旧校舎 第二話

第二話 「ねえ芹華。相談したいことがあるんだけど、いい?」  授業が終わって帰る準備をしていると寺島遥に声をかけられた。遥から相談を持ちかけられるのはなんだか久しぶりな気がする。前はよく遥の悩みを聞いたものだったが、ここ

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旧校舎 第一話

第一話  昼休み。  僕は本を読むふりをしながら南條芹華の横顔を眺めていた。アーモンド形のパッチリした目に高く通った鼻筋、シャープな輪郭と抜群に整った顔立ちに170cmを超える長身。芹華と談笑している寺島遥も十分美少女と

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バイト研修

 彼女、秋本麻衣(あきもと まい)は、どこにでもいる今時の女子大生だ。  明るい性格で、肩まである、ふわっとウェーブのかかった明るい茶色の髪に丸顔でくりっとした大きな瞳の愛くるしい顔立ちの子だった。  バイトをしようと思

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タクマ学校 その9

その9 中古車ディーラー勤務 柿本隆夫  本来なら、こんなに早起きした朝は、凄く気持ちがいいはずだ。親父が定年になってからというもの、しょっちゅう両親は旅に出てる。俺はその隙に恋人の恵理を家に連れ込んで、新婚生活みたいな

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タクマ学校 その8

その8 出版社勤務 早川理沙  ショッピングモールでのんびりとウィンドーショッピングなんて出来るのも、思い切って半日有給をとったおかげです。バッグや服を見ながら、私はユウタが気に入ったゲームソフトを決めて、私を呼びに来る

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タクマ学校 その6

その6 高校生 正木啓一  ふと教室が騒々しくなっているのに気がついて、教科書にアンダーラインを引きながら熟読していた僕の集中が途切れてしまいました。また自主学習の時間を、ミツオが潰そうとしてるみたいです。彼の席の周りに

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タクマ学校 その3

その3 女子高生 秋里梢  私が部活が終わって家に帰ろうと、校門からバス停に向かって歩いていた時、私を呼び止めたのは、意外な相手でした。クラスの不良、藤堂陽子です。私は彼女とは、どちらかというと仲良しというよりも、敵対関

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タクマ学校 その2

その2 友人 川口ツトム  タクマが何人かの相手に、集団催眠を試してみたいという話をしだした時、僕はタクマに、前に庭で詩織ちゃんとエッチなことをした時とか、由利恵ちゃんのボインをイジりまくった時みたいな、友達を集めての催

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タクマ学校 その1

その1 友人 川口ツトム  タクマが、タクマだけの催眠術の道に入り始めたのは、僕らが小学校5年生、11歳ぐらいの頃だと思います。それまではクラスでも全然目立たない、ただの大人しい奴だったんです。僕はけっこう運動とかケンカ

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落ちこぼれのレイニー・ブリスルスハート 第4話

-4-  森の中で一人、息を潜める。  おそらく何かの作業場か小屋のあった場所なのだろう。崩れた廃屋跡と、切り拓かれたスペースがあった。ノベル兵たちの集合場所にもなっているのか、大勢の屈強な兵士がウロウロしている。  場

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落ちこぼれのレイニー・ブリスルスハート 第3話

-3-  学院に戻ってきて、しばらくは平和な毎日が続いた。 「せーんぱいっ」  昼休みに廊下を歩いていたら、鈴の音とともに呼び止められる。振り返ると、『後輩↓』という文字を頭上に浮かべたモモがニコニコしていた。  うむ。

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落ちこぼれのレイニー・ブリスルスハート 第2話

-2- 「うっそでしょ、こんなところでもうへたれちゃうんですか? これっておそらく最短記録ですよね、きっと報告書を読んだ先生も失笑ですよね、恥ずかしいですねー」  わずか数マイメーター歩いただけで腰の痛みを訴えてへたれる

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落ちこぼれのレイニー・ブリスルスハート 第1話

-1-  落ちこぼれのレイニー・ブリスルスハート。  当然、俺の本名は後半の部分だけなんだけど、学校のみんなには、わざわざ長ったらしくこう呼ばれることが多い。  省略したいときは、ただの「落ちこぼれ」と呼ぶ。本名が一部た

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誘う女 第0、1話

第0話 狩る男  世の中には、男を誘っているとしか思えない女がいる。  俺は、正午過ぎの大通りをぶらついていた。ターミナル駅の近くだ。梅雨時だが、今日は太陽がぎらぎらと照りつけている。  大学はサボった。今日の講義は出席

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