― プロローグ ― イオリは注意深く周囲の気配を探った。野性味の溢れる整った顔が、緊張に強張っている。それも、この状況では仕方が無いが。 今の所、不穏な気配はまったく感じられない。けれど、それが安全とはイコールでは結
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永遠に続く幸せを君に 第一話
第一話 ********************************************************** 注意)始めにお読み下さい。 このお話は、MC分が非常に希薄なお話となっています。 直接的な暗示
もっと読むライフ=シェアリング 祐介と亜衣
- 序 - ライフ=シェアリングとは、死すべき身体を、命を、心を、グランツ(与える者)が、アクセプツ(受諾する者)に命を分け与える事で繋ぎ止める技術を言う。 それは、素晴らしい技術のように思える。しかし、弊害が無い訳
もっと読むライフ=シェアリング 美星と美月と辰巳 Root B
– Root B – - 6 - 「やぁ、待ってたよ、美星ちゃん」 爬虫類めいた嫌らしい笑顔で、辰巳はわたしと美月を玄関まで出迎えた。 ここは、辰巳が住むマンションだ。 初めて来た辰巳の部屋
もっと読むライフ=シェアリング 美星と美月と辰巳 Root A
– Root A – - 6 - 初めて来た辰巳の部屋は、結構立派なマンションの最上階にあった。 「へぇー、凄いところに住んでるんだね・・・って、妙に郵便受けの数、少なくない?」 一階のエント
もっと読むライフ=シェアリング 美星と美月と辰巳 美星と美月と辰巳
- 序 - ライフ=シェアリングとは、死すべき身体を、命を、心を、グランツ(与える者)が、アクセプツ(受諾する者)に命を分け与える事で繋ぎ止める技術を言う。 それは、素晴らしい技術のように思える。しかし、弊害が無い訳
もっと読むライフ=シェアリング 美波とスグル 美波とスグル
- 序 - ライフ=シェアリングとは、死すべき身体を、命を、心を、グランツ(与える者)が、アクセプツ(受諾する者)に命を分け与える事で繋ぎ止める技術を言う。 それは、素晴らしい技術のように思える。しかし、弊害が無い訳
もっと読むライフ=シェアリング 毅と雪穂
- 序 - ライフ=シェアリングとは、死すべき身体を、命を、心を、グランツ(与える者)が、アクセプツ(受諾する者)に命を分け与える事で繋ぎ止める技術を言う。 それは、素晴らしい技術のように思える。しかし、弊害が無い訳
もっと読むなみのおと、うみのあお Other3 -夏美&冬香-
- Prologue - 今日の天気は、これぞ五月晴れ!というぐらいに気持ちいい。 生まれ変わったわたしにふさわしい、世界に祝福されているみたいな朝だ。 ちょっと大袈裟に聞こえるかも知れないけど、わたしの中で、それ
もっと読む魔性の少女 最終章
最終章 「行くの?」 ぼくは、舞ちゃんを後ろから抱き締めて、そう聞いた。 もう、何度も聞いたというのに、もしかしたら引き止められるかも知れない・・・なんて、ありそうも無い希望に縋って。 「ええ。そんなに掛からないと思
もっと読む魔性の少女 第六章
第六章 ― 1 ― ちゅ。ぴちゅ。ちゅっ。ちゅぴっ。 ぼくの目の前で、妹達が汗にまみれ、ねっとりとしたキスを交わしている。 汗できらきらときらめく肌を部屋の白い蛍光灯の光に晒して、まるで一つになろうとしているみたい
もっと読む其は愛しき想いを紡ぐモノ
- 序 - 「おいしい?」 女の子が一人、木々に覆われた山の斜面に、ひざを抱き込むようにしてしゃがんでいる。ひざの裏側に、柔らかそうなピンク色のスカートの裾を挟んでいるのは、幼くても女の子、ということだろうか。 女の
もっと読む魔性の少女 第五章
第五章 ― 0 ― ぼくは、言語に置き換えがたい爽快感を感じている。 言葉にすると、それは日常とか、常識とか、道徳とか、世の中を成り立たせる為のルールから、激しく逸脱しているものになるだろう。 けれど、世の中を構成
もっと読む魔性の少女 第四章
第四章 ― 0 ― 舞ちゃんとセックスした夜。 あの時からぼくもまた変質を余儀なくされた。 それほどまでに、舞ちゃんの身体は甘美だった。 柔らかく、しっとりとした感触の肌。 甘い体臭。 そして、快楽神経を直接
もっと読む魔性の少女 第三章
第三章 ― 0 ― 家の雰囲気は、もはや元には戻れないと確信させられるほど、徹底的に変わってしまった。それは全て、舞ちゃんが来てからの事。舞ちゃんが行った事。舞ちゃんが・・・望んだ事。 いつも家族の誰か、または全員が
もっと読む魔性の少女 第二章
第二章 ― 0 ― 彼女が何を考えているのか、まったく判らない。 ぼくは異様な興奮に全身を蝕まれ、壊れかけた人形のようにただその光景を見詰める。 目の前に映し出される、淫靡な光景。 日常を逸脱した非日常。 世界
もっと読む魔性の少女 第一章
第一章 ― 0 ― チャイムの音がした。 ぼく――佐原裕司は自室でベッドに寝転がり、あからさまに暇つぶしといった様子で車専門の雑誌をめくっていたのだけど、その音に反応して身体を起こした。 階下に家族がいるのは知って
もっと読むガツン#
(『ガツン』はジジさんの作品です) 「たいへんっ!たいへんなのっ!!」 ネコっぽい顔付きの女の子が、ボクの部屋に飛び込んできた。顔が真っ赤で、どれだけ走ったのか、息をひどく荒げている。肩までの髪の毛も、どこか乱れてるし
もっと読むなみのおと、うみのあお Other3 -さくら-
- 1 - 「うふん♪」 鏡の前で、イロっぽいポーズを決めてみる。 身に纏うは可愛い柄の下着だけ。 あまり太陽に焼かれていない、白くてきめ細かな肌。 くびれて艶かしいラインを描くウエスト。 きゅっと上を向いた、
もっと読む妹のように、恋人のように Vol.3
― プロローグ ― 朝の光を感じて、わたしは目を開いた。 隣には、大好きなお兄ちゃんの寝顔。 掛け替えの無い、大切な大切な人。 ぼんやりとそんな事を考えていると、だんだん頭がはっきりとしてきた。 昨日は安息日で
もっと読む妹のように、恋人のように Vol.2
― プロローグ ― ゆさゆさ。 ゆさゆさ。 「もすこし寝るー」 半分寝ぼけたような、お兄ちゃんの声。 ゆさゆさ。 ゆさゆさ。 「ね、もう起きないと、がっこう遅刻しちゃうよ」 ゆさゆさ。 ゆさゆさ。 「むー」
もっと読む妹のように、恋人のように
― プロローグ ― 「たーかっひろっ♪」 屈託なく、彼女がオレに笑い掛ける。 「だぁいすき・・・だよっ」 どこか照れくさそうに、顔を少しだけ赤らめて。 にしししし、なんておちゃらけて笑いながら。 「オレもだぞ」
もっと読むわたしのごしゅじんさま 第4話
第4話 ~ご主人様、爆誕!~ ・Master-01 窓をじめじめとした水滴で埋め、梅雨の雨はぼくの心を代弁するかのように降り続ける。それも、勢い良くバケツをひっくり返したような雨ならまだ力強さがあるだろうに、何を考えて
もっと読むわたしのごしゅじんさま 第3話
第3話 ~嬉し恥ずかし初でぇと~ ・Slave-01 そっと指先にキス。 高感度の感覚器が集中している指先は、ちゅっという音とともに、私にささやかな快感を伝えてくれる。 左手が、右手を捧げ持つように、動いた。 こ
もっと読む其は悪しき神のおわす山
- 序 - 「だから沙恵香、あの山に登ってはいけない。これだけは、絶対に守っておくれ」 酷く真剣な様子で語りかけてくる祖母に、沙恵香は微笑を返した。 実際、これまで何度も破っているその約束も、口だけならいくらでも、何
もっと読むわたしのごしゅじんさま 第2話
第2話 ~はじめての・・・~ ・Master-01 男が出す匂いとは、どこかが決定的に違う汗の匂い。ちょっと嗅いだだけで汗の匂いと判るのに、不愉快な感じのしない・・・それどころか、もっと深く嗅ぎたくなるような、匂い。
もっと読むわたしのごしゅじんさま 第1話
第1話 ~おおきなくりの木のしたで~ ・Master-01 ぼくの名前は佐原道明。今、世界でもっとも幸福な高校生だ。 身長は151cm(でも、測る時に微妙に踵を浮かせてたのは秘密だ)で、友達連中には小動物系なんて言わ
もっと読むなみのおと、うみのあお Other2 -由布-
- 1 - 「ふぅっ」 私は大きく息を吐いて、ソファーに腰を下ろした。自分の部屋に戻ってこれだけ落ち着くというのは、やっぱりそれなりに緊張していたからだろう。 今日は、明聖高校に赴任した当日。いくら先生って仕事は慣れ
もっと読む其は魔なるモノ 後編
- 後編 - ─ 5 ─ ぽたり、と美宇の男性のシンボルのような形に肥大化したクリトリスに、暖かい雫が滴る。それすらも興奮に固くなったそれには刺激となり、まるで独立した生物のようにびくん、と震えた。 「あ・・・あけみ・
もっと読む其は魔なるモノ 中編
- 中編 - ─ 3 ─ 美宇は自室のベッドの上で目を覚ました。今まで自分がどういう状況に置かれていたのかがすぐに思い出せず、暫くベッドに横たわったままで茫とした。なんとなく天井を見詰めながら、全身の力を抜く。足の感触
もっと読む其は魔なるモノ 前編
- 前編 - ─ 序 ─ ひらひらと雪が舞う。 ここは鈴沖美宇が住む街から、電車で一時間ほど離れた場所にある海岸だ。 足元には腰までの高さの柵があり、その先には海へと続く断崖絶壁。 頬を切るような冷たい風が、美宇
もっと読むEDEN 3rd 最終章
最終章 ─ 1 ─ 不自然な体勢で寝ていたせいか、なんだか身体がぎしぎしと音を立ててるような気がした。でも、目覚めはとても気分が良い。ぼくは寝起きの胡乱な頭で、少しだけそれを疑問に感じていた。 まるで、一生懸命運動を
もっと読むEDEN 3rd 第四章
第4章 ─ 1 ─ ぼくは、どんなにがんばっても赦される事の無い、最悪な罪をこの胸に抱えている。 ぼくが、ぼくの意思でやった事だ。 言い訳なんて、欠片も思い付かない。 それどころか、言い訳を言うだけの資格すらも、
もっと読むEDEN 3rd 第三章
第3章 ─ 1 ─ 待っていたのは史上最強最悪の不愉快さだった。 あたしは自分の意思を大事にしてる。あたしが椎名祐美である為に、あたしは努力を惜しまない。例えそれで自分一人が孤立しても、あたしはあたしを曲げる気は無い
もっと読むEDEN 3rd 第二章
第2章 ─ 1 ─ ぴんぽーん。 館の重厚さとは不釣合いなほどに軽いチャイムが、ぼくに来客を告げた。 今日はかなた&友香の企画、ぼくが場所提供のもとで行われる、お泊りパーティーの実施日だ。予定よりは多少早いけど、3
もっと読む其は打ち砕き、破壊せしモノ Vol.4_2
Destruction.4-2 ~其は全てを愛し、癒すもの~ - 5 - その言葉にオレは、真に歩み寄った。正面から真の目を見詰める。 この真は、本来の自我を持った真じゃあない。心の力・・・意思の一部を封印の維持の為
もっと読む其は打ち砕き、破壊せしモノ Vol.4_1
Destruction.4-1 ~其は全てをコワし、闇に帰すモノ~ - 5 - その言葉にオレは、真の首に手を伸ばした。 真が怯える顔を浮かべるのが、ゾクゾクする程楽しかった。 自分と同じ顔で、自分では浮かべる事の
もっと読む其は打ち砕き、破壊せしモノ Vol.4
Destruction.4 - 序 - ここはアメリカのとある州にある建物の中。打ちっ放しのコンクリートの壁に囲まれ、大き目のベッドが一つある。無骨な印象を与える床に置かれたベッドは、豪奢な天涯がついており、そこだけが
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Destruction.3 ~其は聖浄なりし、白き巫女~ - 序 - 松明が、薄暗い室内をゆらゆらと揺れる炎で照らしている。決して明るくは無いが、その者達にとっては、十分役に立っている。 そこは、広い場所だった。部屋
もっと読むEDEN 3rd 第一章
第1章 ─ 1 ─ いつものように神名と直子を誘って階段の踊場に行こうとして、あたしは立ち上がった。待ちに待ったお昼休みに、周りの生徒達も浮かれた笑みを浮かべている。仲の良い相手と一緒に食べようと、机をがたがた言わせる
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Destruction.2 ~其は護国を願いし、猛き鬼~ - 序 - そこは、神経質さを感じるほど清潔に保たれた、質素とも言える部屋の中だった。そこには数人の男女が居合せたが、緊張した空気が身体に纏わりつくように漂って
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- 序 - 意識が覚醒した。 ぼやける視線で周りを見渡すと、ここは洞窟の中のようだった。4メートルほど先に洞窟の出口があり、そこから先は木々が鬱蒼と茂っているのが見えた。 「あ・・・オレは・・・」 なんでこんな所に
もっと読む鳥篭の小鳥たち
-1- 「絢さん、滝尾 絢さん、ゆっくりと目を開けて下さい」 その声に、わたしの意識が浮上するのを感じました。先生の声で目が覚めるなんて、本当に素敵。少しだけ茫としながら、嬉しさにわたしの顔が弛むのを感じました。 「は
もっと読むEDEN 2nd Vol.4
Vol.4 ─ 1 ─ 身を切るような風が、背後からあたしを追い越していった。でも、あたしはこの季節が好きだ。寒くて人通りが少なくなった通りも、どこかどんよりと曇った空気も、すべて好きだ。基本的に、あたしは捻くれ者だか
もっと読むセイレーン 最終章
最終章 ・・・ざ・・・ざん・・・。 ・・・ざざ・・・ざん・・・。 波の音が、寄せては返し、返しては寄せ、飽きる事無く続けている。まるで、心音にも似たそのリズムが、瀬蓮の心を癒して行くようだった。 瀬蓮はもう、泣い
もっと読むセイレーン 5章
5章 - 1 - ざ・・・ざん・・・。 ざ・・・ざざ・・・。 寄せては返す波の音が、夜の空気に浸透するように、繰り返し響いている。 それはこの場所で、悠久の彼方より連綿と続けられてきた営み。 その波の音に唱和す
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4章 - 1 - 「はい、砂糖無しでミルク多めのコーヒーです。どうぞ」 そこは瀬蓮の部屋。どことなく居心地悪そうな悟に、瀬蓮はコーヒーを出した。もう、コーヒーというより砂糖抜きのカフェオレに近いそれは、不思議と美味しそ
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3章 - 1 - 呼吸を止めて、ライフルを構える。今までクレー射撃で使っていたものよりも、重い。 達哉は地下室に設置された射撃場で、試射をしていた。威力重視の大口径なので、とてもでは無いが、試射無しでは扱う気にならな
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2章 - 1 - 潮崎家の朝は、父親の達哉が作る料理の匂いで始まる。瀬蓮と夕緋を小さい頃から一人で育ててきたせいか、達哉の炊事・洗濯・掃除の腕前はかなりのものだった。特に料理は、見た目や味だけでなく、栄養のバランスの取
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1章 - 1 - 県立光陵高校は、街の外れに佇む歴史ある高校で、いじめや犯罪の無い、世間とは流れる時が異なっているかのように穏やかな校風だった。街の中に高校を建設しなかったのは、初代校長が自然の中で学生が育まれる事を願
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