に捧げられる羊か、でなければ闇の儀式を執り行う巫女のように見えた。祭壇の前には大きな鏡。そこには怒りに染まった顔を戸惑わせるプリムローズの姿が
もっと読む星辰の巫女たち 第6話
第6話 人生でもっとも幸せなときはいつか、と訊かれれば、プリムローズは父と過ごした時期だと答えるだろう。 物心ついたときから数年間の、大好きな父に守られていたとき。 プリムローズはずっと父に育てられた。父はこの愛ら
もっと読む星辰の巫女たち 第5話
第5話 アールマティ大聖堂のそばに小さな孤児院がある。 この牧場の中を、いま子供たちが遊んでいる。 彼らの中に混じって草原の上を転がりあって遊ぶ少女がいた。 可憐な少女だった。桃色の髪、透き通った目、ほっそりと整
もっと読むもったいない魔王 第五幕
第五幕 イセルヴァとアリタの襲撃後、カンディスとザジの姿は中央から離れているが交易と商業が盛んな町、リヴェトにあった。 「ここの領主、クラヴィ・ザナド子爵が我輩の出した条件に合う貴族なのだな?」 「ええ、地理的にはもち
もっと読む星辰の巫女たち 第4話
第4話 アールマティ大聖堂から東にあるレン国。大陸有数の大国だ。この首都レン市からは東西南北あらゆる方向に街道が伸び、地方交易の中心地となり、広場には商人たちの賑わいが絶えることがない。 このレン国を治める女王・フロ
もっと読むもったいない魔王 第四幕
第四幕 彼女は歩みを進めていた。まっすぐに進んでいた。その先にいる兄弟を引き裂くために、踏みにじり蹂躙するために。 この人間界に来てから、すぐにあの軟弱者の配下の小悪魔を捕まえられたのは運が良かった。 手始めにあの
もっと読む星辰の巫女たち 第3話
第3話 巫女との出会いから数日……ザールは巫女の癒しの力によって回復した。 ステラ=マリは毎日彼の病室を訪れ、荒んだ相貌の彼を軽蔑することも怖気づくこともなく接してくれた。 病室で二人きりになっても、ザールは最初、
もっと読む星辰の巫女たち 第2話
第2話 この大陸の人々の心のよりどころである、アールマティ聖教。 人々は誰もが光の神アールマティを信仰し、一生に一度はその聖地・アールマティ大聖堂を訪れたいと思っている。この大聖堂の中心人物である法王といえば、世俗の
もっと読む星辰の巫女たち 第1話
第1話 かつて、人間がまだ生まれて間もなく、世界がまだ混沌に包まれていたころ、光の神と闇の神の戦いがあった。 光の神をアールマティ。闇の神をタローマティという。 アールマティは天使たちを率いて戦った。タローマティは
もっと読むもったいない魔王 第三幕
第三幕 「うおぉぉぉおぉっ!」 淫魔カンディスの上げた悲鳴は、すぐに巨大な滝から水が落ちる轟音によって掻き消された。 その悲鳴が耳に届いたのは、肩に座っているザジと・・・カンディスを追いかけている大蛇くらいだっただろ
もっと読むもったいない魔王 第二幕 その3
第二幕 その3 カンディスは双子の令嬢にマレーネと同じ事を言い含んだ後、再びホテルに向かっていた。 「次は・・・夫が仕事人間で家庭を顧みない、良家の人妻と二人の姉妹か。・・・次はこの『紅玉の首輪』とラメラとキャナルの出
もっと読むもったいない魔王 第二幕 その2
第二幕 その2 カンディスは貧乏性で、もったいないが口癖と言う変わり者の悪魔だ。しかし、そんな彼でも浪費しても少しか惜しくないと思うもの物があった。 それは人間界での金銭だ。 悪魔が人間を誘惑する常等手段として、金
もっと読むもったいない魔王 第二幕 その1
第二幕 その1 カンディスが修道院と七人のシスターを手中に納め、禁欲生活に豪勢な決別をしてからすでに半日がたった。その間カンディスは、クレア達の肉体を間断無く味わい続けていた。本当なら、このまま後七日七晩続けることが出
もっと読むもったいない魔王 第一幕
第一幕 ある競技が、行われる。全ての夢魔の母にして女王である、魔王リリスが主催する競技だ。 そしてプレイヤーは、その女王が魔王となった最初の日に生んだ、百人の子供達。いずれも優れた悪魔達だ。 賞品は、魔王の称号と自
もっと読む竜の血族・外伝 8
8 風呂上がり。 失神したリスフィーナを脱衣所へと移し、軽く頬をはたくとすぐに復活した。どうやら意識を失っていたのは数十秒程度のことで、脱衣所に抱え込まれた時点で起きていたらしい。 「お姫様抱っこで寝室まで運んで欲し
もっと読むファンタジーシティー 分割版 (scene10-14)
マイ・ディア・シスター (scene10-14) -10- まだ、マヤがこの街にきてから一月も経つ前のこと。 セアラとアレクは、ともに魔術師ギルドで『精霊魔術応用』の単位を受講していた。 講師は帝室魔術師を引退した
もっと読む竜の血族・外伝 7
7 レオンフィールドのメイド、兼愛人のレミカは、ふと昔のことを思い出していた。 独房――そう呼ぶにふさわしい、無骨な石造りの部屋の中。 冷たい風がひっきりなしに吹き込み、奥歯がかちかちと鳴る。 たった1枚の毛布に
もっと読む糸切り人シザー・人形の館
今にも降りだしそうな暗雲が、空一面を覆っていた。 吹きすさぶ北風が、土埃で汚れたマントを翻していく。 低く、長いその唸りは一向に鳴り止む様子はない。 身を切るような冷風のなか、旅の男は一人、平原にある小さな町の大
もっと読むとある男の不幸で幸福な人生 プロローグ
プロローグ 「はあ~…」 とある森の中で、大きなため息が一つ聞こえてきた。 一体如何すれば良いってんだ、俺はよお… その森の奥で、男が自分に抱きついている美麗な女性を気にしながら悩んでいた。 金髪で一般的には上の中といっ
もっと読む竜の血族・外伝 6
6 「ふ……ん………」 人差し指をカギ型に曲げ、小さな唇にあてる。 藍色の瞳に怒りの炎を宿し、彼女は侵入者を睨みつけていた。 「忌々しい」 深夜、さる貴族の邸宅での出来事。 パーティに招待され、護衛を伴って出向い
もっと読む竜の血族・外伝 2
2 熱気が、身体を赤く染め上げていた。 暖炉で燃える炎と、裸を見られていることへの羞恥と、愛しい人に触れていることからの快楽と。 ペチャペチャ……………ピチュ………クチャ……… 1つの竿を分け合うように、左右から
もっと読む竜の血族・外伝 5
5 エイフィーナと――母親を殺した相手と対面した後、レオンはサリアと2人きりになった。 「話していただけますか? 僕の生い立ちのことを」 師を見るレオンの目は、いつになく険しい。 サリアは容疑者だった。 乞食に過
もっと読むファンタジーシティー 分割版 (scene7-9)
マイ・ディア・シスター (scene7-9) -7- 30分ほどして、マヤはセアラの手を引いて戻ってきた。 力無い足取りでマヤの後をついてくるその姿は、普段の颯爽とした姿とはぜんぜん違う。 「ここに立っていてください
もっと読むファンタジーシティー 分割版 (scene4-6)
マイ・ディア・シスター (scene4-6) -4- 事件が起こった教会の建物は、もともとは帝政末期の反動時代、聖十字教徒を監禁していた牢獄だった。 その建物が教会として生まれ変わるきっかけとなった奇蹟――帝国の崩壊
もっと読むファンタジーシティー 分割版 (scene1-3)
マイ・ディア・シスター (scene1-3) -1- 巫女の朝は早い。 夜明け前に起き、白い一枚着(ローブ)を羽織って冷水を浴びることから、マヤの一日は始まる。 井戸水は凍えるような冷たさだが、かまわずざぶざぶとか
もっと読むファンタジーシティー 分割版 後編(9-13)
ファーストミッション(分割版 後編) -9- 教会の入り口は、容易に制圧することができた。 レジェナとノエルに対して取った作戦の焼き直し。レジェナが話しかけている間に、イシュタが眠れという念を送る。2人の自警団員はな
もっと読むファンタジーシティー ファーストミッション 一括版(88KB)
ファーストミッション(全長版) -1- 高床式の小屋がある。 その小屋には、枠に植物を編み込んだ『タタミ』とかいうマットが3枚敷いてある。壁は粒の細かい泥で塗ってあって、明かりは蝋を燃やすのでなければ、紙を使った採光
もっと読む竜の血族・外伝 4
4 夜の帳が降りていた。 チキチキチキと、外で羽虫が愛を囁き、無数の夜行性の獣が雑木林を徘徊してガサガサと音を立てる。 奥地と呼ばれるに相応しい未墾の山、ランロルド。標高はそれほど高くはないが、道なりは複雑に曲がり
もっと読む竜の血族・外伝 3
3 王宮を抜け出し、僕は酒場でひとり、ちびちびと飲んでいた。 2時間ほど前に、リスフィから自分の父親が国王ではないことを、僕は聞かされた。 その事実が、僕を躁鬱の沼に浸らせていた。 親、というものに対して、僕には
もっと読むファンタジーシティー 分割版 中編(6-8)
ファーストミッション(分割版 中編) -6- 悪魔というのは教会などが主張するよりずっと義理堅い存在である。 「契約」を根拠にこの世界に存在している悪魔にとって、契約の信頼性は、そのまま存在の強度に関わるからだ。
もっと読むファンタジーシティー 分割版 前編(1-5)
ファーストミッション(分割版 前編) -1- 高床式の小屋がある。 その小屋には、枠に植物を編み込んだ『タタミ』とかいうマットが3枚敷いてある。壁は粒の細かい泥で塗ってあって、明かりは蝋を燃やすのでなければ、紙を使っ
もっと読む竜の血族・外伝 1
1 触れるだけの口づけを交わし、僕はまた口づけをする。 今、キスをしたのは別の相手と。 ベッドに座る僕。 その左の膝と右の膝。 各々の膝に1人ずつ女の子が座り、僕と交互に口づけを交わす。恋人と初めてするような、
もっと読むファンタジーシティー ロングプロローグ(改)
ロングプロローグ -1- いまでない時、ここでない場所、いわゆるひとつのファンタジー世界。 村というには大きいが、自由都市の認定を受けるには至らない人口5000人ほどの宿場町。 その5000人のうちのひとり、アレク
もっと読むRing of Marionette 第五話
「今日は冒険楽しいな~♪ 姉さま一緒で嬉しいな~♪ マリアさんも一緒でよかったな~♪」 「ミーシャ、嬉しいのは分かるけど、はしゃぎすぎよ」 「は~い♪」 「うふふ……」 「どうしたのよ、マリア?」 「そういうシーナさんだ
もっと読むRing of Marionette 第四話
その瞳は真剣そのものであった。 ただ一途に一つの存在を愛し続けた人間だけが持ちうる瞳……あたしはその想いに答えることが出来るのだろうか…… あたしは左手の指輪……リング・オブ・マリオネットに目をやる。それは何も言わ
もっと読むRing of Marionette 第三話
「なんだい、今度の依頼は女子供のお守り付きか?」 開口一番、そんな愚痴ともとれる感想を述べてくれたのは、今回の仕事をあたしとともに引き受けた男……名前は確かロバートとか言ったか。 あたしだって、こんな仕事は引き受けた
もっと読むRing of Marionette 第二話
あたしの名はシーナ=アースティア……ここら辺でのお宝探しを主な生業としている、ちょっとは名の知れた冒険者。 『ディアナの蒼猫』って名前を聞いたら、それはあたしのこと……この二つ名は結構お気に入りだったりするのよね。
もっと読むRing of Marionette 第一話
鋼の強さを持ちながら、女性特有のしなやかさと柔らかさを失っていないその身体、凛々しさの中に優しさとあどけなさを残したその顔立ち、そして自我を失ったかのようにひたすら遠くを見つめるその瞳。 それがすべて自分の思うままに
もっと読む魔法の指輪 後編
後編 - 1 - 温泉宿に来てから7日間が過ぎた。 温泉での療養は、贅沢といえば贅沢だがヒマでしょうがない。 寝るか食うか温泉に入るかしかないからだ。 暇な時間は、俺やリュカの自慢話、アリアの宮廷のこっけいな話な
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